電子工学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電子工学
科目番号 0027 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 藤本 晶「基礎電子工学」森北出版
担当教員 吉河 武文

到達目標

電子の物理現象とそれらを応用した素子やデバイスの構造や動作原理,特性を説明できること。
これらの内容を満足することで、学習教育目標の(D-1)及び(D-2)の達成とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
半導体中のキャリアの状態について理解できている。キャリアの状態を密度と状態方程式と分布関数を用いて説明できる。半導体中のキャリア状態について、図を用いて説明できる。半導体中のキャリア状態について、説明できない。
pn接合について理解できている。pn接合におけるキャリアの振る舞いをバンド図を用いて定量的に説明できる。pn接合におけるキャリアの振る舞いを定性的にでも説明できる。pn接合におけるキャリアの振る舞いを定性的にでも説明できない。

学科の到達目標項目との関係

産業システム工学プログラム 説明 閉じる
学習到達目標 (D-1) 説明 閉じる
学習到達目標 (D-2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気・電子回路,制御機器の設計に不可欠な,物質中の電子の挙動とそれらを応用した素子等の動作原理や特性に関する基礎的な知識を得ることを目的とする。
前半は物質内におけるキャリア(電子、正孔)の振る舞いに注目し(電子物性)、後半はキャリアの状態とpn接合を中心に扱う。
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とし,演習問題や課題をだす。
・適宜,レポート課題を課すので,期限に遅れず提出すること。
注意点:
<成績評価>最終の理解度チェック(40%)、授業中に適宜行う小テスト(20%)、レポート(40%)の合計100点満点で目標(D-1)及び(D-2)の達成度を総合的に評価する。合計で6 割以上を達成した者をこの科目の合格者とする。
<オフィスアワー>放課後 16:00 ~ 17:00,電子制御工学科棟2F 吉河居室まで。この時間にとらわれず必要に応じて来室可。
<先修科目・後修科目>先修科目は電磁気学,後修科目はディジタル回路,通信工学,電子応用工学となる。
<備考>並行して開講されている応用物理,電子回路の関連する内容も理解する。

なお、本科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要です.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電磁界中の電子 電磁界中の電子の振舞が理解できる
2週 原子中の電子 ボーアのモデルとパウリの排他律の概念が理解できる
3週 固体中の電子 波動方程式の概念が理解できる
4週 固体のエネルギー帯 バンド構造の概念が理解できる
5週 キャリア密度と電気伝導率(1) キャリア密度、状態密度関数について理解できる。
6週 キャリア密度と電気伝導率(2) フェルミディラックの分布関数と熱平衡時のキャリアの状態について理解できる。
7週 キャリア密度と電気伝導率(3) バンドとフェルミ順位の考え方について理解できる。
8週 理解度中間チェック 小テスト(もしくはグループワーク)を通じて理解度をチェックする。
2ndQ
9週 有効質量と移動度 有効質量と移動度が理解できる
10週 拡散電流と連続の方程式(1) 拡散電流とドリフト電流を説明できる。
11週 拡散電流と連続の方程式(2) 少数キャリア連続の方程式が理解できる。
12週 p-n接合(1) p-n接合におけるキャリアの振る舞いが理解できる
13週 p-n接合(2) p-n接合の電流・電圧特性が理解できる
14週 p-n接合(3) p-n接合の空乏層や静電容量を理解できる
15週 p-n接合(4) アバランシェ、ツェナーなどの現象が理解できる
16週

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合40200400100
配点40200400100