実験実習Ⅲ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 実験実習Ⅲ
科目番号 0102 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 教科書:土木学会編「水理実験解説書」土木学会    高専土質実験教育研究会編「新土質実験法」鹿島出版会    土木学会編「土木材料実験指導書」土木学会
担当教員 遠藤 典男,松下 英次,酒井 美月,大原 涼平

到達目標

水の基本的物理量の測定を通して理論・実験的に講義内容を理解し,授業内容を説明できる.管路や開水路の実験を行い,デ-タ処理や結果の考察などを通して,流れの問題に対する説明ができる.土の基本的物理量の測定手法を体験し,土の分類法を説明できる.土の力学的性質の試験を実施し,そのデータ処理や結果の考察などを通して授業内容を説明できる.セメントの基本的な物理量を理解し,セメントに関する種々の物理諸量の測定手法を説明できる.コンクリートの配合設計時に必要となる骨材の密度,粒度,含水量等の基本的物性を把握し説明できる.コンクリートの配合設計および混合・打設方法を把握し説明できる.
これらの内容を満足することで(D-1),(D-2)の達成とする.さらに,土質実験の『モデル実験』の課題で,実験方法の工夫を行うとともに,その挙動の理解・評価に必要な各種試験法,対処法などを検討することにより(E-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1水の基本的物理量の測定手法を説明でき、結果を評価することができる。水の基本的物理量の測定手法を説明できる。水の基本的物理量の測定手法を説明できない。
評価項目2管路や開水路の実験より、デ-タ処理や結果の考察などを行い、それらを通じて、流れの問題や解決策を述べることができる。管路や開水路の実験より、デ-タ処理や結果の考察などを行い、それらを通じて、流れの問題を述べることができる。管路や開水路の実験より、デ-タ処理や結果の考察などを行うことができない。
評価項目3土の基本的物理量の測定手法を体験した上で、それらを理解し、土の分類法を説明できる。土の基本的物理量の測定手法を体験し、土の分類法を説明できる。土の基本的物理量の測定手法を体験し、土の分類法を説明できない。
評価項目4土の力学的性質の試験より、データ処理や結果の整理などを行い、それらを通じて、考察(問題点や解決策)を述べることができる。 土の力学的性質の試験より、データ処理や結果の整理などを行い、それらを通じて、簡単な考察を述べることができる。 土の力学的性質の試験より、データ処理や結果の整理などを行うことができない。
評価項目5 セメントの基本的な物理量を理解し、セメントに関する種々の物理諸量の測定手法を説明でき、評価することができる。 セメントの基本的な物理量を理解し、セメントに関する種々の物理諸量の測定手法を説明できる。 セメントの基本的な物理量を理解できない。
評価項目6コンクリートの配合設計時に必要となる骨材の密度、粒度、含水量等の基本的物性とその導出法を理解し、説明できる。 コンクリートの配合設計時に必要となる骨材の密度、粒度、含水量等の基本的物性を理解し、説明できる。 コンクリートの配合設計時に必要となる骨材の密度、粒度、含水量等の基本的物性を理解できない。
評価項目7コンクリートの配合設計および混合・打設方法を理解し、説明できるとともに、評価することができる。 コンクリートの配合設計および混合・打設方法を理解し、説明できる。 コンクリートの配合設計および混合・打設方法を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
水理・土質・材料実験を通して授業内容の理解を深めるとともに,実験や観測で得られたデータの処理方法,結果の整理方法などを習得し,試験結果の考察に必要な素養を身につける.実験実習は,各人が出来るだけ直接実験に携われるように,小人数でのグループ分けを行い,ローテーション方式で実施する.本科目では企業で地盤の調査や試験を担当した教員がその経験を活かし,地盤の調査や試験について実習形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
授業は実験を中心として,演習問題や課題を与える. 
・適宜,レポート課題を課すので,期限に遅れずに提出すること.
注意点:
<成績評価>
1)実験終了後に課せられるレポートの合計100点により(D-1),(D-2)を評価する.なお,各実験において課されるレポートの重みは同じとし,水理,土質,材料実験の重みは3分の1とする.
2)土質実験の『モデル実験』のレポートを100点により(E-1)を評価する.

本科目の成績は,1)を90%,2)を10%の合計100点満点とし,(D-1),(D-2)および(E-1)の全て学習・教育目標に対し6割以上の評価を得たものを,本科目の合格者とする.なお,いずれか1つの学習・教育目標でも6割未満の評価となったものは,不合格とし,本科目の成績を59点以下とする.

<オフィスアワー>
毎週水曜日16:00~17:00,環境都市工学科,担当教員室.

<先修科目・後修科目>
先修科目:実験実習Ⅱ,後修科目:実験実習Ⅳ

<備考>
水理学,土質工学,材料学の授業内容を理解できていることが重要.各回の実験内容を整理・復習し,授業と実験を通し理解を確実にすることが大切である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水理実験:層流と乱流 層流と乱流の違いが理解でき,摩擦損失水頭とレイノルズ数の関係を説明できる.
2週 水理実験:直角三角ぜきの検定 直角三角堰の説明と使用ができる.
3週 水理実験:マノメータによる圧力差の測定 マノメータを取扱い、水圧差を測定することができる。
4週 水理実験:水門の流出実験 水門について説明できる.
5週 水理実験:オリフィスからの流出実験(定水位) 定水位の流出による流量係数の測定ができる.
6週 水理実験:オリフィスからの流出実験(変水位) 変水位の流出による流量係数の測定ができる.
7週 水理実験:ベンチュリメーターの利用 ベンチュリメータの説明と使用ができる.
8週 水理実験:常流と射流 常流と斜流の基本事項を説明できる.
2ndQ
9週 水理実験:管水路の摩擦損失 管水路の摩擦損失や流速との関係について説明できる.
10週 水理実験:開水路の流速分布 開水路の流速分布について説明できる.
11週 土質実験:土粒子の密度試験 土粒子部分のみの単位体積質量の測定手法を説明できる.
12週 土質実験:土の粒度試験 土粒子の粒径の分布状態を調べ,粒径加積曲線の持つ意味を説明できる.
13週 土質実験:液性・塑性限界試験 液性・塑性限界試験を通じて,土のコンシステンシー限界を説明できる.
14週 土質実験:土の工学的分類 これまでに体験した土の基本的物理量の測定結果を基に,工学的分類法を説明できる.
15週 土質実験:土の締固め試験 試験のデータ処理を通して,プロクターの原理を説明できる.
16週
後期
3rdQ
1週 土質実験:一軸圧縮試験 一軸圧縮強さと非排水せん断強さの関係,鋭敏比について説明できる.
2週 土質実験:土の一面せん断試験 垂直応力とせん断強さの関係よりクーロンの破壊基準を説明できる.
3週 土質実験:透水試験 土の透水係数の求め方を学び,透水試験の適用方法について説明できる.
4週 土質実験:土の圧密試験 圧密試験とそのデータ処理により圧縮指数,圧密降伏応力などについて説明できる.
5週 土質実験:モデル実験 モデルの挙動を理解し,評価に必要な各種試験法,対処法などを挙げることができる.
6週 材料実験:骨材試験のふるい分け試験 振るい分け試験を説明ができる.
7週 材料実験:粗骨材の密度・吸水率,骨材の単位容積質量・実績率試験 粗骨材の密度・吸水率,骨材の単位容積質量・実績率を説明できる.
8週 材料実験:細骨材の密度・吸水率試験 細骨材の密度・吸水率を説明できる.
4thQ
9週 材料実験:細骨材の表面水率試験 骨材の表面水率を説明できる.
10週 材料実験:セメントの密度試験,粉末度試験,凝結試験 セメントの密度,粉末度,凝結を説明できる.
11週 材料実験:セメントの強さ試験1 セメントの強さ試験に用いる供試体を作製できる.
12週 材料実験:セメントの強さ試験2 セメントの強さ(圧縮強度と曲げ強度)を測定できる.セメントの強さを説明できる.
13週 材料実験:コンクリートの空気量・スランプ試験 コンクリートの空気量とスランプ値を測定できるとともに,説明できる.
14週 材料実験:コンクリートの配合設計・圧縮・引張・曲げ試験1 コンクリートの配合設計について説明できる.コンクリートの圧縮,引張,曲げ試験に使用する供試体を作製できる.
15週 材料実験:コンクリートの配合設計・圧縮・引張・曲げ試験2 コンクリートの圧縮,引張,曲げ強度を測定できるとともに,説明できる.
16週

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合0001000100
配点0001000100