倫理学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 倫理学
科目番号 0056 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 一般科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:鬼頭葉子『技術の倫理-技術を通して社会がみえる』ナカニシヤ出版,2018年
担当教員 嶋﨑 太一

到達目標

倫理学の基本的な考え方を理解した上で,技術とは何か,技術者はいかにあるべきか,技術者がもつべき倫理とは何かを考察できるようになること,科学技術に対して自ら倫理学的に探究できる.これをもって,学習・教育目標(B-1)および(B-2)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
倫理学の基本的な考え方について理解できる.倫理学の基本的な考え方について,先哲の思想を踏まえて十分に理解している.倫理学の基本的な考え方について.おおむね理解している.倫理学の基本的な考え方について理解していない.
科学技術が自然環境や人間社会に与える影響や,それに伴う倫理的課題について考えることができる.科学技術の社会的影響や倫理的課題について論理的に十分に考察できる.科学技術の社会的影響や倫理的課題を,おおむね考察できる.科学技術の社会的影響や倫理的課題を考えられていない.
技術者はいかにあるべきかについて主体的に探究することができる.技術者はいかにあるべきかについて、倫理学および科学技術の特質の両面から深く探究できる.技術者はいかにあるべきかについて,おおむね探究できる.技術者はいかにあるべきかについて探究できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
義務論や功利主義,徳倫理など倫理学の基本的な立場を事例を踏まえて考察した上で,科学技術の軍事利用,科学技術の自然環境や社会への影響,技術者の社会的責任など科学技術を倫理学的に考えていく.
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とするが,質問に答えてもらったり,周囲と対話しながら自らの考えを表明する機会を設けるので,積極的な姿勢で受講してもらいたい.なお事実ではなく価値を扱うという倫理学の性質上,教員や教科書の言明をも相対化しつつ自ら考える姿勢が求められる.
・適宜,課題を課すので,期限に遅れず提出すること.

なお,この科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要である.事前・事後学習として課題等を与える.
注意点:
<成績評価>期末試験(70%),平常点(20%)で(B-1)および(B-2)を評価し,6割以上の得点で合格とする.平常点は,課題レポート等によって評価する.
<オフィスアワー> 木曜日 16:00 ~ 17:00
<先修科目・後修科目>先修科目は世界史,日本史および現代社会


授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 倫理学と科学技術 倫理学とは何か,なぜ技術者に倫理学が必要なのかを理解する.
2週 科学技術とは何か 科学技術の本質,科学技術の発達の思想史的背景を理解する.
3週 ソクラテスおよびプラトンの倫理学 ソクラテスおよびプラトンを手掛かりに,よく生きること,正義について理解する.
4週 アリストテレスの倫理学 アリストテレスを手掛かりに、徳や幸福について理解する.
5週 カントの倫理学と義務論 カント倫理学の基礎を理解し,義務論的倫理学の特質について考える.
6週 功利主義的倫理学 ベンサムおよびミルの倫理学の基礎を理解し,功利主義的倫理学(目的論的倫理学)の特質について考える.
7週 徳倫理とコミュニタリアニズム 現代の徳倫理やコミュニタリアニズム(共同体主義)の考え方を,それまでの倫理思想と関係付けて理解する.
8週 ロールズの正義論 ロールズの正義論とそれに対する批判を理解する.
4thQ
9週 技術開発が目指すべきもの 技術開発が世界において目指すべき方向性を,SDGsなども含めて考える.
10週 科学技術と軍事 科学技術の軍事利用,デュアルユースについて理解し,技術者の責任について考える.
11週 ロボット,AIと倫理 ロボットやAI技術の進歩がもたらす社会倫理への影響やそれらの開発の倫理的課題について考える.
12週 公害と倫理 実際に起こった公害事件を出発点として,技術の社会的責任を予防原則なども含めて理解する.
13週 生態系と倫理 生態系への影響など地球的規模での環境倫理を,世代間倫理も含めて考える.
14週 医療技術と倫理 ゲノム編集など,医療技術のもつ倫理的課題について考える.
15週 社会事情と倫理 身近な社会事象を倫理学的に考察する.
16週 学年末達成度試験

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合7003000100
配点7003000100