材料力学I

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 材料力学I
科目番号 0026 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:成田・森本・村澤「楽しく学ぶ材料力学」, 朝倉書店 ; 考書書:尾田・鶴崎・木田・山崎「材料力学〈基礎編〉」,森北出版
担当教員 堀口 勝三

到達目標

基本的な荷重を受ける単純形状部材について,外力と内力の釣り合いを把握し,生じる応力とひずみ(変形)を求められること.材料の各種機械的特性とそれを支配する法則を説明できること.これらの内容を満足することで,学習教育目標(D-1)及び(D-2)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
材料力学の基礎,規格と単位材料力学の強度設計上の役割 ,SI単位系を理解して説明できる .材料力学の強度設計上の役割,SI単位系を理解できる.材料力学の強度設計上の役割,SI単位系を理解できていない.
応力とひずみ応力とひずみの定義・関係(フッ クの法則)を理解し,基本的な荷 重(引張,圧縮,せん断)を受け る単純形状部材の強度設計に応用 できる.応力とひずみの定義・関係(フックの法則)の説明,基本的な荷重(引張,圧縮,せん断)を受ける単純形状部材の応力やひずみなどの計算ができる.応力とひずみの定義・関係(フックの法則)の説明,応力やひずみなどの計算ができていない.
材料の機械的特性,許容応力と安全率各種材料の応力―ひずみ線図から 機械的特性を評価でき,使用応力 ・許容応力・基準強さ・安全率の 関係を理解して強度設計に応用で きる.各種材料の応力―ひずみ線図から機械的特性を理解でき,使用応力・許容応力・基準強さ・安全率の関係を説明できる.各種材料の応力―ひずみ線図, 機械的特性,使用応力・許容応力・基準強さ・安全率の関係を説明できていない.
引張・圧縮重ね合わせの法則を理解して引張 ・圧縮の静定問題を解析し,強度 設計に応用できる.熱や自重の影 響を考慮した強度設計ができる.重ね合わせの法則を理解して引張・圧縮の静定問題を解析できる.熱や自重による応力と変形について理解できる.重ね合わせの法則を理解して引張・圧縮の静定問題が解析できていない.熱や自重による応力と変形について理解できていない.
ひずみエネルギー法ひずみエネルギーと荷重・変位と の関係を理解し,カスチリアノの 定理を引張・圧縮問題に応用でき る.ひずみエネルギーと荷重・変位との関係を理解し,カスチリアノの定理を説明できる.ひずみエネルギーについて理解できていない.
曲げ(はりの支持・種類)はりの支持・種類について実際問 題との関係を理解し,反力・反モ ーメントを求めることができる.はりの支持・種類について理解し,反力・反モーメントを求めることができる.はりの支持・種類,反力・反モーメントについて理解できていない.
曲げ(SFD・BMD)せん断力・曲げモーメントを求め ,せん断力図(SFD)・曲げモーメン ト図(BMD)を描け,せん断力と曲 げモーメントの関係を理解できる.せん断力・曲げモーメントを求め,せん断力図(SFD)・曲げモーメント図(BMD)を描くことができる.せん断力図(SFD)・曲げモーメント図(BMD)を描くことができていない.
曲げ(応力)曲げ変形・応力の関係,断面2次モ ーメントと断面係数を理解し,曲 げ応力の解析を強度設計に応用で きる.曲げ変形・応力の関係,断面2次モーメントと断面係数を理解し,曲げ応力の計算ができる.曲げ応力を求めることができていない.
曲げ(たわみ)たわみ曲線の微分方程式を理解し ,たわみ・たわみ角を求めて強度 設計に応用できる.たわみ曲線の微分方程式を理解し,たわみ・たわみ角の計算ができる.たわみ・たわみ角が計算できていない.
曲げ(振動)振動の種類と調和振動および不減衰系の自由振動の運動方程式を理解し,曲げ振動に応用できる.振動の種類と調和振動および不減衰系の自由振動の運動方程式を理解し,説明できる.振動の種類と調和振動および不減衰系の自由振動の運動方程式を理解できていない.
ねじり(変形・応力)ねじり変形・応力の関係,断面2次 極モーメントと極断面係数を理解 し,ねじり問題に適用できる.ねじり変形・応力の関係,断面2次極モーメントと極断面係数を理解し,最大せん断応力・ねじれ角などの計算ができる.最大せん断応力・ねじれ角などが計算できていない.
ねじり(動力軸の設計)動力を伝達する軸の使用条件を考 慮し,強度・剛性の観点から必要 な軸径を決定できる.動力を伝達する軸の使用条件を考慮し,必要な軸径を求めことができる.伝動軸の必要な軸径を求めることができていない.
組合せ応力(主応力・モールの応力円)組合せ応力における主応力の概念 を理解し,モールの応力円を描け ,主応力算出に応用できる.組合せ応力における主応力の概念を理解し,モールの応力円を描くことができる.主応力,モールの応力円について理解できていない.
組合せ応力問題曲げとねじりを同時に受ける場合 の相当曲げモーメント・相当ねじ りモーメントを理解し,強度設計 に応用できる.曲げとねじりを同時に受ける場合の相当曲げモーメント・相当ねじりモーメントを理解し,応力や変形の計算ができる.曲げとねじりを同時に受ける場合の応力や変形が計算できていない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D-1) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (D-2) 説明 閉じる
JABEE 産業システム工学プログラム 説明 閉じる

教育方法等

概要:
材料力学は機械・構造物の強度設計に必要な基礎科目である.本授業では,引張・圧縮・せん断・曲げ・ねじりを受ける一次元形状部材の力学的解析手法,材料の各種機械的特性とそれを支配する法則を理解・修得する.
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,適宜,演習や課題を課すので,期限に遅れず提出すること.

なお,この科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要である.事前・事後学習として課題等を与える.
注意点:
<成績評価>試験(70%)及び演習・課題(30%)の合計100点満点で(D-1)及び(D-2)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>放課後 16:00~17:00,電子制御工学科棟2F第7教官室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目は工業力学,設計製図Ⅱ,材料工学,機構学,後修科目は材料力学Ⅱ,設計工学,機械設計法,振動工学,生産工学,流体工学,計測工学となる.
<備考>工業力学における力学の概念,材料工学における材質と強度との関係などの知識が必要である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料力学の基礎,規格と単位 荷重・支持方法の種類,材料力学の有効性を理解できる.材料力学で用いられる主要なSI単位を理解できる.
2週 応力とひずみ 応力とひずみの定義,フックの法則を理解し,応力やひずみなどの計算ができる.
3週 材料の機械的特性,許容応力と安全率 応力―ひずみ線図,材料の機械的特性について理解できる.許容応力・安全率について理解し,使用応力・基準強さとの関係を説明できる.
4週 引張・圧縮 重ね合わせの法則を理解し,引張・圧縮問題を解析できる.熱や自重による応力と変形について理解できる.
5週 ひずみエネルギー法 ひずみエネルギーについて理解し,カスチリアノの定理を説明できる.
6週 曲げ(はりの支持・種類) はりの支持・種類について理解し,反力・反モーメントを求めることができる.
7週 曲げ(SFD・BMD) せん断力図(SFD)・曲げモーメント図(BMD)を描くことができる.
8週 理解度チェックⅠ 引張・圧縮・せん断における応力・ひずみ,曲げにおけるせん断力・曲げモーメントを求め,それらの内容を理解できる.
2ndQ
9週 曲げ(応力) 曲げ変形・応力の関係,断面2次モーメントと断面係数を理解し,曲げ応力の解析に適用できる.
10週 曲げ(たわみ) たわみ曲線の微分方程式について理解し,たわみ・たわみ角を求められる.
11週 曲げ(振動) 振動の種類と調和振動および不減衰系の自由振動の運動方程式を理解した上で,連続体の振動、特にはりの曲げ振動の解析に適用できる.
12週 ねじり(変形・応力) ねじり変形・応力の関係,断面2次極モーメントと極断面係数を理解し,最大せん断応力・ねじれ角などの計算ができる.
13週 ねじり(動力軸の設計) 動力を伝達する軸の使用条件を考慮し,必要な軸径を求められる.
14週 組合せ応力(主応力・モールの応力円) 組合せ応力における主応力の概念を理解し,モールの応力円を描くことができる.
15週 組合せ応力問題 組合せ応力下における主応力・主応力面などをモールの応力円を活用して求められる.曲げとねじりを同時に受ける場合の相当曲げモーメント・相当ねじりモーメントについて理解し,応力や変形の計算ができる.
16週 前期末達成度試験 曲げ・ねじりによる変形・応力を求め,それらの内容を理解できる.

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合7000300100
配点7000300100