振動工学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 振動工学
科目番号 0053 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:青木 繁「機械力学」,コロナ社 ; 参考書:鈴木浩平「振動の工学」,丸善
担当教員 堀口 勝三,中山 英俊,浅沼 和志

到達目標

振動を支配する運動方程式の意味を理解し,運動方程式の解からその振動の特徴を説明できること.これらの内容を満足することで,学習教育目標(D-1)及び(D-2)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1自由度系の自由振動自由振動・減衰特性と動的設計との関連についての説明,振動特性の計算ができる.自由振動・減衰特性についての説明,振動特性の計算ができる.振動特性の計算を理解できていない.
1自由度系の強制振動共振特性について理解し,動的設計に応用できる.共振特性について説明できる.共振特性について理解できていない.
2自由度系の振動2自由度系の振動ついて理解し,防振設計に応用できる.2自由度系の振動ついて理解し,防振に対する有効な手法を検討できる.2自由度系の振動ついて理解できていない.
多自由度系の振動(モード解析)多自由度系に対するモード解析手法を理解し,応用できる.多自由度系に対するモード解析手法を説明できる.多自由度系に対するモード解析手法を理解できていない.
連続体の振動はりの横振動(曲げ振動)について理解し,動的設計に応用できる.はりの横振動(曲げ振動)について説明できる.はりの横振動(曲げ振動)について理解できていない.
回転体の振動回転体の危険速度を求められ,動的設計に応用できる.回転体の危険速度を求められる.回転体の危険速度について理解できていない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (D-1) 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 (D-2) 説明 閉じる
JABEE 産業システム工学プログラム 説明 閉じる

教育方法等

概要:
振動現象の理解は機械制御のみならず,広範な理工学分野において重要である.本授業では,振動現象の理論的取扱い方と振動の特徴を理解することを目的とする.演習を援用しながら,まずは1自由度系の振動について詳述し,後に2自由度系の振動と振動の防止,多自由度系の振動解析に有用なモード解析, 連続体・回転体の振動を取り扱う.
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,適宜,演習や課題を課すので,期限に遅れず提出すること.

なお,この科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要である.事前・事後学習として課題等を与える.
注意点:
<成績評価>試験(70%)及び演習・課題(30%)の合計100点満点で(D-1)及び(D-2)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>専門分野に関する内容は,放課後 16:00~17:00,電子制御工学科棟2F第7教員室(堀口).その他については,月曜日 16:00~17:00,電子制御工学科棟2F第3教員室(中山).この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目は設計製図Ⅲ,材料力学Ⅰ,機械加工学となる.
<備考>力学,数学(特に微分方程式,線形代数)の知識を多用するので,これらに関して十分に復習しておくことが望まれる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 減衰のない1自由度系の自由振動(1) 減衰のない1自由度系の自由振動について説明できる.
2週 減衰のない1自由度系の自由振動(2) 減衰のない1自由度振動系の固有円振動数,固有振動数,固有周期などを求めることができる.
3週 減衰のある1自由度系の自由振動(1) 減衰のある1自由度系の自由振動について,過減衰,臨界減衰,減衰振動を説明できる.
4週 減衰のある1自由度系の自由振動(2) 1自由度系減衰振動の特性について説明できる.
5週 1自由度系の強制振動(1) 1自由度不減衰系・減衰系の強制振動について説明できる.
6週 1自由度系の強制振動(2) 力入力を受ける1自由度減衰系の振動倍率を求められ,共振曲線について説明できる.
7週 1自由度系の強制振動(3) 変位入力を受ける1自由度減衰系の振動倍率を求められ,共振曲線について説明できる.
8週 理解度チェックⅠ 1自由度系の振動特性を理解し,基本的な計算ができる.
2ndQ
9週 2自由度系の振動(1) 2自由度系の振動ついて説明でき,固有振動数,固有振動モードなどを求めることができる.
10週 2自由度系の振動(2) 振動の防止に対する有効な手法を検討できる.
11週 多自由度系の振動(モード解析) 多自由度系に対するモード解析手法を理解できる.
12週 連続体の振動(1) はりの横振動(曲げ振動)について固有円振動数,固有モードなどを求めることができる.
13週 連続体の振動(2) はりの横振動(曲げ振動)に対してエネルギー法を適用できる.
14週 連続体の振動(3) はりの横振動(曲げ振動)に対してエネルギー法による近似解法を適用して固有円振動数を求めることができる.
15週 回転体の振動 回転体の危険速度を求めることができる.
16週 前期末達成度試験 2自由度系,連続体,回転体の振動特性を理解し,基本的な計算ができる.

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合7000300100
配点7000300100