社会哲学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 社会哲学
科目番号 0057 科目区分 一般 / 必修選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 一般科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:指定しない.授業でプリントを配布する
担当教員 嶋﨑 太一

到達目標

法、正義、権力、公共性といった社会にかかわる諸概念を哲学的・倫理学的なから考察し,それを踏まえて社会の在り方について自ら探究することができる.これをもって学習・教育目標(A-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
哲学・倫理学の基本概念を理解できる.哲学・倫理学の基本的な概念を理解し,自ら思考を深めることができる.哲学・倫理学の基本的な概念をおおむね理解している.哲学・倫理学の基本的な概念を理解できていない.
社会的な諸現象を思想史的背景を踏まえて考えられる.社会的な諸現象を思想史的背景を踏まえて十分に考察できる.社会的な諸現象についておおむね考察できる.社会的な諸現象を理解できない.
社会の在り方について,自ら探究できる.望ましい社会の在り方について哲学的に考えられる.望ましい社会の在り方についておおむね考えられる.望ましい社会の在り方について考えられない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
特に近代以降の西洋思想に注目しながら,そこにみられる法・正義・権力・公共性などに関する思索を手掛かりとして,社会とは何か,社会に生きる人間はいかなる存在か,社会はいかに在るべきかを検討する.
授業の進め方・方法:
・講義を中心とするが,適宜,質問に答えてもらったり,周囲と対話しながら自らの考えを表明する機会を設けるので,積極的な姿勢で受講してもらいたい.また,学生からのコメントシートを活用し,できるかぎり双方向的な授業となるようにしたい.なお,哲学という学問の性質上,事実を確定することよりも事実を解釈することに主眼を置くものであり,自ら考える姿勢が求められる.

なお,この科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要である.事前・事後学習として課題等を与える.
注意点:
<成績評価>期末試験(70%),平常点(30%)で(A-1)を評価し,6割以上の得点で合格とする.平常点は,課題レポート等によって評価する.
<オフィスアワー> 木曜日 16:00 ~ 17:00
<先修科目・後修科目>先修科目は現代社会.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 社会について考える 社会とは何か,どのような社会があるかについて,社会学的に考えることができる.
2週 法とは何か 法と道徳の関係,自然法と実定法について理解する.
3週 自然法とは何か 近世初頭までの自然法思想について理解する.
4週 政治権力について①(ホッブズ) ホッブズの人間観,社会観,権力観について理解する.
5週 政治権力について②(ロック) ロックの社会観,権力観,さらに「法の支配」の考え方について理解する.
6週 政治権力について③(ルソー) ロックの人間観,社会観について理解する.
7週 啓蒙について アダム・スミス,ヒューム,モンテスキューらスコットランド及びフランスの啓蒙思想について理解する.
8週 社会の進歩について①(カント) カントの社会思想,歴史哲学,世界市民主義について理解する.
2ndQ
9週 社会の進歩について②(ヘーゲル) ヘーゲルの法哲学,歴史哲学について理解する.
10週 社会主義について マルクスらの社会主義思想について理解する.
11週 資本主義と社会について マックス・ヴェーバーの社会理論について理解する.
12週 文明の在り方について アドルノらフランクフルト学派(第一世代)の社会論,文明論について理解する.
13週 公共性について アーレント及びハーバーマスの公共性の考え方について理解する.
14週 近代の権力について フーコーの近代論,権力論について理解する.
15週 正義について ロールズの正義論とそれに対する批判的理論について理解する.
16週 前期末達成度試験

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合7003000100
配点7003000100