電子回路

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子回路
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 専門 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子情報工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:古川 静二郎,他「電子デバイス 第2版」森北出版, 参考書:池田誠「MOSによる電子回路基礎」数理工学社,長野英生「LTspiceで解析 CMOS回路入門」CQ出版,國岡昭夫「新版基礎半導体工学」朝倉書店,S.M.Sze「半導体デバイス 第2版」産業図書,沼居貴陽「例題で学ぶ半導体デバイス」森北出版,樋口英世「例題で学ぶ半導体デバイス入門」森北出版
担当教員 秋山 正弘

到達目標

電子工学および電子回路領域の、次の基本事項を理解することを目標とする。
〈電子工学系領域〉
  電子物性の基礎を学び、半導体や半導体デバイスの基本的事項を習得することを目標とする。
   ・電子や原子等の基本的性質を理解し、金属や半導体の物性の理解に役立てられる。
   ・半導体の基本的性質を理解し、pn接合の特性やトランジスタの動作原理等を説明できる。
〈電子回路系領域〉
  ダイオード、トランジスタ、演算増幅器の基本動作と増幅回路の基本事項を理解することを目標とする。
   ・ダイオード、トランジスタの基本動作を理解し、等価回路等を説明できる。
   ・増幅回路の基礎を理解し、増幅度等を計算できる。
   ・演算増幅器の基本動作を理解し、増幅回路等を説明できる。
上記基本事項を理解できることで,学習教育目標の(D-1)を達成できたとする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電子工学系領域電子物性の基礎(電子や原子等の基本的性質,金属や半導体の物性)および半導体や半導体デバイスの基本的性質およびpn接合の特性やトランジスタの動作原理等を十分に理解し,説明ができる。電子物性の基礎(電子や原子等の基本的性質,金属や半導体の物性)および半導体や半導体デバイスの基本的性質およびpn接合の特性やトランジスタの動作原理等を理解できる。電子物性の基礎(電子や原子等の基本的性質,金属や半導体の物性)および半導体や半導体デバイスの基本的性質およびpn接合の特性やトランジスタの動作原理等を理解できない。
電子回路系領域ダイオードの基本動作,トランジスタ(バイポーラおよびFET)の基本動作と等価回路,各種増幅回路の基礎と動作量等の計算、演算増幅器,発信・変調・復調回路等を十分に理解し,説明・設計ができる。ダイオードの基本動作,トランジスタ(バイポーラおよびFET)の基本動作と等価回路,各種増幅回路の基礎と動作量等の計算,演算増幅器,発信・変調・復調回路等を理解ができる。ダイオードの基本動作,トランジスタ(バイポーラおよびFET)の基本動作と等価回路,各種増幅回路の基礎と動作量等の計算,演算増幅器,発信・変調・復調回路等を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

(D-1) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータを理解する上で,半導体と,それを基本に構成される電子回路の知識が必要である.本授業では,ハードウェアの軸となる半導体の原理,種類と基礎特性,およびこれらの特徴を応用して構築される各種回路とその特性を中心に学ぶ.
授業の進め方・方法:
・電子工学系領域については講義を中心に行う。
・電子回路系領域については各自のPCを用いた演習も行う.
注意点:
<成績評価>試験(60%)、課題・レポート(40%)の合計100点満点で(D-1)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>放課後 16:00 ~ 17:00,電気電子工学科棟1F 102 第一教員室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目:電気回路Ⅱ,後修科目:ディジタル電子回路.
<備考>電気回路Ⅰの内容も十分理解しておく必要がある.既に履修している化学及び物理に関連する科目知識も活かしながら取り組むこと.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電子と結晶 価電子と結晶について説明できる.
"結晶と結合形式,結晶の単位胞と方位について説明できる."
2週 エネルギー帯と自由電子 エネルギー準位について説明できる.
エネルギー帯の形成,半導体・金属・絶縁物のエネルギー帯構造の違いについて説明できる.
3週 半導体のキャリヤ 真性半導体のキャリヤについて説明できる.
外因性半導体のキャリヤ,キャリヤ生成機構を説明できる.
4週 キャリヤ密度とフェルミ準位 真性キャリヤ密度,真性フェルミ準位について説明できる.
多数キャリヤと少数キャリヤ,外因性半導体のキャリヤ密度とフェルミ準位について説明できる.
5週 半導体の電気伝導 ドリフト電流,半導体におけるオームの法則について説明できる.
拡散電流,キャリヤ連続の式について説明できる.
6週 pn接合とダイオード pn接合ダイオードについて説明できる.
pn接合ダイオードの電流の大きさについて説明できる.
pn接合ダイオードの実際構造について説明できる.
7週 バイポーラトンラジスタ バイポーラトンラジスタの動作原理,IBによるICの制御について説明できる.
電流増幅率の決定因子について説明できる.
接地形式と増幅利得について説明できる.
バイポーラトランジスタの実際動作について説明できる.
8週 理解度チェック 前半講義の要点を理解し,説明することができる.
4thQ
9週 MISFET MIS構造ゲートの動作について説明できる.
反転状態の解析について説明できる.
MISFETの動作原理について説明できる.
MISFETの閾値電圧について説明できる.
MOSFETの実際構造について説明できる.
10週 集積回路 ICの回路構成法について説明できる.
ICの内部構造について説明できる
11週 共通エミッタ増幅回路および
その利得、周波数、入力・出力インピーダンス特性
共通エミッタ増幅回路を理解し、説明・設計できる。
利得、周波数、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
12週
発振回路

発振回路を理解し、説明・設計できる。
13週 変調・復調回路

変調・復調回路の特性、動作原理を説明・設計できる。
14週 インバーター回路
演算増幅回路
インバーター回路、演算増幅回路の特性、動作原理を説明・設計できる。
15週 期末達成度試験 後半の要点を理解し説明ができる.
16週 予備授業 補足事項を説明する.説明を理解できる.

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合6000400100
配点6000400100