水理学Ⅰ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 水理学Ⅰ
科目番号 0012 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:小川 元「水理学 改訂版」 共立出版参考書:椿 東一郎「水理学I、II」 森北出版
担当教員 酒井 美月

到達目標

水理学上の問題を扱う上での基礎となる,単位や次元といった物理量を支える概念を説明できる.さらに,質量保存則やエネルギ-保存則といった基本法則と水理学的諸問題とのかかわりを理解でき,必要な数値を求めることができる.これらにより学習・教育目標(D-1),(D-2)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水の一般的性質について学び物理量の次元と単位に関して理解し説明することが出来る。物理量の次元と単位を適切に使うことが出来る。計算問題において適切な単位が使えない。
評価項目2静止流体中での諸問題に関する理論を学び、静水圧、作用位置、圧力分布、曲面に作用する水圧、浮体の安定などに関する説明をすることが出来、与えられた条件から諸量を計算し解くことができる。静止流体中の諸問題について諸量を与えられた場合計算問題を解くことができる。静止流体中の問題を解くことができない。
評価項目3水を完全流体とみなしての流れの基礎理論を理解し、基礎的な公式の導出ができる。諸量を与えられたとき簡単な流れの問題を解くことができる。質量保存則やエネルギー保存則と言った基本法則と水理学的諸問題とのかかわりを理解し、必要な数値を求めることが出来る。水を完全流体とみなしての流れの基礎理論を理解し、諸量を与えられたとき簡単な流れの問題を解くことができる。水を完全流体とみなしたときに適用可能な公式の利用および計算問題での数値の算出が出来ない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
水の一般的性質の学習を通して物理量の次元と単位に関する理解を確実にし,静止流体中での諸問題に関する理論を学ぶ.水を完全流体と見做しての流れの基礎理論を理解し,簡単な流れの問題の解法を修得する.
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とし,適宜,演習問題や課題を行う.
注意点:

<成績評価>年4回の学習到達度試験により100点満点で(D-1),(D-2)を評価する.ただし,各試験の重みは同じとする.評価結果60点以上を合格とする.
<オフィスアワー>原則として,毎週水曜日,16:00~17:00,環境都市工学科,酒井教員室にて対応する.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>後修科目は水理学II
<備考>物理学で学んだ力学の基本法則をしっかり理解しておく事が基本となる.更に,基礎方程式から答えに到るまでに,三角関数や基本的な微分,積分を使う場合が多いため,そうした数学的基礎が確立されている必要がある.



授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 質と量,単位と次元,無次元量とπ定理 工学と理学それぞれの特徴を認識し,水理学的手法について理解する.質量と重量の違いを認識し,重さは力である事を理解する.
2週 水の物理的性質,均一性と流動性,粘性 工学が対象とする量には単位や次元を考慮する必要がある事を理解し,工学における方程式のなりたちを単位と次元の面からも理解する.
3週 表面張力,水の蒸気圧 水の物理的諸性質を理解し,問題を解けるようにする.
4週 圧力とは,大気圧,水の水蒸気圧,圧力の単位 量としての圧力の意味を理解するとともに,表現する単位相互の変換や次元になれる.
5週 水の単位体積重量,水の密度,静水圧 単位体積重量=密度×重力加速度であること,重さは力である事を再確認する.圧力分布,全圧,作用位置を求められる.
6週 断面モ-メント 断面モーメントと水理学の問題のかかわりを学ぶ.モ-メントの意味を理解する.
7週 堰やゲ-トに作用する水圧・止水壁に関する考え方 各種水門,止水壁に関する問題が解ける.
8週 理解度の確認(1) 7週までの内容について理解度を確認する.
2ndQ
9週 曲面に作用する水圧 曲面に作用する圧力の理論を理解する.
10週 浮力,浮体の安定 浮力について理解し,浮体の安定解析ができる.
11週 流れの運動方程式 オイラ-の運動方程式の理論,連続の方程式と平衡方程式を理解する.
12週 流れの運動方程式2 オイラ-平衡方程式から,加速度を受けている水面の水面形を求められる.
13週 流れの一般理論 動水勾配について式と図で理解する.
14週 流れの一般理論2 層流と乱流,流れの種類について説明できる.
15週 理解度の確認(2) 前期の内容の理解度を確認する
16週
後期
3rdQ
1週 ベルヌ-イの定理 水を完全流体とみなし,ベルヌ-イの定理を適用して,位置水頭,圧力水頭,速度水頭相互の関係を理解する.
2週 運動量の法則 流れにおける運動量の法則を理解する.
3週 曲管,縮小管に作用する力 ベンチュリメータ,単管水路における演習問題をベルヌーイの定理を用いて解くことができる
4週 壁面に作用する力 壁や管路に作用する力の演習問題を解くことが出来る
5週 オリフィス 孔口からの流出の理論を理解する.
6週 オリフィス2 排水時間や水位に関する理論を理解する.
7週 理解度の確認(1) 7週までの内容について理解度を確認する.
8週 堰からの流れ 堰からの流れの理論を理解する.
4thQ
9週 堰の公式 矩形ぜき,三角堰の流公式の導出,理論を理解する.
10週 越流ダムの理論 越流ダムの理論を学び,演習問題を解くことができる
11週 管路の基礎 管路の流れの基礎を理解する.
12週 管路流れと損失水頭 管路の流れにエネルギ保存則を適用し,流速や圧力,損失水頭等の相互関係を理解する.
13週 圧力勾配とエネルギー勾配 管路の諸損失,全水頭について理解し,エネルギー線,圧力勾配線を書くことが出来る.
14週 合流と分岐 複線管路,側管のついた管路,合流と分岐の理論を学ぶ.
15週 理解度の確認(2) 後期の内容の理解度を確認する
16週

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合1000000100
配点1000000100