建設環境衛生学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 建設環境衛生学
科目番号 0088 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 津野洋 他,テキストシリーズ土木工学7 環境衛生工学,共立出版
担当教員 浅野 憲哉

到達目標

建築・土木分野と関連の深い環境衛生工学を対象とし,水域や建築物に関する環境問題を理解するとともに,環境保全のための解決法の検討ができること.特に,衛生工学に対しては建築物も含めた上水道および下水道の社会的な役割としくみを,廃棄物と化学物質に対しては,環境に与える影響と適切な対策方法を説明できること.
これらの内容を満足することで,学習・教育目標のD-1およびD-2の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
水質指標(pH, DO, BOD, SS, COD等)水質指標(pH, DO, BOD, SS, COD等)について、指標や測定方法の意義を理解し、詳細な説明ができる。水質指標(pH, DO, BOD, SS, COD等)について、指標や測定方法の意義をある程度理解し、一般的な説明ができる。水質指標(pH, DO, BOD, SS, COD等)について、理解できておらず説明できない。
上水道の施設と浄水プロセス上水道の施設と浄水プロセスについて理解し、詳細な説明ができる。上水道の施設と浄水プロセスについてある程度理解し、一般的な説明ができる。上水道の施設と浄水プロセスについて理解しておらず説明できない。
下水道の私設と汚水処理プロセス下水道の私設と汚水処理プロセスについて理解し、詳細な説明ができる。下水道の私設と汚水処理プロセスについてある程度理解し、一般的な説明ができる。下水道の私設と汚水処理プロセスについて理解できておらず説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
衛生分野の技術者に広く求められる建設分野の環境科学全体について学習し,知識を身につける.環境中の採水から建築物での上水道利用や、建築物での排水の発生から下水道の汚水処理に至る衛生工学を学び,水質汚染,廃棄物処理や施設内における化学物質のリスクを学習する.
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とし,演習問題や課題をだす.
・適宜,レポート課題を課すので,期限に遅れず提出すること.
注意点:
<成績評価>
・4回の到達度試験で評価する.ただし,各定期試験の重みは同じとする.
合計100点満点でD-1およびD-2を評価し,合計の6割以上を獲得した者をこの科目の合格者とする.
<オフィスアワー>
・放課後16:00~17:00,浅野教員室.この時間にとらわれずに必要に応じて来室してください.また,会議などで不在の場合があります.
<先修科目・後修科目>
・先修科目は、水理学Ⅱ, 建築計画
<備考>
・化学および環境問題全般に関する知識が必要となる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 総論 環境保全に対する環境衛生工学及び建築設備工学の関与を理解する.
2週 土木・建築分野の衛生工学 土木・建築分野での衛生工学の位置づけを理解し,説明できる.
3週 水質汚濁と水質指標(1) 水質汚濁に関わる水質指標(SSおよび DO)の意義と分析技術を理解する.
4週 水質汚濁と水質指標(2) 水質汚濁に関わる水質指標(BODおよびCOD)の意義と分析技術を理解する.
5週 水環境と環境基準(1) 富栄養化に関する環境基準について理解する.
6週 水環境と環境基準(2) 富栄養化と水循環について理解する.
7週 水環境の自浄作用 BOD成分と溶存酸素と自浄作用の関連を理解する.
8週 化学物質の使用に関する法規制 化学物質の環境に関する法規制の概要を理解する.
2ndQ
9週 水道の役割 水道の役割と種類を理解し,説明できる.
10週 水道計画 水道の計画(基本計画,給水量,水質,水圧)を理解できる.
11週 水道施設 水道施設(取水,導水,浄水,送水,配水,給水)を理解できる.
12週 浄水の単位操作 水道の単位操作(凝集,沈殿,濾過,殺菌)を理解できる.
13週 建築物の給水設備(1) 建築物の給水設備の概要を理解し,説明できる.
14週 建築物の給水設備(2) 建築物の給水装置の概要を理解し,説明できる.
15週 建築物の給湯設備 建築物の給湯設備の概要を理解し,説明できる.
16週 達成度試験
後期
3rdQ
1週 下水道の役割 下水道の役割と現状,汚水処理の種類を説明できる.
2週 下水道計画 下水道の基本計画と施設計画を説明できる.
3週 下水道施設 雨水排水設備などの下水道の構成を理解し,これに関する計算ができる.
4週 下水処理の単位操作(1) 浄化槽などの生物処理(好気的処理)の基礎を理解している.
5週 下水処理の単位操作(2) 浄化槽などの生物処理(好気的処理)の基礎的な計算ができる.
6週 高度処理 高度処理の意義を理解している.
7週 建築物における排水・通気(1) 建築物の排水設備を理解し,目的に応じ適切な設備を選択できる.
8週 建築物における排水・通気(2) 建築物の通気設備を理解し,目的に応じ適切な設備を選択できる.
4thQ
9週 汚泥処理と廃棄物 汚泥処理・処分を理解する.
10週 建設分野の廃棄物と環境 廃棄物と環境の重要性を理解し,衛生工学の役割を説明できる.
11週 廃棄物の定義と分類 廃棄物の定義と法律的分類を理解する.
12週 資源再生・リサイクル 資源循環社会に向けた資源再生・リサイクル技術の現状を理解し,説明できる.
13週 化学物質と施設内環境の関わり 化学物質と環境の関わりを,施設内にお健康被害を例に理解する.
14週 化学物質の使用と施設内環境への影響 化学物質が施設内環境に与える影響を理解する.
15週 化学物質の使用に関する法規制 環境に関する法規制の概要を理解する.
16週 達成度試験

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合1000000100
配点1000000100