統計物理学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 統計物理学
科目番号 0005 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産環境システム専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 和達三樹,十河 清,出口哲生「ゼロからの熱力学と統計力学」岩波書店、北原和夫, 杉山忠男「統計力学」講談社  参考書:砂川重信 「物理の考え方3: 熱・統計力学の考え方」岩波書店,和田純夫 「物理講義のききどころ 4: 熱・統計力学のききどころ」岩波書店,ファインマン 「ファインマン物理学I,II, IV」岩波書店,D.ハリディ,レスニック,ウォーカー「物理学の基礎」[2] 培風館J.オグボーン,M.ホワイトハウス「アドバンシング物理A2」 シュプリンガー・フェアラーク東京  
担当教員 大西 浩次

到達目標

温度と熱の違いが説明できること.熱力学第1法則,第2法則が説明できエントロピーの概念が説明できること.統計力学の基本的取り扱いができる事,更に理想量子気体の振る舞いが説明できること.これらの内容を満足する事で,学習・教育目標の(C-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物性の理解のために,統計力学の基礎的な考え方を学ぶ.はじめに,熱力学の基礎,量子論の基礎的な概念を確認した後,熱,温度,エントロピーの概念を学ぶ.これらを統計力学的に再構成し,量子統計力学の基礎を学ぶ.
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とし,演習問題や課題をだす.
・毎回,レポート課題を課すので,期限に遅れず提出すること.
注意点:
<成績評価>試験(50%),レポート課題・演習(50%)とし合計100点満点で目標(C-1)の達成度を評価する.評価結果60点以上を合格とする.
<オフィスアワー>毎週水曜日16:00~17:00,機械工学科棟3F 314物理教員室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<備考>応用物理I,応用物理II,および物性物理学の内容を理解していること共に,数学(偏微分,全微分,変分法,統計学)が自由に使えることが必要である.毎回の講義内容を整理・復習し,自分なりに理解する事が大切である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 温度と熱 熱量と温度の違いを説明できる.
2週 分子運動論 分子運動論から熱と温度の違いを説明する.
3週 熱力学第1法則 熱力学第1法則を説明できる.
4週 定積比熱と定圧比熱 理想気体の比熱を理解する.
5週 熱機関 カルノーサイクルの熱効率を求める.
6週 熱力学第2法則と熱力学的エントロピー エントロピーの熱力学的意味を理解する.
7週 統計的扱いとランダムウオーク 統計の取り扱いが出来るようになる.
8週 マクスウェルの速度分布 速度分布,ボルツマン因子を理解する.
2ndQ
9週 統計力学の基本的考え方 エントロピーの統計力学的意味を理解する.
10週 カノニカル分布 カノニカル分布の考え方が説明でき、エネルギー等分配則を確かめることができる。
11週 量子力学 量子力学における統計的な性質を説明できる.
12週 2準位系,スピン常磁性 2準位系などの統計力学的な性質が説明できる.
13週 磁気相転移 磁気相転移をイジングモデルで説明できる.
14週 量子気体、熱輻射のスペクトル ボーズ分布,フェルミ分布が説明できる.
15週 前期末達成度試験 統計力学の基本的取り扱いができるか確認する.
16週

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合5000500100
配点5000500100