水理学Ⅰ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 水理学Ⅰ
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:日下部重幸「水理学」 コロナ社,参考書:二瓶泰雄「水理学」 講談社
担当教員 酒井 美月

到達目標

水理学上の問題を扱う上での基礎となる,単位や次元といった物理量を支える概念を説明できる.さらに,質量保存則やエネルギ-保存則といった基本法則と水理学的諸問題とのかかわりを理解でき,必要な数値を求めることができる.これらにより学習・教育目標(D-1),(D-2)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
物理量の次元と単位水の一般的性質について学び物理量の次元と単位に関して理解し説明することが出来る。物理量の次元と単位を適切に使うことが出来る。計算問題において適切な単位が使えない。
静止流体中の諸問題静止流体中での諸問題に関する理論を学び、静水圧、作用位置、圧力分布、曲面に作用する水圧、浮体の安定などに関する説明をすることが出来、与えられた条件から諸量を計算し解くことができる。静止流体中の諸問題について諸量を与えられた場合計算問題を解くことができる。静止流体中の問題を解くことができない。
流れの基礎理論水を完全流体とみなしての流れの基礎理論を理解し、基礎的な公式の導出ができる。諸量を与えられたとき簡単な流れの問題を解くことができる。質量保存則やエネルギー保存則と言った基本法則と水理学的諸問題とのかかわりを理解し、必要な数値を求めることが出来る。水を完全流体とみなしての流れの基礎理論を理解し、諸量を与えられたとき簡単な流れの問題を解くことができる。水を完全流体とみなしたときに適用可能な公式の利用および計算問題での数値の算出が出来ない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
水の一般的性質の学習を通して物理量の次元と単位に関する理解を確実にし,静止流体中での諸問題に関する理論を学ぶ.水を完全流体と見做しての流れの基礎理論を理解し,簡単な流れの問題の解法を修得する.
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とし,適宜,演習問題や課題を行う.
注意点:

<成績評価>確認試験により100点満点で(D-1),(D-2)を評価する.期末達成度試験の重みは同じとする.評価結果60点以上を合格とする.
<オフィスアワー>原則として,毎週水曜日,16:00~17:00,環境都市工学科,酒井教員室にて対応する.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>後修科目は水理学II
<備考>物理学で学んだ力学の基本法則をしっかり理解しておく事が基本となる.更に,基礎方程式から答えに到るまでに,三角関数や基本的な微分,積分を使う場合が多いため,そうした数学的基礎が確立されている必要がある.



授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水理学の基礎(1) 工学と理学それぞれの特徴を認識し,水理学的手法について理解する.水理学で用いる単位系について説明出来る.
2週 水理学の基礎(2) 水の物理的諸性質を理解し,問題を解けるようにする.均一性と流動性、粘性などについて説明できる
3週 水理学の基礎(3) 水の物理的諸性質を理解し,問題を解けるようにする.表面張力、毛管現象に関する問題が解ける
4週 静水圧(1) 量としての圧力の意味を理解するとともに,圧力について説明できる.
5週 静水圧(2) 静水圧の表現、強さ、作用する方向について説明できる.
6週 静水圧(3) 断面モーメントと水理学の問題のかかわりを学ぶ.モ-メントの意味を理解し適切に計算できる.
7週 静水圧(4) 平面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる
8週 静水圧(5) 各種水門,止水壁に関する問題が解ける.
2ndQ
9週 静水圧(6) 曲面に作用する圧力の理論を理解する.曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる.
10週 浮力,浮体の安定(1) 浮力について理解し,水理学的な視点から説明ができる.
11週 浮力,浮体の安定(2) 浮体の安定計算ができる
12週 流れの一般理論(1) 流れの分類、常流と射流、流速の測定、流速公式に関する基礎知識を得て説明が出来る.
13週 流れの一般理論(2) マニングの流速公式に基づき演習問題を解くことができる
14週 流体の運動方程式 オイラーの運動方程式を説明できる.連続の式を説明できる
15週 期末達成度試験
16週 前期内容確認 達成度試験の結果から前期の学修範囲について概観・到達度の確認をする
後期
3rdQ
1週 層流と乱流(1) 層流と乱流,流れの種類について説明できる.
2週 層流と乱流(2) レイノルズ数について説明ができる.演習問題を解くことができる.
3週 ベルヌ-イの定理(1) 水を完全流体とみなし,ベルヌ-イの定理を適用して,位置水頭,圧力水頭,速度水頭相互の関係を理解する.
4週 ベルヌ-イの定理(2) トリチェリーの定理について理解し、問題を解くことができる.
5週 ベルヌーイの定理(3) 孔口からの流出の理論を理解する.
6週 ベルヌーイの定理(4) 排水時間や水位に関する理論を理解し、演習問題を解くことができる.
7週 ベルヌーイの定理(5) ベンチュリメータの仕組みを理解し説明できる.
8週 ベルヌーイの定理(6) 水門、堰からの流れの理論を理解し説明できる.
4thQ
9週 ベルヌーイの定理(7) 矩形ぜき,三角堰の仕組みを理解し、流量公式を導出できる.
10週 越流ダムの理論 越流ダムの理論を学び,演習問題を解くことができる.
11週 運動量保存則 流体における運動量保存則を理解し説明することが出来る.
12週 運動量保存則 運動量保存則に基づき、流体が与えるちから、流体に与えられる力について演習問題を解くことができる.
13週 管路の基礎(1) 開水路流れと管路流れの違いを理解し、管路流れの基礎式について説明できる.管路の流れにエネルギ保存則を適用し,流速や圧力,損失水頭等の相互関係を理解する.
14週 管路の基礎(2) 摩擦損失について説明することが出来る.管路の諸損失,全水頭について理解し,説明が出来る.エネルギー線,圧力勾配線を書くことが出来る.
15週 期末達成度試験
16週 後期内容確認 達成度試験の結果から3年の学修範囲について概観・到達度の確認をする

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合8020000100
配点8020000100