到達目標
電子工学および電子回路領域の、次の基本事項を理解することを目標とする。
〈電子工学系領域〉
電子物性の基礎を学び、半導体や半導体デバイスの基本的事項を習得することを目標とする。
・電子や原子等の基本的性質を理解し、金属や半導体の物性の理解に役立てられる。
・半導体の基本的性質を理解し、pn接合の特性やトランジスタの動作原理等を説明できる。
〈電子回路系領域〉
ダイオード、トランジスタ、演算増幅器の基本動作と増幅回路の基本事項を理解することを目標とする。
・ダイオード、トランジスタの基本動作を理解し、等価回路等を説明できる。
・増幅回路の基礎を理解し、動作量等を計算できる。
・演算増幅器の基本動作を理解し、増幅回路等を説明できる。
上記基本事項を理解できることで,学習教育目標の(D-1)を達成できたとする.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
電子工学系領域 | 電子物性の基礎(電子や原子等の基本的性質,金属や半導体の物性)および半導体や半導体デバイスの基本的性質およびpn接合の特性やトランジスタの動作原理等を十分に理解し,説明ができる。 | 電子物性の基礎(電子や原子等の基本的性質,金属や半導体の物性)および半導体や半導体デバイスの基本的性質およびpn接合の特性やトランジスタの動作原理等を理解できる。 | 電子物性の基礎(電子や原子等の基本的性質,金属や半導体の物性)および半導体や半導体デバイスの基本的性質およびpn接合の特性やトランジスタの動作原理等を理解できない。 |
電子回路系領域 | ダイオードの基本動作,トランジスタ(バイポーラおよびFET)の基本動作と等価回路,各種増幅回路の基礎と動作量等の計算、演算増幅器,発信・変調・復調回路等を十分に理解し,説明ができる。 | ダイオードの基本動作,トランジスタ(バイポーラおよびFET)の基本動作と等価回路,各種増幅回路の基礎と動作量等の計算,演算増幅器,発信・変調・復調回路等を理解できる。 | ダイオードの基本動作,トランジスタ(バイポーラおよびFET)の基本動作と等価回路,各種増幅回路の基礎と動作量等の計算,演算増幅器,発信・変調・復調回路等を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
コンピュータを理解する上で,半導体と,それを基本に構成される電子回路の知識が必要である.本授業では,ハードウェアの軸となる半導体の原理,種類と基礎特性,およびこれらの特徴を応用して構築される各種回路とその特性を中心に学ぶ.
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とする.
・適宜,レポート課題を課すので,期限に遅れず提出すること.
注意点:
<成績評価>試験(60%)およびレポート課題(40%)の合計100点満点で(D-1)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>放課後 16:00 ~ 17:00,電子情報工学科棟1F 第1,2教員室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目:電気回路Ⅱ,後修科目:ディジタル電子回路.
<備考>電気回路Ⅰの内容も十分理解しておく必要がある.既に履修している化学及び物理に関連する科目知識も活かしながら取り組むこと.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
原子の構造と電子の性質 |
原子の構造,電子の電荷量や質量などの基本性質が説明できる.またパウリの排他律を理解し原子の電子配置を説明できる.エレクトロンボルトの定義を説明し単位換算等の計算ができる.
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2週 |
固体の構造・金属 |
結晶,エネルギーバンドの形成,フェルミ・ディラック分布を理解し,金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる.金属の電気的性質を説明し,移動度や導電率の計算ができる.
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3週 |
半導体 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる.半導体のエネルギーバンド図を説明できる.
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4週 |
pn接合と半導体デバイス |
pn接合の構造を理解し,エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる.トランジスタ,バイポーラトランジスタ,FET,集積回路の構造を理解し説明できる.
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5週 |
電子回路の構成素子:ダイオード |
ダイオードの特徴(静特性他)を説明できる.ダイオードによる整流回路を説明できる.
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6週 |
電子回路の構成素子:トランジスタ |
バイポーラトランジスタの特徴と増幅の原理を説明できる.エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる.静特性とhパラメータを説明できる.
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7週 |
電子回路の構成素子:電界効果トランジスタFET |
電界効果トランジスタ(FET)の構造,特徴および動作を説明できる.MOSFET の構造および特徴を説明できる.
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8週 |
理解度チェック |
前半講義の要点を理解し,説明することができる.
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4thQ |
9週 |
バイポーラトランジスタの増幅回路・FETの増幅回路 |
バイポーラトランジスタの等価回路を説明できる。FETの等価回路を説明できる.
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10週 |
トランジスタのバイアス回路 |
トランジスタ増幅回路のバイアス供給回路の種類および供給方法を説明できる.
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11週 |
増幅回路の特性と負帰還増幅回路 |
利得,周波数帯域,入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる.負帰還の原理を理解し,負帰還増幅回路の動作を説明できる.
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12週 |
差動増幅回路と演算増幅器 |
差動増幅の原理と,演算増幅器の特性および使い方を説明できる.演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる.
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13週 |
発振回路 |
発振回路の種類,特性,動作原理を説明できる.(LC発振回路・CR発振回路・水晶発振回路とVCO・PLL回路)
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14週 |
振幅変調・周波数変調とその他の変調回路 |
変調・復調回路の特性,動作原理を説明できる.
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15週 |
パルス回路 |
パルス回路の基本および動作特性を理解し,マルチバイブレータの動作原理を説明できる.
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16週 |
期末達成度試験 |
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評価割合
| 試験 | 小テスト | 平常点 | レポート | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 40 | 0 | 100 |
配点 | 60 | 0 | 0 | 40 | 0 | 100 |