流体工学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 流体工学
科目番号 0050 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:菊山・佐野「流体システム工学」共立出版 ; 参考書:中林・伊藤・鬼頭「流体力学の基礎 (1), (2) 」コロナ社 ; 参考書:平田・田中・石川・羽田「例題でわかる伝熱工学」森北出版
担当教員 堀口 勝三

到達目標

連続の式,オイラーの運動方程式,ベルヌーイの定理など流体工学の基礎となる法則を理解・応用して流量,流速,圧力,流体力などを求められること. 熱移動の法則を理解・応用して熱伝達,熱伝達,ふく射における伝熱量を求められること.これらの内容を満足することで,学習教育目標(D-1)及び(D-2)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
流体の諸性質・静力学流体固有の諸性質を理解した上で,静止状態にある流体及び物体に作用する力の計算ができる.流体固有の諸性質について説明でき,静止状態にある流体及び物体に作用する力の釣り合いを理解できる.流体固有の諸性質,静止状態にある流体及び物体に作用する力の釣り合いを理解できていない.
流体の動力学流れの種類について理解した上で,流体の流動に伴う物理現象に関する計算結果を流体設計に応用できる.流れの種類についての説明,流体の流動に伴う物理現象に関する計算ができる.流れの種類についての説明,流体の流動に伴う物理現象に関する計算ができていない.
管路内の流れ管内流を理解した上で,損出の見積り結果を管路設計に応用できる.管内流について説明でき,損出を見積ることができる.管内流についての説明,損出の見積もりができていない.
抗力と揚力流れの中に置かれた物体のまわりで生じる現象を理解した上で,物体が流れから受ける力を求めて流体設計に応用できる.流れの中に置かれた物体のまわりで生じる現象を説明でき,物体が流れから受ける力を求められる.流れの中に置かれた物体のまわりで生じる現象の説明,物体が流れから受ける力についての理解ができていない.
流体機械流体機械,作動流体の基本的性質について理解した上で,流体エネルギーをいかにして効率よく引き出すかについて考察できる.流体機械,作動流体の基本的性質について説明できる.流体機械,作動流体の基本的性質について理解できていない.
伝熱の基礎熱移動の三形態を理解した上で,伝熱・放熱設計についての説明ができる.熱移動の三形態を理解し,熱移動について説明できる.熱移動について理解できていない.
熱伝導熱移動現象を理解した上で,フーリエの法則・熱伝導方程式を用いて伝熱量を求め設計に応用できる.熱移動現象を理解し,フーリエの法則・熱伝導方程式を用いて伝熱量を計算できる.熱伝導による伝熱量の計算ができていない.
対流熱伝達対流熱伝達の基礎理論を理解した上で,平板に沿う流れ,管内流れにおける伝熱量を求め効率的な発熱減の冷却などに応用できる.対流熱伝達の基礎理論を理解し,平板に沿う流れ,管内流れにおける伝熱量を計算できる.熱伝達による伝熱量の計算ができていない.
ふく射伝熱熱ふく射現象を理解した上で,ふく射熱流束を求め設計に応用できる.熱ふく射現象を理解し,ふく射熱流束を計算できる.ふく射熱流束の計算ができていない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D-1) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (D-2) 説明 閉じる
JABEE 産業システム工学プログラム 説明 閉じる

教育方法等

概要:
日常生活から科学技術の広い分野に関係し,とりわけ機械系工学の基礎や様々な地球環境問題との関連で重要な流体の物理的特性と流れ現象,熱移動について理解することを目的とする.演習を援用しながら,流体の静・動力学,管路内・物体周りの流れ,熱伝導,対流熱伝達,ふく射伝熱などを取り扱う.
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,適宜,演習や課題を課すので,期限に遅れず提出すること.
注意点:
<成績評価>試験(70%)及び演習・課題(30%)の合計100点満点で(D-1)及び(D-2)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>放課後 16:00~17:00,電子制御工学科棟2F第7教官室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目は設計製図Ⅲ,材料力学Ⅰ,材料力学Ⅱ,機械加工学となる.
<備考>力学,数学(特に線形代数,微分・積分)の知識を多用するので,これらに関して十分に復習しておくことが望まれる.なお、本科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間を必要とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 流体の諸性質 物質の状態,圧縮性,ニュートンの粘性法則など流体固有の諸性質を説明できる.
2週 流体の静力学 圧力の等方性,液柱圧力計の原理などを説明できる.
3週 流体の動力学(1) 定常流と非定常流,流線と流管,流れの次元などについて説明できる.連続の式,オイーの運動方程式,ベルヌーイの定理を理解し,計算に利用できる.
4週 流体の動力学(2) オリフィス,ピトー管などを用いた流量・流速の測定原理を説明できる.定常流に対する運動量の法則を理解して流れが物体に及ぼす力を求めることができる.
5週 管路内の流れ 管路内の流れの模様(層流と乱流)を理解し,損出を見積もることができる.
6週 抗力と揚力 流れの中に置かれた物体のまわりで生じる現象を説明でき,物体が流れから受ける力を求めることができる.
7週 流体機械 流体機械,作動流体の基本的性質について説明できる.
8週 理解度チェックⅠ 流体の諸性質,流体機械について理解し,静・動力学,管路内の流れ,抗力と揚力に関連する問題に解答できる.
4thQ
9週 伝熱の基礎 熱移動の三形態を理解し,熱移動について説明できる.
10週 熱伝導(1) フーリエの法則,熱伝導方程式を理解し,伝熱量などを求めることができる.
11週 熱伝導(2) 一次元定常熱伝導を理解し,その場合の伝熱量を求めることができる.
12週 対流熱伝達(1) 対流熱伝達の基礎理論を理解して計算に利用できる.
13週 対流熱伝達(2) 平板に沿う流れ,管内流れなどの熱伝達を理解し,説明できる.
14週 ふく射伝熱(1) 熱ふく射現象を理解し,基本法則を説明できる.
15週 ふく射伝熱(2) 実際の物体(灰色体)面間のふく射熱流束を求めることができる.
16週 学年末達成度試験 伝熱現象を理解し,熱伝導・熱伝達・熱ふく射に関する問題に解答できる.

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合7000300100
配点7000300100