物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理Ⅱ
科目番号 0061 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書A:「初歩から学ぶ基礎物理学 力学I」大日本図書,「力学I 問題集」大日本図書,教科書B:「初歩から学ぶ基礎物理学 熱・波動」大日本図書,「熱・波動 問題集」大日本図書,教科書C:「初歩から学ぶ基礎物理学 電磁気・原子」大日本図書,「電磁気・原子 問題集」大日本図書,教科書D:「フォトサイエンス物理図録」数研出版 / 参考書:「基礎物理学」学術図書出版社
担当教員 大西 浩次

到達目標

円運動や単振動を表現し,これらの運動を引き起こす力の性質を説明できること.電気現象を,電場や電位の概念を用いて説明できること.波動現象を理解し,波に特有の回折・干渉を音波や光波に適用して,説明できること.これらの内容を満足することで,学習・教育目標の(C-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1円運動や単振動の表現,これらの運動を引き起こす力の性質の説明が十分にできる円運動や単振動の表現,これらの運動を引き起こす力の性質の説明が6割程度できる円運動や単振動の表現,これらの運動を引き起こす力の性質の説明ができない
評価項目2電気現象の,電場や電位の概念を用いた説明が十分にできる電気現象の,電場や電位の概念を用いた説明が6割程度できる電気現象の,電場や電位の概念を用いた説明ができない
評価項目3波動現象の理解,波に特有の回折・干渉を音波や光波に適用した説明が十分にできる波動現象の理解,波に特有の回折・干渉を音波や光波に適用した説明が6割程度できる波動現象の理解,波に特有の回折・干渉を音波や光波に適用した説明ができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1)1年で学んだ力学を拡張する.平面的な運動の記述を行い,周期的な運動を導く.(2)電磁気学の基礎を学び始める.具体的には電場,電位,コンデンサーについて学ぶ.(3)振動の続きとして,波動を学習する.波に関する基本的知識を身に付け、その考え方を音波および光波の性質に応用する.
授業の進め方・方法:
・授業方法は,概要説明と例題演習(グループワークを含む)とを繰り返しながら,最後に確認テストなどで振り返る.
・適時,レポート課題を課すので,期限内に提出すること.
注意点:
<成績評価>試験(60%),授業中の問題演習・小テストおよびレポート課題(40%)の合計100点満点で(C-1)を評価し,評価結果60点以上を合格とする.
<オフィスアワー>水曜日 16:00~17:00,電気電子・機械工学科棟3F 313物理準備室
<先修科目・後修科目>先修科目:物理Ⅰ,科学演習・実験,後修科目:物理Ⅰ
<備考>物理Ⅰの学習内容が習得できていることを前提とする.復習を習慣付けること、その際は途中の計算式や考え方を重視した問題演習を積み重ねることが大切である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 等速円運動とその速度・加速度
(教科書A:pp. 118-122)
等速円運動の特徴を理解し,弧度法で表現して,その速度・加速度を説明できる.
2週 等速円運動の向心力
(教科書A:pp. 123-124)
等速円運動の向心力を理解し,実際の力を適用して説明できる.
3週 万有引力と惑星の運動
(教科書A:pp. 140-146)
等速円運動の応用として万有引力の法則を導出し,それを用いて,惑星や人工衛星の運動を説明できる.
4週 万有引力による位置エネルギーと人工衛星
(教科書A:pp. 148-156)
万有引力による位置エネルギーを理解し,それを用いて,人工衛星の運動を説明できる.
5週 単振動
(教科書A:pp. 127-132)
単振動の変位,速度,加速度,復元力について説明でる.
6週 単振動とばね振り子
(教科書A:pp. 132-135)
単振動によって,様々な振動現象を理解し,ばね振り子の運動を説明できる.
7週 単振動と単振り子
(教科書A:pp. 136-138)
単振動によって,様々な振動現象を理解し,単振り子の運動を説明できる.
8週 慣性力と遠心力
(教科書A:pp. 72-74, pp. 124-126, p. 147)
慣性力が現れる理由を理解し,遠心力について説明できる.それらの応用問題を解くことができる.
2ndQ
9週 静電気力
(教科書C:pp. 10-16)
電荷,クーロンの法則など,電気の基本的な性質が理解できる.
10週 電場(1)
(教科書C:pp. 17-20)
電場の考え方を理解し,クーロンの法則を説明できる.
11週 電場(2)
(教科書C:pp. 21-23)
電場の重ね合わせによって,様々な電荷の電場を求めることができる.
12週 電気力線とガウスの法則
(教科書C:pp. 23-25)
電気力線の性質を理解し,ガウスの法則を説明できる.
13週 ガウスの法則の応用
(教科書C:pp. 25-29)
ガウスの法則を用いて,様々な電荷の電場を求めることができる.
14週 電位(1)
(教科書C:pp. 30-37)
電位の概念を理解し,静電気力による位置エネルギーや電場との関係を説明できる.
15週 電位(2)
(教科書C:pp. 37-41)
様々な電荷の電位を求めることができる.
16週 前期末達成度試験
後期
3rdQ
1週 電場中の物質
(教科書C:pp. 44-47)
導体と不導体の性質を理解し,静電誘導と誘電分極を説明できる.
2週 コンデンサー(1)
(教科書C:pp. 48-54)
コンデンサーの性質を理解し,電気容量を説明できる.
3週 コンデンサー(2)
(教科書C:pp. 54-60)
コンデンサーの静電エネルギーを理解し,コンデンサーの接続を説明して,合成容量を計算できる.
4週 波動
(教科書B:pp. 106-108)
波動現象を理解し,波を表す物理量を説明して,波の基本式を求めることができる.
5週 波の表し方
(教科書B:pp. 108-110)
波(特に正弦波)を数式やグラフで表現できる.
6週 平面波と球面波,横波と縦波
(教科書B:pp. 110-112)
平面波と球面波を理解し,横波と縦波の違いを説明して.縦波を横波で表示できる.
7週 波の重ね合わせの原理と定常波
(教科書B:pp. 113-118)
波の重ね合わせの原理を理解し,波の反射や定常波を説明できる.
8週 波の干渉,反射,屈折,回折
(教科書B:pp. 118-125)
波の干渉を理解し,ホイヘンスの原理を用いて,波の反射,屈折,回折の法則を説明できる.
4thQ
9週 音波の性質
(教科書B:pp. 130-136)
音の三要素を理解し、音の波としての諸性質(反射,屈折,回折,干渉,うなり)を説明できる.
10週 固有振動と共振
(教科書B:pp. 137-143)
弦や気柱の固有振動を,定常波の考え方で説明できる.
11週 ドップラー効果
(教科書B:pp. 144-146)
音のドップラー効果を説明できる.
12週 光の反射と屈折
(教科書B:pp. 148-153)
光の反射と屈折,全反射を説明できる.
13週 光波の性質
(教科書B:pp. 158-160)
光の波としての性質を理解し,光の速度や色,分散,偏光を説明できる.
14週 光の回折と干渉
(教科書B:pp. 153-157)
ヤングの干渉実験や回折格子の原理を説明できる.
15週 幾何光学
(教科書B:pp. 161-174)
鏡やレンズと実像・虚像の関係を理解できる。
16週 学年末達成度試験

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合601515100100
配点601515100100