水理学Ⅰ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和08年度 (2026年度)
授業科目 水理学Ⅰ
科目番号 0007 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 工学科(専門科目:都市デザイン系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:日下部重幸「水理学」 コロナ社,参考書:二瓶泰雄「水理学」 講談社
担当教員 豊田 政史,酒井 美月

到達目標

以下の到達目標の達成をもって、学習・教育目標(D-1:基盤となる工学分野において、事象を理解するとともに、技術士第一次試験相当の学力を身につける),(D-2:基盤となる工学分野において、論理展開に必要な基礎問題を解くことができる)の達成とする.
(1) 水の基本的性質と水理学で用いる単位系を説明できる
(2) 静水圧について説明でき、平面と曲面に作用する水圧の大きさと作用点を計算できる
(3) 浮力と浮体の安定について計算できる
(4)流れの基礎理論(連続式、ベルヌーイの定理、運動量保存則)を理解しこれを応用した計算が出来る
(5) 層流と乱流および流体摩擦による損失について説明できる
(6) 管水路の損失および損失係数について説明でき、各種の管路の流れが計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(1)水の一般的性質について学び物理量の次元と単位に関して適切な説明ができ計算問題を解くことができる。物理量の次元と単位を適切に使い問題を解くことが出来る。教員が助言し本を見れば物理量の次元と単位を適切に使うことが出来る。最低限の到達のレベルを満たさない。
評価項目(2)静止流体中での諸問題に関する理論を学び、静水圧、作用位置、圧力分布、曲面に作用する水圧に関する説明をし、諸量を計算し解くことができる。静止流体中の諸問題について水圧分布を説明でき、面に作用する水圧について計算問題を解くことができる。教員が助言し本を見れば静止流体中の諸問題について水圧分布を説明でき、面に作用する水圧について計算問題を解くことができる。最低限の到達のレベルを満たさない。
評価項目(3)浮力と浮体の安定について安定計算のための理論について説明ができ、実際の安定計算が出来る。浮力と浮体の安定について、諸量を与えられた場合計算が出来る教員が助言し本を見れば浮力と浮体の安定について、諸量を与えられた場合計算が出来る最低限の到達レベルを満たさない
評価項目(4)流れの基礎理論において、連続式、ベルヌーイの定理、運動量保存則を理解し、これを応用した計算が出来る。諸量が与えられた場合に、連続式、ベルヌーイの定理、運動量保存則を用いて計算問題を解くことが出来る。教員が助言し本を見れば諸量が与えられた場合に、連続式、ベルヌーイの定理、運動量保存則を用いて計算問題を解くことが出来る。最低限の到達レベルを満たさない
評価項目(5)層流流れ、乱流流れを理解し、その現象について説明ができ、流体摩擦を考慮した計算問題を解くことができる層流流れ、乱流流れを理解し、その現象について説明ができる教員が助言し本を見れば層流流れ、乱流流れを理解し、その現象について説明ができる最低限の到達レベルを満たさない
評価項目(6)管水路の流れについて、摩擦以外の各種損失について理解し、損失を考慮した計算が出来る。管路の流れにおいて形状損失を考慮した計算ができる教員が助言し本を見れば管路の流れにおいて形状損失を考慮した計算ができる最低限の到達レベルを満たさない

学科の到達目標項目との関係

D D-1 説明 閉じる
D D-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
水の一般的性質の学習を通して物理量の次元と単位に関する理解を確実にし,静止流体中での諸問題に関する理論を学ぶ.水を完全流体と見做しての流れの基礎理論を理解し,簡単な流れの問題の解法を修得する.
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とし,適宜,演習問題や課題を行う.
注意点:
<成績評価>4回の確認試験と課題で(D-1),(D-2)を評価する.期末達成度試験の重みは同じとし、その比率は70%とする.課題評価は30%とする。評価結果60点以上を合格とする.
<オフィスアワー>原則として,毎週水曜日,16:00~17:00,C棟305,酒井教員室にて対応する.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>後修科目は水理学II
<備考>物理学で学んだ力学の基本法則をしっかり理解しておく事が基本となる.更に,基礎方程式から答えに到るまでに,三角関数や基本的な微分,積分を使う場合が多いため,そうした数学的基礎が確立されている必要がある.



授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 単位と次元 工学と理学それぞれの特徴を認識し,水理学的手法について理解する.水理学で用いる単位系について説明出来る.
2週 水の物理的性質 水の物理的諸性質を理解し,問題を解けるようにする.均一性と流動性、粘性などについて説明できる
3週 相似側 相似側を用いた問題が解ける.表面張力、毛管現象に関する問題が解ける.
4週 静水圧と全水圧 量としての圧力の意味を理解するとともに,圧力について説明できる.
5週 マノメータとパスカルの原理 静水圧の仕組みに基づき問題を解くことが出来る。
6週 平面に作用する静水圧 静水圧の表現、強さ、作用する方向について説明できる.平面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる.
7週 曲面に作用する水圧 曲面に作用する圧力の理論を理解する.曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる.
8週 静水圧 演習 水門,倒伏堰,止水壁,に関する問題が解ける.
2ndQ
9週 アルキメデスの定理 浮力について理解し,水理学的な視点から説明ができる.
10週 喫水と浮体の安定計算 浮体の安定計算ができる
11週 相対的静止の水面 外力が加わった場合の水面の形状について学習し、力のつりあいを利用することによって、水面形を表す式を求めることができる.
12週 流体の分類と諸量 流れの分類、常流と射流、流速の測定、流速公式に関する基礎知識を得て説明が出来る.
13週 流体の分類と流量の計算 潤辺・径深・流速・流量,水路観察、ダムを超える流れの実測(水深)によるFr等の計算が出来る.
14週 連続の式 常流と射流について説明が出来る.連続の式に基づいた計算が出来る.連続の式に基づいた演習問題を解くことが出来る.
15週 期末達成度試験
16週 前期の理解度確認 達成度試験に出題された内容について確認し説明できる
後期
3rdQ
1週 流体のエネルギー保存則 水に関するエネルギー保存則(ベルヌーイの定理)について説明が出来る.
2週 ベルヌーイの定理 演習1 ベルヌ-イの定理を適用した場合の,位置水頭,圧力水頭,速度水頭相互の関係を理解し,説明が出来る.
3週 ベルヌ-イの定理 演習2 トリチェリーの定理について理解し、問題を解くことができる.鉛直管の内圧の問題を解くことができる。
4週 ベルヌ-イの定理 演習3 ピトー管、ベンチュリメータなどベルヌーイの定理を用いた機器について説明し,問題を解くことができる.
5週 運動量方程式 流体における運動量保存則を理解し説明することが出来る.
6週 運動量方程式 演習1 噴流が壁に与える力,ノズルに加わる力の計算を解くことができる.
7週 運動量方程式 演習2 縮小管に作用する力,ゲート,堰に作用する力の計算を解くことができる.
8週 運動量方程式 演習3 運動量保存則に基づき、流体が与えるちから、流体に与えられる力について演習問題を解くことができる.
4thQ
9週 オリフィス 1 孔口からの流出の理論を理解し,説明することが出来る.
10週 オリフィス 2 排水時間や水位に関する理論を理解し、演習問題を解くことができる.
11週 水門と堰 矩形ぜき,三角堰の仕組みを理解し、流量公式を導出できる.水門からの流出について流量を計算することが出来る.
12週 管水路ながれ 摩擦損失 摩擦損失水頭を考慮したベルヌーイ式について説明することが出来る.
13週 平均流速公式 管路の平均流速を各種公式を用いて計算することが出来る.
14週 形状損失と管路流れ 損失とエネルギー線 管路の各種形状による損失を求めることが出来る.摩擦および形状損失を含めた管路の流れについてエネルギー線を描くことができる.
15週 学年末達成度試験
16週 後期の理解度確認 達成度試験に出題された内容について確認し説明できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。4前1,前2,前3
静水圧と全水圧を説明でき、平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。4前4,前5,前6,前7,前8
浮力と浮体の安定を計算できる。4前9,前10
連続の式を説明できる。4前12,前13,前14
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用した計算ができる。4後2,後3,後4
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。4後1,後5,後6,後7,後8
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深、跳水現象を説明できる。4前3,前12
層流と乱流、流体摩擦による損失を説明できる。4後12
管水路の摩擦以外の各種の損失係数を説明でき、管水路の流れを計算できる。4後12,後14

評価割合

試験小テスト平常点課題その他合計
総合評価割合7000300100
配点7000300100