到達目標
法、正義、権力、公共性といった社会にかかわる諸概念を哲学的・倫理学的な観点から考察し,それを踏まえて社会の在り方について自ら探究することができる.これをもって学習・教育目標(A-1)の達成とする.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
哲学・倫理学の基本概念を理解できる. | 哲学・倫理学の基本的な概念を理解し,自ら思考を深めることができる. | 哲学・倫理学の基本的な概念をおおむね理解している. | 哲学・倫理学の基本的な概念を理解できていない. |
社会的な諸現象を思想史的背景を踏まえて考えられる. | 社会的な諸現象を思想史的背景を踏まえて十分に考察できる. | 社会的な諸現象についておおむね考察できる. | 社会的な諸現象を理解できない. |
社会の在り方について,自ら探究できる. | 望ましい社会の在り方について哲学的に考えられる. | 望ましい社会の在り方についておおむね考えられる. | 望ましい社会の在り方について考えられない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
特に近代以降の西洋思想に注目しながら,そこにみられる法・正義・権力・公共性などに関する思索を手掛かりとして,社会とは何か,社会に生きる人間はいかなる存在か,社会はいかに在るべきかを検討する.
授業の進め方・方法:
・講義を中心とするが,適宜,質問に答えてもらったり,周囲と対話しながら自らの考えを表明する機会を設けるので,積極的な姿勢で受講してもらいたい.また,学生からのコメントシートを活用し,できるかぎり双方向的な授業となるようにしたい.なお,哲学という学問の性質上,事実を確定することよりも事実を解釈することに主眼を置くものであり,自ら考える姿勢が求められる.
なお,この科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要である.事前・事後学習として課題等を与える.
注意点:
<成績評価>期末試験(70%),レポート(30%)で(A-1)を評価し,6割以上の得点で合格とする.平常点は,課題レポート等によって評価する.
<オフィスアワー> 木曜日 16:00 ~ 17:00
<先修科目・後修科目>先修科目は現代社会.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
社会という現象について |
社会とは何か,どのような社会があるかについて,哲学的,社会学的に考えることができる.
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2週 |
法と権利 |
近代までの法と権利の概念,自然法の概念などについて理解する.
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3週 |
政治権力について①(ホッブズ・ロック) |
社会契約論の主要思想家の社会観,人間観について理解する.
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4週 |
政治権力について②(ルソー) |
社会契約論の主要思想家の社会観,人間観について理解する.
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5週 |
啓蒙について |
アダム・スミス,ヒューム,モンテスキューらスコットランド及びフランスの啓蒙思想について理解する.
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6週 |
社会の進歩について①(カント) |
カントの社会思想、歴史哲学,世界市民主義について理解する.
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7週 |
社会の進歩について②(ヘーゲル) |
ヘーゲルの法哲学,歴史哲学について理解する.
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8週 |
社会主義について |
マルクスらの社会主義思想について理解する.
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2ndQ |
9週 |
実存主義と社会について |
実存主義思想における社会観について理解する.
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10週 |
資本主義と社会について |
マックス・ヴェーバーの社会理論について理解する.
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11週 |
文明の在り方について |
アドルノらフランクフルト学派(第一世代)の社会論,文明論について理解する.
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12週 |
公共性について |
アーレント及びハーバーマスの公共性の考え方について理解する.
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13週 |
近代の権力について |
フーコーの近代観,権力論について理解する.
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14週 |
フェミニズムについて |
近代から現代にかけてのフェミニズム思想について理解する.
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15週 |
前期末達成度試験 |
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16週 |
これからの社会哲学 |
これからの社会の在り方について考察し,学修をまとめる.
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評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
配点 | 70 | 30 | 100 |