水理学Ⅱ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 水理学Ⅱ
科目番号 0034 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:小川 元「水理学 改訂版」 共立出版参考書:椿 東一郎「水理学I、II」 森北出版
担当教員 酒井 美月

到達目標

3年次に修得した水理学的の基礎の上にたち,管路や開水路,更には地下水に至る流れの実際的な問題の理論的背景を説明でき,設計に必要な数値を算出できる.これにより学習・教育目標D-1,D-2の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 管路管路について分岐、合流、管網、サイホン、伏せこしなどの条件について理論を学び、それぞれの状況にあった水理学上の諸量を計算することが出来る。発電水力、ポンプ揚水、水撃圧に関する理論を学び演習問題を解くことができる。管路について分岐、合流、管網、サイホン、伏せこし、発電水力、ポンプ揚水、水撃圧に関する演習問題を解くことができる。管路の分岐、合流、管網に関する問題を解くことができない。
評価項目2 開水路開水路の基礎式、平均流速公式、不等流の運動方程式、河川の水面形について理論的背景を理解し、水路の設計に必要な諸量の計算、水面形の判断手法の使用、関連の演習問題を解くことができる.開水路の基礎式、平均流速公式、不等流の運動方程式、河川の水面形について理論的背景を理解し、関連の演習問題を解くことができる。開水路、河川の水面形に関する問題を解くことができない。
評価項目3 地下水と波地下水の流速、井戸の揚水量、提体の漏水、河床暗渠、波に関連する演習問題を理論の理解、公式の利用から解くことができる。流体中に働く力の理論を理解し、津波の基本的な計算を行うことが出来る。地下水の流速、井戸の揚水量、提体の漏水、河床暗渠、波に関連する演習問題を解くことができる。地下水の水理を理解できない。地下水、波に関連する演習問題を解くことができない。
評価項目4 水文基礎日本の気象の特徴について、降雨災害と地形との関係から説明できる.水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を算出できる。河川の分類と流域、及び管理と整備について河川調査の種類や目的・計画をふまえて説明できる。日本の気象の特徴について説明できる。流域平均雨量を算出できる。河川の分類と流域、及び管理と整備について基本的な説明ができる。日本の気象の特徴について、および河川の分類と流域、管理と整備について説明ができない。流域平均雨量を算出できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工学で実際に扱う管路,開水路,地下水等の問題に関する基礎知識を学び,演習問題を解くことを通して問題の解法を修得する.
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とし,適宜,演習問題や課題を行う.
・講義はプロジェクターおよび板書でおこない、講師資料は随時閲覧可能とする.
・この科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要である.事前・事後学習として課題等を与える.
注意点:

<成績評価>年4回の学習到達度試験により100点満点で(D-1),(D-2)を評価する.ただし,各試験の重みは同じとする.評価結果60点以上を合格とする.
<オフィスアワー>原則として,毎週水曜日,16:00~17:00,環境都市工学科,酒井教員室にて対応する.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目は水理学I、後修科目は環境水工学、建設環境衛生学
<備考>3年次に学んだ水理学の基礎知識の上に積み重ねていくため,3年次の範囲を十分に理解しておく必要がある.演習の果たす役割も大きいので,講義ノ-トをとり復習して理解を確実にする努力が大切である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 合流と分岐、管網 合流と分岐の理論を学び演習問題を解くことが出来る.
2週 管網1 管網の理論を学び演習問題を解くことが出来る.
3週 管網2 管網の理論を学び演習問題を解くことが出来る.
4週 サイホン、伏せこし サイホンの理論を学び演習問題を解くことが出来る.
5週 発電水力 発電水力関する理論を学び演習問題を解くことができる.
6週 ポンプ揚水 ポンプ揚水に関する理論を学び演習問題を解くことができる.
7週 水撃圧 水撃圧の理論を学び問題を解くことができる.
8週 理解度の確認1 7週までの理解度を確認する.
2ndQ
9週 流れの運動方程式 完全流体からレイノルズの方程式までの中で運動方程式に対する理解を深める.
10週 流速分布式1 乱流における流速分布式の基礎を学ぶ.ナビエストークス式から流速分布式を理解する.
11週 流速分布式2 乱流における流速分布式の基礎を学ぶ.ナビエストークス式から流速分布式を理解する.
12週 開水路1 等流 開水路の基礎方程式を理解する.
13週 開水路2 急変流 常流・射流・跳水に関する知識をまなび、問題を解くことができる.
14週 開水路3 漸変流 水面形を求めることができる.
15週 開水路4  開水路の問題に関し演習を行い理解を深める.水路の設計に必要な諸量の算出方法になれ,計算をすることが出来る.
16週 理解度の確認2 前期の内容の理解度を確認する.
後期
3rdQ
1週 地下水の流速 地下水の水理の理論を理解する.
2週 井戸の揚水量1 井戸の理論を学び演習問題を解くことが出来る.
3週 井戸の揚水量2 井戸の理論を学び演習問題を解くことが出来る.
4週 提体の漏水、河床暗渠、提体の浸潤 提体の漏水や河床暗渠の理論、堤防の浸潤について理解する.
5週 抗力と揚力、流体流の物体に作用する力、波の分類(1) 流体中の物体に働く力の理論を説明することが出来る.
6週 抗力と揚力、流体流の物体に作用する力、波の分類(2) 流体中の物体に働く力の理論を学び,セイシュや津波の基本的な計算を行う.
7週 理解度の確認3 後期6週までの理解度を確認する
8週 水の循環1 日本の気象の特徴について説明できる.降雨災害と地形との関係を説明できる.
4thQ
9週 水の循環2 水文量の観測方法を説明でき、流域平均雨量を算出できる.
10週 河川の分類と管理
河川の分類と流域及び管理と整備について説明できる.
11週 河川調査 河川調査の種類や目的・計画について説明できる.
12週 河川計画 河川整備計画やそれに関わる河川法の改正による流れについて説明できる.
13週 河川工作物、河川砂防 河道およびダムによる洪水対策を説明できる.
14週 河川史、水辺の利用 河川とその流域のつながりや関わりについて歴史的な視点から説明ができる.
15週 水辺の生態学と流域環境 生物多様性の危機的状況を説明できる.環境共生型社会のあり方について説明できる.
16週 理解度の確認4 後期の内容の理解度を確認する.

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合1000000100
配点1000000100