到達目標
量子力学の基礎的なことが説明できること.固体の結晶学および電子論について,これらの基本的な内容が説明できること.磁性材料の基本特性およびその応用が説明できること.新素材についてその概略が説明できること.これらの内容を満足することで,学習・教育目標の(C-1)の達成とする
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 量子力学の基礎的なことが説明できる. | 量子力学の基礎的な計算ができる. | 量子力学の基礎的な計算ができない. |
評価項目2 | 固体の結晶学および電子論の内容が説明できる. | 固体の結晶学および電子論について計算できる. | 固体の結晶学および電子論について計算できない. |
評価項目3 | 磁性材料の基本特性およびその応用が説明できる. | 磁性材料の基本特性が分かる. | 磁性材料の基本特性が分からない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
物質の物性を理解するため,基礎物理学(力学,電磁気学,量子力学)の内容を復習や追加補足しながら,固体の結晶学および電子論の基礎について学習する.これらを基に,各種材料(特に,超伝導材料、磁性材料)の物性の取扱いとその応用について解説する.
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とし行なう.
・授業の内容を実際の例で解いてみる演習課題を出す.
・毎回,レポート課題を課すので,期限に遅れず提出すること.
なお,この科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要である.事前・事後学習として課題等を与える.
注意点:
<成績評価>試験(50%),レポート課題・演習(50%)とし合計100点満点で目標(C-1)の達成度を評価する.評価結果60点以上を合格とする.
<オフィスアワー>毎週水曜日16:00~17:00,機械工学科棟3F 314物理教員室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目は応用物理I,応用物理IIとなる.後修科目は統計物理学,量子力学となる.
<備考>応用物理I,応用物理Iの内容を理解していること共に,数学(偏微分,全微分,変分法,統計学)が自由に使えることが必要である.毎回の講義内容を整理・復習し,自分なりに理解する事が大切である.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
力学および電磁気学の復習 |
代表的な運動に対して,運動方程式が適用できる.電気・磁気現象の基本的内容が説明できる.
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2週 |
固体の中の原子の構造 |
結晶構造と対称性について説明できる.
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3週 |
固体の凝集機構と結晶構造 |
基本的な結晶構造について説明できる.
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4週 |
X線による結晶解析の基礎 |
原子配列とX線回折の関係が説明できる
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5週 |
量子論の復習 |
黒体放射、光電効果、水素原子のスペクトルについて量子論的に説明できる.
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6週 |
シュレディンガー方程式 |
シュレディンガーの波動方程式が説明できる.
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7週 |
1次元の量子系 |
1次元の量子系をシュレディンガー方程式で説明できる.
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8週 |
トンネル効果と周期的ポテンシャル |
1次元の量子系でのトンネル効果や周期的ポテンシャル問題が説明できる.
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2ndQ |
9週 |
固体内での電子 |
固体中での電子の量子状態について説明できる.
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10週 |
エネルギー・バンド |
金属と半導体と絶縁体の違いがエネルギー・キャップ,エネルギー・バンドで説明できる.
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11週 |
磁性材料(磁気現象の根源) |
磁性の根源,磁化,磁性における基本的物理量について説明できる.
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12週 |
磁性材料(物質の磁性の種類) |
磁気モーメントの配列に基づいた磁性体の分類および,その特性について説明できる.
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13週 |
磁性材料(強磁性体の磁化機構) |
外部磁界をかけたときの強磁性体の磁化機構(磁気ヒステリシス曲線)を説明できる.
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14週 |
超伝導材料 |
超伝導現象に付いて説明でき,その応用や材料について説明できる.
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15週 |
新素材(カーボンナノチューブ等) |
カーボンナノチューブ等の最先端の素材について,そ の概略を説明できる.
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16週 |
前期末達成度試験 |
物性物理学の基本的考え方ができるか確認する.
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評価割合
| 試験 | 小テスト | 平常点 | レポート | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 10 | 0 | 40 | 0 | 100 |
配点 | 50 | 10 | 0 | 40 | 0 | 100 |