機構学

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機構学
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 工学科(専門科目:機械ロボティクス系) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:森田 鈞『機構学』,サイエンス社 ,参考書:森田 鈞『機構学』,実教出版
担当教員 堀口 勝三,門脇 廉

到達目標

機構設計の基礎である機素・対偶・連鎖を理解し,瞬間中心と速度・加速度などを求めることができる.また,ころがり接触の条件を理解して変速摩擦伝動装置を構成でき,歯車かみ合いや転位歯車,各種歯車の用途と歯車列の速比の計算,遊星歯車機構の特徴について説明できる.さらに,リンク機構やカム機構の動作を理解して設計に利用できる.これらの内容を満足することで,学習教育目標(D-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機構学序論機構・機素・対偶・連鎖を説明できる.これらを用いた運動の伝達方法を理解してその応用例を説明できる.機構・機素・対偶・連鎖,運動の伝達方法を説明できる.機構・機素・対偶・連鎖,運動の伝達方法を説明できない.
運動の軌跡と瞬間中心運動の軌跡と瞬間中心について説明でき、瞬間中心を求めることができる.3瞬間中心の定理を説明・応用できる. 運動の軌跡と瞬間中心について説明できる.運動の軌跡と瞬間中心について説明できない.
機構における速度・加速度機構における速度をベクトルの作図によって求め,速度・加速度を計算できる.機構における変位・速度・加速度の関係を説明できる.機構における速度をベクトルの作図によって求め,速度・加速度を計算できる.機構における速度・加速度を計算できない.
リンク機構てこクランク機構やスライダクランク機構について説明でき,それらの速度・加速度を計算できる.てこクランク機構やスライダクランク機構について説明でき,それらの動作を説明できる.てこクランク機構やスライダクランク機構について説明できない.
摩擦伝動装置ころがり接触を理解して設計に応用できる.変速摩擦伝動装置の原理を理解・説明できる.ころがり接触,変速摩擦伝動装置の原理を説明できる.ころがり接触,変速摩擦伝動装置の原理を説明できない.
歯車歯車歯形の機構学的必要条件,歯形に関する用語,かみ合い率,すべり率,干渉・切下げを理解し,設計に応用できる.歯車の種類,各部の名称,歯型曲線,歯の大きさの表し方,標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる.歯車歯形の機構学的必要条件,歯形に関する用語,かみ合い率,すべり率,干渉・切下げ,歯車の種類,各部の名称,歯型曲線,歯の大きさの表し方,標準平歯車と転位歯車の違いを理解・説明できる.歯車歯形の機構学的必要条件,歯形に関する用語,かみ合い率,すべり率,干渉・切下げ,歯車の種類,各部の名称,歯型曲線,歯の大きさの表し方,標準平歯車と転位歯車の違いを説明できない.
歯車列各種歯車の形状と用途を説明でき,複雑な歯車列・差動歯車機構の速度伝達比を計算できる.各種歯車の形状と用途を説明でき、基本的な歯車列・差動歯車機構の速度伝達比を計算できる.各種歯車の形状と用途を説明できず、歯車列の速度伝達比の計算をできない.
カム機構カム装置の動作,種類と用途を説明でき,カム線図を作図してカムの設計に利用できる.カム装置の動作,種類と用途を説明でき,カム線図を作図できる.カム装置の動作,種類と用途を説明できず,カム線図を作図できない.

学科の到達目標項目との関係

D D-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機構設計の基本として,力や質量は考えに入れずに,機械部品の成り立ちやその組み合わせ方法を学び,それら機構が果たす運動・伝動の役割を習得する.
授業の進め方・方法:
授業方法は講義を中心とし,適宜,演習・課題(レポート)を課すので,期限に遅れず提出すること.
注意点:
<成績評価>中間・期末の2回の試験(70%)と演習・課題(レポート)(30%)の合計100点満点で(D-1)を評価し,合計の6割以上を獲得した者を合格とする.
<オフィスアワー>放課後16:00~17:00,電子制御工学科棟2F213室(堀口),機械工学科棟2F209室(門脇).この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目はなし,後修科目は機械設計製図IIとなる.
<備考>三角定規とコンパスを用いる.数学における三角関数および初歩の微分積分学の知識,物理における変位と速度,加速度に関する知識などを必要とする.各回の講義内容を整理・復習し,理解を確実にすることが大切である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機構学序論 機構,機素,対偶,連鎖について説明できる.運動の伝達方法について理解し,その応用例を説明できる.
2週 機構の自由度 機構の自由度の概念を説明でき,機構図を基に自由度を計算できる.
3週 機構の変位と運動軌跡 機構の運動における変位と軌跡について説明できる.基礎的な機構の運動軌跡を表現できる.
4週 機構の運動における瞬間中心 瞬間中心の概念を説明でき,機構の瞬間中心を求められる.3瞬間中心の定理を説明,応用できる.
5週 機構における速度・加速度(1) 機構における速度をベクトルの作図によって求められる.機構上にある点の速度,加速度を計算できる.
6週 機構における速度・加速度(2) 機構における変位,速度,加速度の関係を説明できる.
7週 リンク機構(1) グラスホフの定理を説明できる.種々のリンク機構について説明できる.てこクランク機構におけるてこの揺動角を求められる.
8週 リンク機構(2) リンク機構における速度,加速度を計算できる.
2ndQ
9週 摩擦伝動機構 ころがり接触の条件を説明できる.摩擦伝動機構における角速度比を説明でき,摩擦車の設計に応用できる.
10週 歯車機構の基礎 歯形に関する用語を説明でき,ピッチ円直径,歯数,モジュールの関係を説明できる.歯形の機構学的必要条件について説明できる.
11週 歯車の歯形(1) インボリュート歯形について説明でき,かみあい率を計算できる.
12週 歯車の歯形(2) 歯車の干渉と切り下げ,転位歯車について説明でき,干渉を考慮した歯車設計ができる.
13週 歯車の用途,歯車列,差動歯車列 各種歯車の用途を説明できる.差動歯車列を含む歯車列について説明でき,速度伝達比を計算できる.
14週 カム機構の基礎 圧力角の概念を説明できる.カムの作用とカム線図について説明できる.
15週 カム線図とカムの設計 指定の動作を行うカム線図を作図でき,カムの設計に利用できる.
16週 期末試験 歯車機構,カム機構について説明でき,設計できる.

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
配点7030100