社会哲学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 社会哲学
科目番号 0064 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 一般科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:指定しない.授業でプリントを配布する.
担当教員 鬼頭 葉子

到達目標

哲学・倫理学の考え方を用いて,社会における様々な出来事や問題の思想史的背景を理解する.その知見をもとに自らの考えを明確にしつつ,多様な価値観を理解することができる.これをもって学習・教育目標(A-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1哲学・倫理学の基本概念をよく理解し,詳細に説明できる.哲学・倫理学の基本概念を理解し,簡単に説明できる.哲学・倫理学の基本概念を理解・説明できない.
評価項目2社会の出来事や問題と思想史を結びつけ,詳細に説明することができる.社会の出来事や問題と思想史の関連を理解し,簡単に説明することができる.社会の出来事や問題と思想史の関連を理解していない.
評価項目3思想史を基に,自らの考えを記述することができる.自らの考えを,論理的に記述することできる.自らの考えを論理的に記述することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
古代ギリシャ哲学から現代思想まで幅広く,政治・経済・法・正義など人間社会に関する思想的背景を学ぶ.
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,ノートに講義内容へのコメントを記入して提出する.
注意点:
<成績評価>1回の中間試験(50%)と学期末試験(50%)の合計100点満点で(A-1)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
なお、本科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要である.

<オフィスアワー>放課後 16:00 ~ 17:00,一般科棟3F西 鬼頭葉子教員室.

<先修科目・後修科目>先修科目は現代社会.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「理性の自由」とはなにか,カントの啓蒙思想から学ぶ. 啓蒙思想を理解し,理性についての哲学的に理解できる.
2週 「自由」とはなにか,ミルの功利主義から学ぶ. 功利主義の基礎と自由についての概念を理解できる.
3週 功利主義のもたらした動物観の変化と動物倫理について学ぶ. 現代につながる動物倫理の基礎を理解できる.
4週 医療政策と功利主義について学ぶ. 現代の医療政策と功利主義の関係について理解できる.
5週 労働とはなにか,その特質についてマルクスの思想から学ぶ. マルクスの思想を理解し,労働の意味について考えることができる.
6週 宗教改革と労働意識との関係について学ぶ. ルター,カルヴァンの宗教思想と労働理解を説明できる.
7週 人権とは何か,その特質についてロック,ルソーの思想から学ぶ. 人権とはなにか正しく理解し説明できる.
8週 理解度の確認. 7週までの内容について理解した内容を適切に表現できる.
2ndQ
9週 政治とは何か,その特質についてホッブス,ロックの思想から学ぶ. ホッブスの国家観とロックの政治論について理解できる.
10週 社会における法とは何か,ルソーの社会契約論から学ぶ. ルソーの社会契約論について理解できる.
11週 国家の暴力やファシズムについて思想的に考える. 「全体主義」に関するアレントの思想を理解できる.
12週 近代の功罪についてフーコーの思想から学ぶ. フーコーの社会思想について理解できる.
13週 社会正義と再配分の概念について考える. ロールズのリベラリズムについて理解できる.
14週 社会正義と平等について考える. ヌスバウムの可能力アプローチについて理解できる.
15週 共同体における美徳について考える. コミュニタリアニズムについて理解できる.
16週 学期末達成度試験

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合7003000100
配点7003000100