ソフトウェア工学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 ソフトウェア工学
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:高橋直久・丸山勝久「ソフトウェア工学」,森北出版.井上樹「ダイアグラム別UML徹底活用第2版」,翔泳社.
担当教員 芦田 和毅

到達目標

ソフトウェア工学の基礎について,ウォーターフォールモデルやスパイラルモデルに沿って理解し,説明できること(D-2).また,他者で設定した課題について,設計製作およびプレゼンテーションができること(E-1)(E-2)(G-1).

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ソフトウェア工学の概念ソフトウェア工学の定義が理解および使用できる.ソフトウェア工学の定義が理解できる.ソフトウェア工学の定義が理解できない.
ソフトウェアのモデリング各種モデリング手法を理解および使用できる.各種モデリング手法を理解できる.各種モデリング手法を理解できない.
プロジェクト管理と品質管理各種管理手法を理解および使用できる.各種管理手法を理解できる.各種管理手法を理解できない.
要求定義と分析要求定義および分析を理解および使用できる.要求定義および分析を理解できる.要求定義および分析を理解できない.
テスト技法各種テスト技法を理解および使用できる.各種テスト技法を理解できる.各種テスト技法を理解できない.
UMLUMLの代表的な図を理解および使用できる.UMLの代表的な図を理解できる.UMLの代表的な図を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

(D-2) 説明 閉じる
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産業システム工学プログラム 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ソフトウェア工学とは,ある要求に対する仕様決定から製作,品質管理,保守に至るまでを広範囲に定義する理論である.本科目では,仕様決定から設計に至る部分を重点的に習得することを目標とする.
授業の進め方・方法:
前期には理解度を確かめるため,理解したことを書く課題が毎回ある.後期にはグループでひとつのソフトウェアを作成する.
なお,本科目は学修単位科目であり,授業時間60時間に加えて,自学自習時間120時間が必要である.事前・事後学習として課題等を与える.
注意点:
<成績評価>
前期末達成度試験などの試験(50%),レポート(40%)および平常点(10%)の合計で(D-2)を,後期に行うグループ課題に関するレポートおよび成果物(70%),グループ内の相互評価(10%)および作製したソフトウェアについての発表(20%)の合計で(E-1)(E-2)(G-1)を評価し,ともに6割以上獲得した者をこの科目の合格者とする.(D-2)と(E-1)(E-2)(G-1)の重みは同じとして総合成績をつけ,どちらか一方でも6割未満の場合は,最大59点とする.

<オフィスアワー>月曜日16:00~17:00,電子情報工学科2F芦田教員室

<先修科目・後修科目>先修科目はシミュレーション,プログラミング演習,集積回路設計である.

<備考>後期に行うグループ演習ではJavaに関するソフトウェアを作成するため,Javaを理解しておく必要がある.本科目では,BYODパソコンを持参すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ソフトウェア工学の概要 ソフトウェア工学の発展経緯・目標・特色などについて学び,ソフトウェア工学の定義が理解できる.
2週 ソフトウェアの開発工程 ソフトウェアに係る各種概念を理解し,ウォータフォールモデル,スパイラルモデル,進化型プロセスモデル,プロトタイピング,インクリメンタル開発,イテラティブ開発,アジャイル開発などのプロセスモデルについて理解できる.
3週 プロジェクト管理 ソフトウェアにおけるプロジェクト管理,具体的にはPMBOK,標準タスク法,COCOMO,FP法などについて理解できる.
4週 要求分析 要求分析の概要について理解したうえで要求獲得,要求しようか,要求確認について理解できる.
5週 構造化分析 要求を仕様化する技法である構造化分析について理解できる.加えて,データフロー図,データ辞書,プロセス仕様書についても理解できる.さらに,ER図や状態遷移図の概要について理解できる.
6週 オブジェクト指向分析 オブジェクト指向の考え方と基本概念について理解できる.
7週 UML(1) UMLで定義されている図のうち,クラス図,アクティビティ図,ユースケース図の基礎的な記述方法を理解できる.
8週 UML(2) UMLで定義されている図のうち,クラス図,アクティビティ図,ユースケース図以外の図について,概要を理解できる.
2ndQ
9週 アーキテクチャ設計 ソフトウェアアーキテクチャの役割と設計手法について理解できる.
10週 ユーザインタフェース設計 ユーザインタフェースの種類と,ソフトウェアの利用者に理解しやすいインターフェースの設計について概要を理解できる.
11週 モジュール設計 モジュールの概要と,その評価指標,さらにモジュールを作成するために利用される技法であるSTSおよびTR分割技法を理解できる.
12週 プログラミング 構造化プログラミング,ジャクソン法,ワーニエ法について理解できる.
13週 テストと検証 ソフトウェアのテスト技法である,トップダウンテストやホワイトボックステストなどを理解できる.
14週 保守と再利用 ソフトウェアの保守とその技法について概要を理解できる.
15週 前期末到達度試験
16週 まとめ これまで学んできたソフトウェア工学について,後期に行うグループ演習に向けて再度確認することで,各種手法や知識を再確認できる.
後期
3rdQ
1週 グループによるソフトウェア構築手順(1) ソフトウェアを開発したい施主から要求を引出し,分析できる.
2週 グループによるソフトウェア構築手順(2) 分析したソフトウェアの開発要件を精査し,UMLで設計書を記述する方法について理解できる.
3週 グループによるソフトウェア構築手順(3) 設計書にもとづきソフトウェアを実装することができる.
4週 グループ演習(1) 複数人で協力し,ソフトウェアを開発できる.
5週 グループ演習(2) 複数人で協力し,ソフトウェアを開発できる.
6週 グループ演習(3) 複数人で協力し,ソフトウェアを開発できる.
7週 グループ演習(4) 複数人で協力し,ソフトウェアを開発できる.
8週 グループ演習(5) 複数人で協力し,ソフトウェアを開発できる.
4thQ
9週 グループ演習(6) 複数人で協力し,ソフトウェアを開発できる.
10週 グループ演習(7) 複数人で協力し,ソフトウェアを開発できる.
11週 グループ演習(8) 複数人で協力し,ソフトウェアを開発できる.
12週 グループ演習(9) 複数人で協力し,ソフトウェアを開発できる.
13週 グループ演習(10) 複数人で協力し,ソフトウェアを開発できる.
14週 グループ演習(11) 複数人で協力し,ソフトウェアを開発できる.
15週 プレゼンテーション 開発したソフトウェアについて,施主に対して説明できる.
16週

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合25055515100
配点25055515100