材料工学

科目基礎情報

学校	長野工業高等専門学校	開講年度	令和02年度 (2020年度)
授業科目	材料工学
科目番号	0017	科目区分	専門 / 必修
授業形態	授業	単位の種別と単位数	履修単位: 2
開設学科	電子制御工学科	対象学年	3
開設期	通年	週時間数	2
教科書/教材	教科書：門間改三「大学基礎 機械材料　SI単位版」
担当教員	花岡 大生,鈴木 伸哉

到達目標

材料の微視的構造，合金と状態図，熱処理，材料試験，鉄鋼材料，非鉄金属材料，セラミックス材料，複合材料，機能性構造材料，以上9つの分野の基本的事項について理解と説明ができることで，学習・教育目標（D-1），(D-2）の達成とする．

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
金属の通性，合金の平衡状態図，鉄と鋼	金属の通性，合金の平衡状態図，鉄と鋼を深く理解し，他の事柄と関係して説明できる．	金属の通性，合金の平衡状態図，鉄と鋼の基本を説明できる．	金属の通性，合金の平衡状態図，鉄と鋼を説明できない．
構造用合金鋼，工具材料	構造用合金鋼，工具材料を深く理解し，他の事柄と関係して説明できる．	構造用合金鋼，工具材料の基本を説明できる．	構造用合金鋼，工具材料を説明できない．
鉄鋼の防食，高温における鉄鋼の性質，鋼の表面効果	鉄鋼の防食，高温における鉄鋼の性質，鋼の表面効果を深く理解し，他の事柄と関係して説明できる．	鉄鋼の防食，高温における鉄鋼の性質，鋼の表面効果の基本を説明できる．	鉄鋼の防食，高温における鉄鋼の性質，鋼の表面効果を説明できない．
鋳鉄，非鉄金属材料，非金属材料	鋳鉄，非鉄金属材料，非金属材料を深く理解し，他の事柄と関係して説明できる．	鋳鉄，非鉄金属材料，非金属材料の基本を説明できる．	鋳鉄，非鉄金属材料，非金属材料を説明できない．

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D-1) （基盤となる工学分野において，事象を理解するとともに，技術士第一次試験相当の学力を身につける．）

学習・教育到達度目標 (D-2) （基盤となる工学分野において，論理展開に必要な基礎問題を解くことができる．）

JABEE 産業システム工学プログラム （JABEE対応科目）

教育方法等

概要:

機械工学分野で用いられている材料について学ぶ．材料の結晶構造と機械的性質，材料名，特徴，用途など，これら相互の関連を総合的に学ぶ．

授業の進め方・方法:

授業方法は講義を中心とし，適宜演習を行う．

注意点:

＜成績評価＞４回の理解度の確認および試験(各25%×4)で(D-1)を評価し，合計の6割以上を獲得した者を合格とする．
＜オフィスアワー＞放課後 16:00 ～ 17:00，電子制御工学科棟1F 汎用実験室
この時間にとらわれず必要に応じて来室して下さい．
＜先修科目・後修科目＞
＜先修科目・後修科目＞先修科目はなし，後修科目は材料力学Ⅰ，設計工学，設計製図Ⅲとなる．
＜備考＞原子構造，結晶構造など化学における基礎的事項および物理学の力学的基礎事項を理解していること．

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
前期
	1stQ
		1週	金属の通性	金属の結晶構造，金属の塑性変形，すべり線，加工硬化，再結晶を理解し，説明できる．
		2週	合金の平衡状態図１	全率固溶体型状態図，デンドライト組織を理解し，説明できる．
		3週	合金の平衡状態図２	共晶型状態図（両成分が純粋に晶出する場合，両成分がある範囲の固溶体を作る場合）を理解し，説明できる．
		4週	鉄と鋼１	製銑法と製鋼法を理解し，説明できる．
		5週	鉄と鋼２	鋳塊，鋳塊の加工による材質変化,純鉄の変態と組織を理解し，説明できる．
		6週	鉄と鋼３	炭素鋼の状態図と組織を理解し，説明できる．
		7週	鉄と鋼４	Fe-C系平衡状態図を理解し，説明できる．
		8週	理解度の確認
	2ndQ
		9週	鉄と鋼５	鋼の熱処理を理解し，説明できる．
		10週	鉄と鋼６	炭素鋼の組成と用途を理解し，説明できる．
		11週	鉄と鋼７	冷延鋼板，粉末冶金を理解し，説明できる．
		12週	構造用合金鋼１	熱処理しないで使う合金鋼，焼き入れ焼き戻し状態で使う合金鋼を理解し，説明できる．
		13週	構造用合金鋼２	構造用合金鋼の規格と用途を理解し，説明できる．
		14週	工具材料１	炭素工具鋼，合金工具鋼，工具鋼の熱処理を理解し，説明できる．
		15週	工具材料２	高速度鋼，サ―メット，切削工具用セラミックス，工具鋼に類似した鋼を理解し，説明できる．
		16週
後期
	3rdQ
		1週	鉄鋼の防食とステンレス鋼	鉄鋼の防食と防食法，ステンレス鋼を理解し，説明できる．
		2週	高温における鉄鋼の性質と耐熱材料１	鉄鋼の高温酸化，鋼の高温度における機械的性質を理解し，説明できる．
		3週	高温における鉄鋼の性質と耐熱材料２	変形またはクリープ，耐熱鋼，機械構造用セラミックスを理解し，説明できる．
		4週	鋼の表面効果１	高周波焼入れ，浸炭，窒化を理解し，説明できる．
		5週	鋼の表面効果２	高周波焼入れ，浸炭，窒化を理解し，説明できる．
		6週	鋳鉄１	鋳鉄の組織と状態図を理解し，説明できる．
		7週	鋳鉄２	各種の鋳鉄，鋳鉄の熱処理を理解し，説明できる．
		8週	理解度の確認
	4thQ
		9週	非鉄金属材料１	ニッケルとその合金，銅とその合金を理解し，説明できる．
		10週	非鉄金属材料２	アルミニウムとその合金，マグネシウムとその合金を理解し，説明できる．
		11週	非鉄金属材料３	チタン，すず，鉛，亜鉛とその合金を理解し，説明できる．
		12週	非金属材料１	機械材料としての非金属材料（セメント，耐火材料，木材）を理解し，説明できる．
		13週	非金属材料２	機械材料としての非金属材料（プラスチック）を理解し，説明できる．
		14週	非金属材料３	機械材料としての非金属材料（接着剤，塗料，潤滑剤）を理解し，説明できる．
		15週	総合演習	総合演習を通して材料工学全体のし式の整理を行う．
		16週

評価割合

	試験	小テスト	平常点	レポート	その他	合計
総合評価割合	100	0	0	0	0	100
配点	100	0	0	0	0	100