電子応用工学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電子応用工学
科目番号 0052 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 藤本 晶「基礎電子工学」森北出版,藤原修編著「電子回路A」オーム社
担当教員 中島 利郎,田中 秀登

到達目標

電子回路の基本素子であるトランジスタの動作を電子回路の観点から説明できること。
この内容を満足することで、学習教育目標の(D-1)及び(D-2)の達成とする。
トランジスタ,オペアンプ等を用いた増幅器,演算回路,発振回路などの電子応用回路について、動作を理解し説明できるとともに基本設計ができる。これらの内容を満足することで、学習・教育目標の(D-1),(D-2)の達成とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
バイポーラトランジスタの動作についての理解度電流増幅の動作をキャリアの動きを交えて数式で定量的に説明できる電流増幅の動作を定性的に説明でき数式で示せる。電流増幅の動作を定性的にでも説明できない。
電界効果トランジスタの動作についての理解度動作モードとドレイン電流の関係をチャネル形成を用いて数式で説明できる動作モードと対応するドレイン電流の式を示すことが出来る。MOSFETの動作モードについて説明できない。
発振回路発振回路の動作特性を説明できる.発振回路の特性・動作原理特性を説明できる.発振回路の特性・動作原理特性を説明できない.
変・復調回路 AM,FMの変・復調回路の動作特性を説明できるAM,FMの変・復調回路の特性・動作原理をを説明できる.AM,FMの変・復調回路の特性・動作原理をを説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D-1) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (D-2) 説明 閉じる
JABEE 産業システム工学プログラム 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半は、トランジスタの動作について学ぶ。4年時の電子工学では物理的な振舞が中心であったが、ここではバイポーラ及び電界効果トランジスタ(MOSFET)の回路における電気的な動作を中心に進める。
後半は、先修科目である「電子回路」で習得した基礎知識をもとに、電力増幅回路,各種演算回路,発振回路等の応用回路について学習し、回路設計,実装に応用できる知識を得る。
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とし,演習問題や課題を与える。
・前半は、理解度を確認するためのレポートか小テストを課す。
・後半は、適宜,レポート課題を課すので,期限に遅れず提出すること。
注意点:
<成績評価>前半は、理解度チェック(50%)、レポートか小テスト(50%)の合計50点満点で目標(D-1)及び(D-2)の達成度を総合的に評価する。
      後半は、試験(80%)およびレポート課題(20%)の合計100点満点で目標(D-1)及び(D-2)の達成度を総合的に評価する。
      前半と後半を総合し、合計で6 割以上を達成した者をこの科目の合格者とする。
<オフィスアワー>前半は、放課後 16:00 ~ 17:00,電子制御工学科棟2F 田中居室まで。この時間にとらわれず必要に応じて来室可。
        後半は、放課後 16:00 ~ 17:00,電子制御工学科2F中島利郎研究室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目は電磁気学,電気回路,電子工学,電子回路,後修科目はディジタル回路,通信工学,電子応用工学となる。
<備考>並行して開講されている応用物理,電子回路の関連する内容も理解する。

なお、本科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要です.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 バイポーラトランジスタ(1) バイポーラトランジスタの増幅作用が理解できる。
2週 バイポーラトランジスタ(2) 基本増幅回路におけるバイポーラトランジスタの接地について理解できる。
3週 バイポーラトランジスタ(3)/ MOSFET(1) さまざまな接地の特徴を理解できる。 / MOSFETの動作が理解できる。
4週 MOSFET(2) MOSFETの動作モードとIV特性が理解できる。
5週 MOSFET(3) 基本増幅回路におけるMOSFETの接地と特徴について理解できる。
6週 集積回路 集積回路(IC)について理解できる。
7週 様々なデバイス 複数種類の半導体デバイスについて内容を知っている。
8週 理解度チェック 理解度の確認
2ndQ
9週 演算増幅器を用いた各種演算回路:実演算増幅器の特性  
実演算増幅器の特性について理解し、説明できる。 
10週 演算増幅器を用いた各種演算回路:非線形演算回路 非線形演算回路について理解し、説明できる。
11週 演算増幅器を用いた各種演算回路:フィルタ回路  フィルタ回路について理解し、説明できる。
12週 発振回路:発振の仕組み,LC発振回路   発振の仕組み,LC発振回路について理解し、説明できる。
13週 発振回路:RC発振回路,水晶発振回路   RC発振回路,水晶発振回路について理解し、説明できる。
14週 変・復調回路: 
振幅変調(AM)
振幅変調の変・復調回路の特性,動作原理を説明できる。
15週 変・復調回路:
周波数変調(FM)  
周波数変調の変・復調回路の特性,動作原理を説明できる。
16週 前期末達成度試験 理解度の確認

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合65003500100
配点65003500100