物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理Ⅱ
科目番号 0023 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】A:「初歩から学ぶ基礎物理学 力学I」大日本図書,「力学I 問題集」大日本図書,B:「初歩から学ぶ基礎物理学 電磁気・原子」大日本図書,C:「初歩から学ぶ基礎物理学 熱・波動」大日本図書,D:「ニューグローバル 物理基礎+物理」東京書籍,E:「フォトサイエンス物理図録」数研出版 / 【参考書】「基礎物理学」学術図書出版社
担当教員 大西 浩次

到達目標

円運動や単振動を表現し,これらの運動を引き起こす力の性質を説明できること.電気現象を理解し,電場や電位の概念を用いて説明できること.波動現象を理解し,波に特有の回折・干渉を適用して音波や光波の諸性質を説明できること.これらの内容を満足することで,学習・教育目標の(C-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
円運動・単振動に関する評価項目円運動や単振動の表現,これらの運動を引き起こす力の性質の説明が十分にできる円運動や単振動の表現,これらの運動を引き起こす力の性質の説明が6割程度できる円運動や単振動の表現,これらの運動を引き起こす力の性質の説明ができない
電気現象に関する評価項目電気現象の理解,電場や電位の概念を用いた説明が十分にできる電気現象の理解,電場や電位の概念を用いた説明が6割程度できる電気現象の理解,電場や電位の概念を用いた説明ができない
波動現象に関する評価項目波動現象の理解,波に特有の回折・干渉を適用した音波や光波の諸性質の説明が十分にできる波動現象の理解,波に特有の回折・干渉を適用した音波や光波の諸性質の説明が6割程度できる波動現象の理解,波に特有の回折・干渉を適用した音波や光波の諸性質の説明ができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1)1学年で学んだ力学を拡張する.平面的な運動の記述を行い,周期的な運動を導く.(2)電磁気学の基礎を学び始める.具体的には電場,電位,コンデンサーについて学ぶ.(3)振動の続きとして,波動を学習する.波に関する基本的知識を身に付け,その考え方を音波および光波の性質に応用する.
授業の進め方・方法:
・授業方法は,概要説明と例題演習(グループワークを含む)とを繰り返しながら,確認テストなどで振り返る.
・適時,レポート課題を課すので,期限内に提出すること.
注意点:
<成績評価>試験(60%),授業中の問題演習・小テストおよびレポート課題(40%)の合計100点満点で(C-1)を評価し,評価結果60点以上を合格とする.
<オフィスアワー>水曜日 16:00~17:00,電気電子・機械工学科棟3F 314 大西教員室(必要に応じて来室可).
<先修科目・後修科目>先修科目:物理Ⅰ,科学演習・実験,後修科目:応用物理Ⅰ
<備考>物理Ⅰの学習内容が習得できていることを前提とする.教科書DやEを有効に活用し,復習を習慣付けること.その際,途中の計算式や考え方を重視した問題演習を積み重ねることが大切である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 等速円運動とその速度・加速度
(教科書A:pp. 118-122)
等速円運動の特徴を理解し,弧度法で表現して,その速度・加速度を説明できる.
2週 等速円運動の向心力
(教科書A:pp. 123-124)
等速円運動の向心力を理解し,実際の力を適用して説明できる.
3週 万有引力と惑星の運動
(教科書A:pp. 140-146)
等速円運動の応用として万有引力の法則を導出し,それを用いて,惑星や人工衛星の運動を説明できる.
4週 万有引力による位置エネルギーと人工衛星
(教科書A:pp. 148-156)
万有引力による位置エネルギーを理解し,それを用いて,人工衛星の運動を説明できる.
5週 単振動
(教科書A:pp. 127-132)
単振動の変位,速度,加速度,復元力について説明できる.
6週 水平ばね振り子と単振動のエネルギー
(教科書A:p. 132, p. 138)
水平ばね振り子の運動を理解し,単振動のエネルギーについて説明できる.
7週 鉛直ばね振り子と単振り子
(教科書A:pp. 133-137)
鉛直ばね振り子の運動を理解し,単振動によって,単振り子をはじめとした様々な振動現象を説明できる.
8週 慣性力と遠心力
(教科書A:pp. 72-74, pp. 124-126, p. 147)
慣性力が現れる理由を理解し,遠心力について説明できる.それらの応用問題を解くことができる.
2ndQ
9週 静電気力
(教科書B:pp. 10-16)
帯電,電荷,電気量保存の法則など,静電気の基本的な性質を理解し,クーロンの法則について説明できる.
10週 電場
(教科書B:pp. 17-19)
電場の考え方を理解し,一様な電場から受ける静電気力について説明できる.
11週 点電荷がつくる電場
(教科書B:pp. 19-23)
クーロンの法則から点電荷がつくる電場を理解し,電場の重ね合わせを用いて,合成電場を計算できる.
12週 電位
(教科書B:pp. 30-36)
電位の概念を理解し,一様な電場との関係や静電気力による位置エネルギーについて説明できる.
13週 電気力線と等電位面
(教科書B:pp. 23-24, pp. 36-37)
電気力線の性質を理解し,等電位面との関係について説明できる.
14週 点電荷がつくる電位・ガウスの法則
(教科書B:pp. 24-27, pp. 37-40)
点電荷がつくる電位を理解し,合成電位を計算できる.
ガウスの法則を用いて,様々な電荷の電場を求めることができる.
15週 前期末達成度試験 電場・電位の理解度を確認する
16週 まとめと復習
電場・電位の概念をまとめ、具体的な問題に関する確認と復習を行う。
後期
3rdQ
1週 波動
(教科書C:pp. 106-109)
波動現象を理解し,波を表す物理量で表現して,波の基本式を求めることができる.
2週 波の表し方
(教科書C:pp. 109-110, pp. 176-179)
波(特に正弦波)を表す数式やグラフを求めることができる.
3週 横波と縦波,合成波
(教科書C:pp. 111-114)
横波と縦波の違いを理解し,縦波を横波で表示できる.波の独立性および重ね合わせの原理について説明できる.
4週 反射波と定常波
(教科書C:pp. 114-118)
自由端と固定端による反射の違いを理解し,定常波について説明できる.
5週 音波の性質,固有振動と共振
(教科書C:pp. 130-133, p. 137 )
音の三要素を理解し,固有振動と共振/共鳴について説明できる.
6週 弦の固有振動
(教科書C:pp. 138-140)
弦の固有振動を理解し,定常波の考え方で説明できる.
7週 気柱の固有振動
(教科書C:pp. 140-143, )
気柱の固有振動を理解し,定常波の考え方で説明できる.
8週 うなり
(教科書C:p. 136)
うなりを理解し,うなりの振動数を計算できる.
4thQ
9週 ドップラー効果
(教科書C:pp. 126-128, pp. 144-146)
ドップラー効果(特に音の場合)について説明できる.
10週 平面波と球面波,波の干渉
(教科書C:p. 110, pp. 118-120)
平面波と球面波を理解し,波の干渉について説明できる.
11週 ホイヘンスの原理,波の反射,屈折,回折
(教科書C:pp. 121-125)
ホイヘンスの原理を理解し,それを用いて,波の反射,屈折,回折の法則を説明できる.
12週 光波の性質,反射と屈折
(教科書C:pp. 158-159, pp. 148-153)
光の速度や色,分散,偏光を理解し,光の反射と屈折,全反射について説明できる.
13週 光の回折と干渉(1)
(教科書C:pp. 153-155)
ヤングの干渉実験について説明できる.
14週 光の回折と干渉(2)
(教科書C:pp. 155-157)
回折格子の原理やニュートンリングについて説明できる.
15週 学年末達成度試験 波動現象(音、光)の理解度の確認を行う。
16週 まとめと復習、および幾何光学
(教科書C:pp. 168-172)
波動現象(音、光)のまとめと復習を行う。また、幾何光学の内容を含む波動現象について補足する.

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合6030550100
配点6030550100