材料力学II

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 材料力学II
科目番号 0035 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:成田・森本・村澤「楽しく学ぶ材料力学」, 朝倉書店 ; 考書書:尾田・鶴崎・木田・山崎「材料力学〈基礎編〉」,森北出版
担当教員 堀口 勝三

到達目標

材料力学Ⅰで修得した応力・ひずみ,材料の機械的特性に関する基礎知識を基に,機械・構造物の設計に応用可能な問題に対処できること.エネルギー原理の,変形の解析に応用できること.これらの内容を満足することで,学習教育目標(D-1)及び(D-2)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
引張・圧縮不静定トラスや組合せ棒の応力(荷重)・ひずみ(変形)などを解析し,強度設計に応用できる.不静定トラスや組合せ棒の応力(荷重)・ひずみ(変形)などの計算ができる.不静定トラスや組合せ棒の応力(荷重)・ひずみ(変形)などの計算ができていない.
熱応力温度変化に起因する変形について説明でき,熱応力を解析して強度設計に応用できる.温度変化に起因する変形について説明でき,熱応力の計算ができる.温度変化に起因する変形,熱応力計算に対する説明ができていない.
曲げ面積モ-メント法,ひずみエネルギー法を適用して曲げ問題や不静定はり問題を解析し,強度設計に応用できる.面積モ-メント法,ひずみエネルギー法を適用して曲げ問題の解析ができる.不静定はりの応力やたわみの計算ができる.面積モ-メント法,ひずみエネルギー法を適用した解析,不静定はりの応力やたわみの計算ができていない.
ねじりひずみエネルギー法を適用してねじり問題を解析し,強度設計に応用できる.ねじりによるひずみエネルギーの説明,解析への適用ができる.ねじりによるひずみエネルギーの説明,解析への適用ができていない.
座屈長柱の安定・不安定について説明でき,オイラーの座屈荷重を求めて強度設計に応用できる.長柱の安定・不安定について説明でき,オイラーの座屈荷重の計算ができる.長柱の安定・不安定についての説明,オイラーの座屈荷重計算ができていない.
組合わせ応力・薄肉円筒2次元・3次元問題での一般的な応力状態について説明でき,軸力・曲げ・ねじりを受ける丸棒や薄肉円筒の応力などを求めて強度設計に応用できる.2次元・3次元問題での一般的な応力状態について説明でき,軸力・曲げ・ねじりを受ける丸棒や薄肉円筒の応力などを求めることができる.2次元・3次元問題での一般的な応力状態の説明,軸力・曲げ・ねじりを受ける丸棒や薄肉円筒の応力などの計算ができていない.
応力集中・材料の強度と破壊応力集中や材料の強度と破壊について説明でき,強度設計に応用できる.応力集中や材料の強度と破壊について説明できる.応力集中や材料の強度と破壊について説明できていない.
有限要素法有限要素法の概要,その利点や解析上の問題点などを説明できる.有限要素法の概要を説明できる.有限要素法の概要を説明できていない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D-1) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (D-2) 説明 閉じる
JABEE 産業システム工学プログラム 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業では,材料力学Ⅰで学習した内容を応用し,引張・圧縮・曲げ・ねじりに関するより複雑な問題(組合せ構造・不静定問題など)やエネルギー原理に基づく解析などに対応できる力を養う.また,強度設計上重要な応力集中や疲労などの現象,有限要素法についても理解・修得する.
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,適宜,演習や課題を課すので,期限に遅れず提出すること.
なお,この科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要である.事前・事後学習として課題等を与える.
注意点:
<成績評価>試験(70%)及び演習・課題(30%)の合計100点満点で(D-1)及び(D-2)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>放課後 16:00~17:00,電子制御工学科棟2F213室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目は工業力学,設計製図Ⅱ,材料工学,機構学,材料力学Ⅰ.
<備考>材料力学Ⅰにおける,応力とひずみを求める解析手法を,材料の各種機械的特性とそれを支配する法則を理解できている必要がある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 引張・圧縮(不静定トラス) 不静定問題の解法を説明でき,不静定トラスに対して変形量を求めることができる.
2週 引張・圧縮(組合せ棒) 複数の棒材から構成させる構造の力の釣り合いや変形状態を説明でき,応力・ひずみなどの計算ができる.
3週 熱応力 温度変化に起因する変形について説明でき,変位を拘束された棒に生じる熱応力を求めることができる.
4週 曲げ(面積モーメント法) 面積モ-メント法についての説明,たわみの解析への応用ができる.
5週 曲げ(ひずみエネルギー法) 曲げによるひずみエネルギーについての説明,解析への応用ができる.
6週 曲げ(不静定問題) 不静定はりについて解法の説明,応力やたわみの計算ができる.
7週 ねじり(ひずみエネルギー法) ねじりによるひずみエネルギーについての説明,解析への応用ができる.
8週 理解度チェックⅠ 引張・圧縮・曲げ・ねじりに関する複雑な問題に対応できる.
4thQ
9週 座屈 長柱の安定・不安定について説明でき,オイラーの座屈荷重を求めることができる.
10週 組合わせ応力 2次元・3次元での一般的な応力状態について説明できる.
11週 薄肉円筒 薄肉構造物について説明でき,薄肉円筒に生じる応力を求めることができる.
12週 応力集中、材料の強度と破壊 応力集中について説明でき,その低減について検討できる.
材料の強度と破壊に関連し,材料の破壊様式,繰返し荷重による破壊,クリープなどの現象を説明できる.
13週 有限要素法1 有限要素法の概要を説明できる.
14週 有限要素法2 先端集中荷重の作用を受ける片持ちはりの有限要素解析を実施し,材料の変形・応力などを求めることができる.
15週 有限要素法3 等分布荷重の作用を受ける両端単純支持ちはりの有限要素解析を実施し,材料の変形・応力などを求めることができる.
16週 理解度チェックⅡ 座屈や組合わせ応力問題に対応できる.修得した知識と強度設計との関連を説明できる.

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合7000300100
配点7000300100