材料工学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 材料工学
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:野口徹,中村孝 「機械材料工学」,工学図書株式会社参考書:門間改三 「大学基礎機械材料 SI単位版」,実教出版参考書:手塚則雄,米山猛 「設計者に必要な材料の基礎知識」,    日刊工業新聞社参考書:北田正弘 「新訂 初級金属学」,内田老鶴圃
担当教員 森山 実

到達目標

材料の微視的構造,合金と状態図,熱処理,材料試験,鉄鋼材料,非鉄金属材料,セラミックス材料,複合材料,機能性構造材料,以上9つの分野の基本的事項について理解と説明ができることで,学習・教育目標(D-1),(D-2)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 材料工学に関する知識材料工学に関する基礎知識を習得し,それを用いて応用的な問題を解くことできる.材料工学に関する基礎知識を習得し,基本的な問題を解くことができる.材料工学に関する基礎知識を習得することができない.

学科の到達目標項目との関係

産業システム工学プログラム 説明 閉じる
学習到達目標 (D-1) 説明 閉じる
学習到達目標 (D-2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学分野で用いられている材料について学ぶ.材料の結晶構造と機械的性質,材料名,特徴,用途など,これら相互の関連を総合的に学ぶ.
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,適宜レポート課題を課すので,期限に遅れず提出すること.
注意点:
<成績評価>達成度試験等(85%)およびレポート(15%)とし,100点満点で学習目標(D-1), (D-2)を総合して評価する.合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>毎週火曜日の放課後 16:00 ~ 17:00,電子制御工学科新素材実験室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目はなし,後修科目は材料力学,設計工学,設計製図Ⅲとなる.
<備考>原子構造,結晶構造など化学における基礎的事項および物理学の力学的基礎事項を理解していること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械材料の目的,種類,製造 材料の目的・分類・製造法の概要を理解し,説明できる.
2週 材料の加工法と材料特性 素材の加工法の種類・内容,製鉄・製鋼法を理解し,説明できる.
3週 原子構造,結晶構造 材料のミクロ構造である原子及び結晶の構造を理解し,説明できる.
4週 格子定数,ミラー指数 格子定数,任意の結晶面のミラー指数を決定できる.
5週 X線回折,格子欠陥,構造と特性 ブラッグのX線回折条件,格子欠陥を理解し,説明できる.
6週 合金の組織とその状態図,相律 合金の形態及び状態図,相律を理解し,説明できる.
7週 共晶系の状態図 共晶系状態図と組織の関係を理解し,説明できる.
8週 理解度の確認
2ndQ
9週 包晶系,偏晶系,化合物生成系状態図 包晶・偏晶系状態図と組織の関係を理解し,説明できる.
10週 凝固,拡散 材料の熱的性質の基礎事項である原子の凝固現象,拡散現象を理解し,説明できる.
11週 析出と共析変態 析出現象を理解し,説明できる.
12週 熱処理 熱処理における冷却速度と組織の関係を理解し,説明できる.
13週 応力-ひずみ曲線 材料の機械的性質の基礎事項である材料の応力と変形を理解し,説明できる.
14週 結晶すべりと塑性変形,転位 結晶原子面のすべり,転位と変形を理解し,説明できる.
15週 材料の破壊,靭性 破壊現象,靭性の考え方を理解し,説明できる.
16週 グリフィスの理論 脆性破壊を理解し,説明できる.
後期
3rdQ
1週 前期期末達成度試験
2週 引張,圧縮,曲げ試験 材料の強度試験として一般的に行なわれている引張,圧縮,曲げ試験について理解し,解析できる.
3週 硬さ,衝撃,靭性試験 硬さ,衝撃,靭性試験について理解し,解析できる.
4週 疲労,クリープ,磨耗試験 疲労,クリープ試験について理解し,解析できる.
5週 鉄鋼状態図と組織 鉄鋼の状態図と組織の関係を理解し,説明できる.
6週 鋼の熱処理 熱処理による組織と性質変化を理解し,説明できる.
7週 炭素鋼とステンレス鋼 炭素鋼・ステンレスの種類・特徴・特性を理解し,説明できる.
8週 鋳鉄 鋳鉄の種類・特徴・特性を理解し,説明できる.
4thQ
9週 理解度の確認
10週 アルミニウム,マグネシウム合金 非鉄金属として重要なAl,Mgなどの軽合金の種類と特色を説明できる.
11週 銅,チタン,ニッケル合金 Cu,Ti,Niなどの特色ある合金の種類と特色を説明できる.
12週 錫,鉛,亜鉛,その他の合金 Sn,Pb,Znなど低融点合金の種類と特色を説明できる.
13週 セラミックスの構造と機械的性質 セラミックス材料の特徴を説明できる.
14週 環境浄化とセラミックス 酸化チタンセラミックスの光触媒作用などセラミック材料の環境問題への応用について説明できる.
15週 複合材料の種類と特性 複合化の目的・種類・特性ついて説明できる.
16週 繊維強化及び粒子分散複合材料 複合則,代表的複合化手法について説明できる.

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合8500150100
配点8500150100