物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 0018 科目区分 一般 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 工学科(一般科目:全系共通) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】「初歩から学ぶ基礎物理学 力学I」大日本図書,「ニューグローバル 物理基礎+物理」東京書籍,「フォトサイエンス物理図録」数研出版 / 【参考書】「基礎物理学」学術図書出版社
担当教員 奥村 紀浩

到達目標

速度と加速度を理解し,物体の運動を表現できること.力とそのつり合いを理解し,運動の法則を説明できること.仕事とエネルギーを理解し,力学的エネルギー保存則を説明できること.力積と運動量を理解し,衝突現象に応用できること.これらの内容を満足することで,学習・教育目標の(C-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
物体の運動に関する評価項目速度と加速度を理解し,物体の運動を表現することが十分にできる.速度と加速度を理解し,物体の運動を表現することが6割程度できる.速度と加速度を理解し,物体の運動を表現することができない.
力と運動方程式に関する評価項目力とそのつり合いを理解し,運動の法則を説明することが十分にできる.力とそのつり合いを理解し,運動の法則を説明することが6割程度できる.力とそのつり合いを理解し,運動の法則を説明することができない.
力学的エネルギーに関する評価項目仕事とエネルギーを理解し,力学的エネルギー保存則を説明することが十分にできる.仕事とエネルギーを理解し,力学的エネルギー保存則を説明することが6割程度できる.仕事とエネルギーを理解し,力学的エネルギー保存則を説明することができない.
運動量に関する評価項目力積と運動量を理解し,衝突現象を説明することが十分にできる.力積と運動量を理解し,衝突現象を説明することが6割程度できる.力積と運動量を理解し,衝突現象を説明することができない.

学科の到達目標項目との関係

C-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
(1)物体の運動を数学的に記述する.(2)運動方程式を用いた解析を通して,力と運動の関係について学ぶ.(3)エネルギーの基本的な概念を学習する.(4)運動量を導入して,衝突現象に応用する.
授業の進め方・方法:
・授業方法は,概要説明と例題演習(グループワークを含む)とを繰り返しながら,確認テストなどで振り返る.
・適時,レポート課題を課すので,期限内に提出すること.
・本科目では BYOD パソコンを持参すること.
注意点:
<成績評価>試験(70%),授業中の問題演習・小テストおよびレポート課題(30%)の合計100点満点で(C-1)を評価し,評価結果60点以上を合格とする.
<オフィスアワー>水曜日 16:00~17:00,電気電子・機械工学科棟3F 315 奥村教員室(必要に応じて来室可).
<先修科目・後修科目>先修科目:ベーシックサイエンスラボ,後修科目:物理Ⅱ
<備考>自然現象を論理的に理解し,説明できる能力が求められる.このため,数学的に記述する能力が必要となる.教科書BやCを有効に活用し,復習を習慣付けること.その際,様々な現象に対して,自分の頭で考える訓練を積むことが大切である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 運動の記述:変位,速度,加速度 変位,速度,加速度の概念を再確認する.これらを自分の言葉で定義でき,v-tグラフなどとの関連性を説明できる.
2週 運動の記述:等加速度直線運動
グラフ,数式を用いて等加速度直線運動を説明できる.
3週 運動の記述:等加速度直線運動の応用 等加速度直線運動の応用問題を解くことができる.
4週 運動の記述:速度の合成と分解,成分,相対速度
速度をベクトルで表し,速度の合成と分解を理解して,その成分を計算できる.相対速度を求めることができる.
5週 運動の記述:鉛直方向の落下運動,放物運動
前週の応用として,自由落下,鉛直投射などの落下運動を,鉛直方向と水平方向の直線運動の合成として説明できる.
6週 力の理解:いろいろな力
力の概念を理解し,重力,弾性力,張力,垂直抗力,摩擦力、浮力について説明できる.
7週 力の理解:2力のつり合いと作用・反作用
2力のつり合いの条件を理解し,作用・反作用の法則と区別して説明できる.
8週 力の理解:力の分解,合成,つり合い
力をベクトルで表し,力の合成と分解の説明ができる.また力の成分を計算でき,複数の力のつり合いが説明できる.
2ndQ
9週 力の理解:摩擦力が作用する水平面上,斜面上でのつり合い
静止摩擦力や動摩擦力が説明できる。摩擦力が作用する物体の水平面上や斜面上での力のつり合いが説明できる.
10週 総合演習:運動の記述,力の理解 運動の記述や力の理解の内容について,振り返りまとめる
11週 力と運動の統合:ニュートンの運動の3法則
慣性の法則,運動の法則,作用・反作用の法則を説明できる.
12週 力と運動の統合:運動方程式
運動方程式を理解し,なめらかな水平面上の運動に適用できる.
13週 力と運動の統合:合力と運動方程式
物体にはたらく力の全てを合成して合力を求め,運動方程式を立てて解くことができる.一例として,斜面上の運動を解析できる.
14週 運動方程式:摩擦力がはたらくときの運動
あらい面上の運動を,運動方程式を立てて説明できる.
15週 運動方程式:接触した複数の物体の運動
接触した二つ以上の物体が関わる運動を,運動方程式を立てて説明できる.
16週 前期末達成度試験 前期の学習の達成度をチェックする.
後期
3rdQ
1週 運動方程式:糸でつながれた2物体の運動
糸でつながれた2物体の運動を,運動方程式を立てて説明できる.
2週 総合演習:運動方程式 運動方程式について振り返りまとめる
3週 力学的エネルギー:仕事と仕事率
移動の向きも含めた仕事の定義を自分の言葉で説明できる.
4週 力学的エネルギー:運動エネルギー,エネルギーの原理
運動エネルギーを求め,エネルギーの原理を説明できる.
5週 力学的エネルギー:位置エネルギー,仕事の原理
重力による位置エネルギー,弾性力による位置エネルギーを求め,仕事の原理を説明できる.
6週 力学的エネルギー:力学的エネルギー保存の法則
力学的エネルギー保存の法則を説明できる.
7週 力学的エネルギー:エネルギー保存則の応用(1)
力学的エネルギー保存則を用いて,重力や弾性力がはたらく様々な運動を説明できる.
8週 力学的エネルギー:エネルギー保存則の応用(2)
摩擦力がはたらくような場合でも,拡張された力学的エネルギー保存則を用いて運動を説明できる.
4thQ
9週 総合演習:運動方程式と力学的エネルギー 力と運動,仕事とエネルギーを振り返りまとめる.
10週 運動量:力積と運動量
力積と運動量の関係をベクトルを用いて説明できる.
11週 運動量:運動量保存則
運動量保存則を導き,これを用いて直線上の衝突現象を説明できる.
12週 運動量:平面上での衝突
平面内での衝突をベクトルを用いて表現できる.
13週 運動量:物体の合体と分裂
運動量保存則を用いて,物体の合体と分裂を説明できる.
14週 運動量:はね返り係数
はね返り係数を理解し,壁や床との衝突,2物体の衝突に適用できる.
15週 総合演習:運動量保存則 運動量保存則と衝突現象を振り返りまとめる.
16週 学年末達成度試験 1年間の学習の達成度をチェックする.

評価割合

試験小テストレポート(課題)その他合計
総合評価割合7015150100
配点7015150100