科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 倫理
科目番号 0021 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書として、『倫理』(竹内整一ほか、東京書籍)を指定する。
また、資料集として、『最新図説 倫理』(浜島書店)も指定する。
その他、必要に応じて学習材(プリント等)を配布する。
担当教員 小早川 裕悟

到達目標

①日本を含む世界の宗教について理解できる。
②世界の哲学者や思想家が示した思想について理解できる。
③聞き手を考えたプレゼンテーションを行い、現代の倫理的諸問題について自ら考え、その考えを論理的に聞き手に伝えることができる。
岐阜高専ディプロマポリシー:(A)及び(C)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標①日本及び世界の宗教に関する問題を正しく理解し、応用的に考えることができる。日本及び世界の宗教に関する問題を理解できる。日本及び世界の宗教に関する問題を理解できない。
到達目標②世界の哲学者や思想家が示した思想に関する問題を正しく理解し、応用的に考えることができる。世界の哲学者や思想家が示した思想に関する問題を理解できる。世界の哲学者や思想家が示した思想に関する問題を理解できない。
到達目標③プレゼンテーションにより、現代の倫理的諸問題に対して自発的に思考し、論理的に説明することができる。プレゼンテーションにより、現代の倫理的諸問題に対して思考し、説明することができる。プレゼンテーションにより、現代の倫理的諸問題に対して思考できず、説明することもできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
倫理とは、思想だけではなく、現代社会や環境問題などの現代の問題とも結びつく学問である。 
前期授業では、様々な宗教や思想などを学び、人権や幸福などが保障されている現代国家及び人間形成といかに結びついているかを理解する。後期授業では、現代の諸問題を具体的に取り上げ、グループワークなどに取り組むことにより、倫理的思想が与えている影響を学生自身が考え、学生の倫理的思考力の定着を図る。また、発表では、各自で課題を設定し、パワーポイントを作成する。そのため、発表内容はもちろんのこと、聞き手を意識した取り組みや意識が求められる。
以上により、倫理を題材とした様々な思想の定着により、現代社会において発生する事象を様々な視点からの分析ができるようになることを本授業の目的とする。さらに、プレゼンテーションを通して、今日の技術者に求められる多様な観点からの分析と自らの考えを的確に伝える力を養成する一助となることも目的の1つとして設定する。
授業の進め方・方法:
本授業は、教員による講義やグループワーク・プレゼンテーションなどのアクティブ・ラーニングを組み合わせ、倫理の基本的知識・考えを習得する。
(事前準備の学習)教科書に目を通しておくこと。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
前期の授業内容を後期で使用することや発表内容を定期試験で出題することもあるため、授業内容・発表内容をノートにとることを推奨する。また、グループワークなどにおいては教員の指示をしっかりと聞き、教員の要求に対応していくことが必要となる。
授業内容を確実に身につけるため、予習復習が必須である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期授業ガイダンス及びアイデンティティ
<ALのレベルB>
アイデンティティとは何かを理解する。
2週 自己理解1(青年期)
<ALのレベルC>
青年期における自我を理解する。
3週 自己理解2(自己理解)
<ALのレベルC>
青年期における自己理解のあり方を理解する。
4週 古代ギリシア思想
<ALのレベルC>
ソクラテス・プラトン・アリストテレスの思想とそれぞれの違いを理解する。
5週 キリスト教
<ALのレベルC>
キリスト教の基本的思想を理解する。
6週 イスラム教
<ALのレベルC>
イスラム教の基本的思想を理解する。
7週 仏教と日本の信仰
<ALのレベルC>
仏教の基本的思想を理解し、日本の信仰面に与えた影響を理解する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 中国の古代思想
<ALのレベルC>
主立った古代中国の思想を理解する。
10週 ルネサンスと近代科学の成立
<ALのレベルC>
ルネサンス以降における近代科学の成立を哲学思想の側面から理解する。
11週 社会契約説1(絶対王政、市民革命、ホッブズ)
<ALのレベルC>
絶対王政の崩壊の過程を思想面から理解する。
12週 社会契約説2(ロック、ルソー)
<ALのレベルC>
絶対王政後に現われた社会契約説を理解する。
13週 功利主義(ベンサム、ミル)
<ALのレベルC>
ベンサム、ミルの思想を理解し、現代経済に結びつける。
14週 社会主義(マルクス)
<ALのレベルC>
マルクスの思想を学び、資本主義との違いを理解する。
15週 期末試験
16週
後期
3rdQ
1週 後期授業ガイダンス及び日本における倫理的思想の導入
<ALのレベルC>
「八百万神」などの日本人独特の宗教観を理解する。
2週 日本の宗教1(古代)
<ALのレベルC>
飛鳥・奈良期における日本の宗教観を理解する。
3週 日本の宗教2(中世)
<ALのレベルC>
中世期における日本の仏教の違いを理解する。
4週 日本の思想1(近世)
<ALのレベルC>
江戸期における日本の思想の変遷を理解する。
5週 日本の思想2(明治)
<ALのレベルC>
明治期の西洋思想の流入による思想の変遷を理解する。
6週 デカルトの思想1
<ALのレベルB>
デカルトの思想が、現代世界の中でどのように反映されているかを理解する。
7週 デカルトの思想2
<ALのレベルA>
デカルトの思想が、現代世界の中でどのように反映されているかを考え、発表し、他者の意見を理解する。
8週 中間試験
4thQ
9週 日本の思想3(大正期以降)
<ALのレベルC>
大正期以降における近現代日本の思想のあり方を理解する。
10週 現代の倫理的諸問題(生命・環境)
<ALのレベルC>
現代社会における生命倫理上及び環境上の問題を理解する。
11週 現代の倫理的諸問題2(グループワーク)
<ALのレベルB>
現代社会における倫理的諸問題について、学生各自が考え、解決策を説明できる。
12週 倫理的諸問題に関するプレゼンテーション1
<ALのレベルA>
学生各自が設定した倫理的諸問題を調査し、パワーポイントによる報告により、倫理的知見を深める。
13週 倫理的諸問題に関するプレゼンテーション2
<ALのレベルA>
学生各自が設定した倫理的諸問題を調査し、パワーポイントによる報告により、倫理的知見を深める。
14週 倫理的諸問題に関するプレゼンテーション3
<ALのレベルA>
学生各自が設定した倫理的諸問題を調査し、パワーポイントによる報告により、倫理的知見を深める。
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。2前14,後4,後5
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。2後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3前7,前10,前11,前12,後11,後12,後14
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後14

評価割合

試験課題・報告ノート提出合計
総合評価割合1404020200
前期702010100
後期702010100