物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 0011 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】A:「初歩から学ぶ基礎物理学 力学I」大日本図書,B:「ニューグローバル 物理基礎+物理」東京書籍,C:「フォトサイエンス物理図録」数研出版 / 【参考書】「基礎物理学」学術図書出版社
担当教員 柳沼 晋

到達目標

速度と加速度を理解し,物体の運動を表現できること.力とそのつり合いを理解し,運動の法則を説明できること.仕事とエネルギーを理解し,力学的エネルギー保存則を説明できること.力積と運動量を理解し,衝突現象に応用できること.これらの内容を満足することで,学習・教育目標の(C-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
物体の運動に関する評価項目速度と加速度を理解し,物体の運動を表現することが十分にできる.速度と加速度を理解し,物体の運動を表現することが6割程度できる.速度と加速度を理解し,物体の運動を表現することができない.
力と運動方程式に関する評価項目力とそのつり合いを理解し,運動の法則を説明することが十分にできる.力とそのつり合いを理解し,運動の法則を説明することが6割程度できる.力とそのつり合いを理解し,運動の法則を説明することができない.
力学的エネルギーに関する評価項目仕事とエネルギーを理解し,力学的エネルギー保存則を説明することが十分にできる.仕事とエネルギーを理解し,力学的エネルギー保存則を説明することが6割程度できる.仕事とエネルギーを理解し,力学的エネルギー保存則を説明することができない.
運動量に関する評価項目力積と運動量を理解し,衝突現象を説明することが十分にできる.力積と運動量を理解し,衝突現象を説明することが6割程度できる.力積と運動量を理解し,衝突現象を説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1)物体の運動を数学的に記述する.(2)運動方程式を用いた解析を通して,力と運動の関係について学ぶ.(3)エネルギーの基本的な概念を学習する.(4)運動量を導入して,衝突現象に応用する.
授業の進め方・方法:
・授業方法は,概要説明と例題演習(グループワークを含む)とを繰り返しながら,確認テストなどで振り返る.
・適時,レポート課題を課すので,期限内に提出すること.
注意点:
<成績評価>試験(70%),授業中の問題演習・小テストおよびレポート課題(30%)の合計100点満点で(C-1)を評価し,評価結果60点以上を合格とする.
<オフィスアワー>水曜日 16:00~17:00,電気電子・機械工学科棟3F 313柳沼教員室(必要に応じて来室可).
<先修科目・後修科目>先修科目:なし,後修科目:科学演習・実験,物理Ⅱ
<備考>自然現象を論理的に理解し,説明できる能力が求められる.このため,数学的に記述する能力が必要となる.教科書BやCを有効に活用し,復習を習慣付けること.その際,様々な現象に対して,自分の頭で考える訓練を積むことが大切である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 物理量と単位
(教科書A:pp. 157-159)
物理学における単位の役割を理解し,長さ,質量,時間などの単位について説明できる.
2週 変位と速度,等速直線運動
(教科書A:pp. 8-12, pp. 14-15)
変位と速度の概念を理解し,変位と時間との関係(x-t)を示すグラフを用いて,等速直線運動を説明できる.
3週 加速度
(教科書A:pp. 13-14)
速度と時間との関係(v-t)をグラフに示し,加速度の概念を理解できる.
4週 等加速度直線運動
(教科書A:pp. 15-17)
等加速度直線運動を説明できる.
5週 等加速度直線運動の応用
(教科書A:pp. 18-19)
等加速度直線運動の応用問題を解くことができる.
6週 鉛直方向の落下運動
(教科書A:pp. 25-28)
自由落下,鉛直投射などの落下運動を,落体の直線運動として説明できる.
7週 いろいろな力とその表し方
(教科書A:p. 34, pp. 44-52)
力の概念を理解し,重力,弾性力,張力,垂直抗力,摩擦力について説明できる.
8週 2力のつり合いと作用・反作用
(教科書A:p. 38, pp. 41-43)
2力のつり合いの条件を理解し,作用・反作用の法則と区別して説明できる.
2ndQ
9週 ニュートンの運動の3法則
(教科書A:pp. 56-59)
慣性の法則,運動の法則,作用・反作用の法則を説明できる.
10週 質量と重さ
(教科書A:pp. 45-46)
質量と重さを区別して理解し,慣性や重力加速度について説明できる.
11週 運動方程式
(教科書A:p. 60)
運動方程式を理解し,なめらかな水平面上の運動に適用できる.
12週 合力と運動方程式
(教科書A:pp. 61-62)
着目物体にはたらく力を全て図示し,運動方向の正の向きを決めて,運動方程式または力のつり合いの式を立てることができる.
13週 摩擦力がはたらく運動
(教科書A:pp. 49-52, p. 68)
静止摩擦力,最大摩擦力,動摩擦力を理解し,あらい水平面上の運動を,運動方程式を立てて説明できる.
14週 接触した複数の物体の運動
(教科書A:pp. 62-64)
接触した二つ以上の物体が関わる運動を,運動方程式を立てて説明できる.
15週 糸でつながれた2物体の運動
(教科書A:pp. 65-67, p. 70)
糸でつながれた2物体の運動を,運動方程式を立てて説明できる.
16週 前期末達成度試験 前期の学習の達成度をチェックする.
後期
3rdQ
1週 速度の合成と分解,成分,相対速度
(教科書A:pp. 20-24)
速度をベクトルで表し,速度の合成と分解を理解して,その成分を計算できる.相対速度を求めることができる.
2週 放物運動
(教科書A:pp. 28-32)
水平投射,斜方投射などの放物運動を,落体の平面運動として説明できる.
3週 力の合成と分解,成分
(教科書A:pp. 35-37)
力をベクトルで表し,力の合成と分解を理解して,その成分を計算できる.3力のつり合いの式を求めることができる.
4週 水平面上のつり合いと運動(力が斜め方向にはたらく場合)
(教科書A:p. 53, pp. 61-62, p. 69)
水平面上にある物体のつり合いと運動(力が斜め方向にはたらく場合)を,力のつり合いの式と運動方程式を立てて説明できる.
5週 斜面上のつり合いと運動
(教科書A:pp. 54-55, pp. 67-68, p. 70)
斜面上にある物体のつり合いと運動を,力のつり合いの式と運動方程式を立てて説明できる.
6週 仕事と仕事率
(教科書A:pp. 94-99)
力と距離との関係(F-x)をグラフに示し,仕事と仕事率を説明できる.
7週 運動エネルギー,エネルギーの原理
(教科書A:pp. 100-103)
運動エネルギーを求め,エネルギーの原理を説明できる.
8週 位置エネルギー,仕事の原理
(教科書A:pp. 104-107)
重力による位置エネルギー,弾性力による位置エネルギーを求め,仕事の原理を説明できる.
4thQ
9週 力学的エネルギー保存の法則
(教科書A:pp. 108-110)
力学的エネルギー保存の法則を説明できる.
10週 エネルギー保存則の応用(1)
(教科書A:pp. 108-110)
力学的エネルギー保存則を用いて,重力や弾性力がはたらく様々な運動を説明できる.
11週 エネルギー保存則の応用(2)
(教科書A:pp. 108-110)
力学的エネルギー保存則を用いて,重力や弾性力がはたらく様々な運動を説明できる.
12週 力積と運動量
(教科書A:pp. 76-78, p. 80)
力積と運動量の関係を説明できる.
13週 運動量保存則
(教科書A:pp. 81-83)
運動量保存則を導き,これを用いて直線上の衝突現象を説明できる.
14週 物体の合体と分裂
(教科書A:pp. 85-86)
運動量保存則を用いて,物体の合体と分裂を説明できる.
15週 反発係数
(教科書A:pp. 87-92, 116)
反発係数を理解し,壁や床との衝突,2物体の衝突に適用できる.
16週 学年末達成度試験 1年間の学習の達成度をチェックする.

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合701010100100
配点701010100100