数理科学II

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 数理科学II
科目番号 0039 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産環境システム専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書 草野尚「境界値問題入門」 (朝倉書店)
担当教員 林本 厚志

到達目標

偏微分方程式の境界値問題について意味を理解し、その理論を理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
境界値問題の意味を理解し、グリーン関数を構成したり、固有値と固有関数の性質が理解できる。各単元において数学的な性質を理解し,その理論を具体的な例に対して適用できる。各単元における基本的な理論を理解することができる。各単元における基本な理論が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本科の応用数学の知識を使って、偏微分方程式の講義をする。現象を数学的に捉え,記述し,処理する能力を養うことを目標とする.
授業の進め方・方法:
講義,提出課題等を組み合わせて授業を進める.問題を解くというよりも、その理論を中心に授業を行う。抽象的な内容が多いため授業後の復習は必須である。本科の授業では抽象的な議論をすることがほとんどなかったため、最初は非常に難しく感じるかもしれないが、毎回復習を重ねるごとに慣れていくであろう。そのためにも授業後の復習なしでは授業を理解することは不可能である。そのために学修単位科目としての自習時間60時間は必要である。抽象的な内容も具体例に裏打ちされているため、教科書に載っている演習問題を毎回解くことにより定理を理解することができる。

なお,この科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要である.
注意点:
<成績評価>試験(80%),平常点(20%)の合計100点満点で(C-1)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.ただし平常点は授業中に行う課題演習等で評価する.
<オフィスアワー>毎週水曜日14:00~15:00
<先修科目・後修科目>先修科目は微分積分IIA・B
<備考>微分積分IIA,Bの内容を理解していることを前提とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 境界値問題について 境界値問題の意味を理解することができる。
2週 グリーン関数 グリーン関数について理解できる。
3週 広義グリーン関数 広義グリーン関数について理解できる。
4週 特異境界値問題 特異境界値問題の意味が理解でいる。
5週 変分学と境界値問題 その1 オイラーラグランジュ方程式が理解できる。
6週 変分学と境界値問題 その2 変分学の基本定理が理解できる。
7週 固有値問題 その1 固有値問題の意味が理解できる。
8週 固有値問題 その2 正則なスツルムリウビル系について理解できる。
2ndQ
9週 プリューファー変換とスツルムの比較定理 その1 プリューファー変換について理解できる。
10週 プリューファー変換とスツルムの比較定理 その2 スツルムの比較定理について理解できる。
11週 固有値と固有関数の存在 正則なスツルムリウビル系に関する固有値と固有関数の存在に関する定理が理解できる。
12週 特異なスツルムリウビル系 特異スツルムリウビル系について理解できる。
13週 リウビルの標準形と変形プリューファー変換 変形プリューファー変換を使って正則なスツルムリウビル系の解の漸近的性質が理解できる。
14週 固有値と固有関数の漸近的性質 正則なスツルムリウビル系の固有値と固有関数の漸近的性質が理解できる。
15週 演習 これまでの内容についての問題を解くことができる。
16週 達成度試験 達成度試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000