概要:
歴史教科では、資料における記述を客観的に捉え、広い視野に立ち、主体的に生きる平和な社会の形成者として必要な資質・教養を身につけることを目標とします。特に日本史においては、以下の3点を目標とします。➀日本の歴史展開に関わる諸事象について、総合的に捉え、諸資料から様々な情報を適切かつ効果的に調べまとめる力をつける。➁我が国の歴史の展開に関わる事象の意味や意義、伝統と文化、思想の特色などを、時期や相互連関、外国との関わりや、現在へのつながりなどに考慮して、多角的に理解し、説明・議論する力をつける。➂以上を通して、自分が今後、よりよい未来のためにどのように生き、何をすべきかを考え、実現していくための資質・教養を身につける。そして特に、江戸時代までと西洋近代化以降における大きな文明的転換の意味を深く認識した上で、現代社会の諸問題を理解し、未来社会に向けて自分なりの貢献をするという意識を形成することを重視します。
授業の進め方・方法:
授業は、初めは講義式を主体としますが、その中で講義する側と生徒の双方が学習のプロセスに関わるように行い、受け身ではなく、各自が自身につながる問題として過去の事績を主体的に理解できるように進めます。前期は基本的に、試験に直結するプリント書き込み式解説講義と、パワーポイント等を用いた特論的な解説講義を、並行して行い、コメントシートや発言により自己の考察などを述べてもらいます。また後期には、各人の問題意識によって選んだ歴史的な出来事や問題についてのプレゼンテーションを行ってもらいます。夏期休業中の課題として個人で調べて、分かり易くまとめ、皆に理解してもらえるよう工夫して発表する中で、発表内容だけでなく、背景や関連事項なども広く理解して表現力も身につけられるように意識して取り組みましょう。授業の前半に3,4人に発表してもらい、授業の後半にはプリント書き込み式解説講義を行うことを基本とします。「教室における誰もが敬意を持って扱われる」「教室の学びは個人だけでなく周囲との関わりによって促進される」ということを常に念頭に置き、互いに敬意を持ち合って、授業に取り組みましょう。
(事前準備の学習)「授業計画」の各回に関係する教科書事項を読み、分からない用語を調べる。
英語導入計画:なし
注意点:
授業内容や発表内容は、ノートやプリントに記し、ファイルするなど必ず整理して、いつも復習・参照のために通読できる状態にしておきましょう。そうすることで定期考査対策がより容易になります。中間期末考査前に全員のファイルチェックを行います。後期に実施する個人発表では、講師の指示をよく聞き、それに対応しつつも各自が自由に夏期休業中に進め、自己の興味を掘り下げ、内容が適切で興味深く分かりやすい発表を実現できるよう、取り組んでゆきましょう。
授業内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須となります。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
前期イントロダクションと現代の諸問題、及び過去の日本における民衆救済活動について (ALのレベルC) |
授業の目標・進め方・評価方法、現代日本の諸問題、前近代日本の宗教者による公共的活動や社会福祉活動を理解する。
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2週 |
旧石器時代 研究と史実と教育 (ALのレベルC) |
旧石器時代の日本について理解し、また研究の現場と史実、学校教育での学びについてなどを考察する。
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3週 |
縄文・弥生・古墳時代 神話的世界観と史実 (ALのレベルC) |
日本古代史の要点、古代製鉄関連研究、古事記の概略、南宮大社について解説し、神話的世界観と史実の対応を理解する。
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4週 |
飛鳥・奈良時代・平安時代 仏教伝来/コメントシート記述① (ALのレベルC) |
飛鳥・奈良・平安時代の概要と、仏教伝来、および行基の事績について理解する。
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5週 |
平安時代 藤原摂関政治・刀伊の入寇 (ALのレベルC) |
平安時代の藤原摂関政治の経緯、文化、及び藤原隆家の刀伊の入寇への対応に注目、武士の発生と成長についても理解する。
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6週 |
鎌倉時代 (ALのレベルC) |
鎌倉幕府の成立と、元寇への朝廷・幕府の対応、および仏教戒律復興運動における叡尊ら律僧の活動について理解する。
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7週 |
鎌倉期の仏教、元寇への対策、前期中間試験対策/ファイルチェック/コメントシート記述② (ALのレベルC) |
鎌倉期の仏教・公武と宗教による元寇への対策、コメントシート記入、および前期中間テスト対策プリントによる学習。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
室町(戦国)時代 (ALのレベルC) |
室町時代や戦国期における日本社会の極限状況と人々の対応の諸相について理解する。
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10週 |
江戸時代前期⑴ 幕藩体制の成立過程 (ALのレベルC) |
徳川幕藩体制成立過程の政治社会の概要、および木曽三川治水事業などの例を通して幕府の統治のあり方を具体的に理解する。
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11週 |
江戸時代前期⑵思想・文化・生活、仏教戒律復興運動 (ALのレベルC) |
江戸時代前期の政治・思想・文化、および近世仏教戒律復興運動について理解する。
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12週 |
江戸時代の思想・文化・生活 (ALのレベルC) |
江戸時代の思想・文化・生活について、政治的背景とともに、資源利用の特徴やリサイクルに着目して具体的に理解する。
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13週 |
江戸時代における危機と対処、800字小論文 (ALのレベルC) |
江戸時代の飢饉・疫病・災害と対処について背景を含め理解する。/江戸時代の既習事項に関する考察する(800字以内で筆記)。
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14週 |
室町時代から江戸時代中期の復習と近世仏僧の活躍/ファイルチェック/コメントシート記述③ (ALのレベルC) |
室町時代から江戸時代中期までの既習範囲を復習し、また近世期仏僧の活躍について具体的に理解する。コメントシートの記述。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
日本史自由課題プレゼンテーション➀/江戸時代の対外政策 (ALのレベルA) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける。/江戸時代の対外政策を理解する。
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2週 |
日本史自由課題プレゼンテーション➁/倒幕と開国 (ALのレベルA) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける。/倒幕と開国について理解する。
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3週 |
日本史自由課題プレゼンテーション➂/明治時代の政治 (ALのレベルA) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける。/明治近代化の過程について理解する。
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4週 |
日本史自由課題プレゼンテーション➃/近代化と宗教 (ALのレベルA) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける。/神仏分離政策など宗教政策に理解する。
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5週 |
日本史自由課題プレゼンテーション➄/明治・大正 文化的展開 (ALのレベルA) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける。/西洋近代思想・文化・制度の受容について、特に岡倉天心、夏目漱石、柳宗悦の言説活動を軸に理解する。
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6週 |
日本史自由課題プレゼンテーション➅/昭和の大戦と国民 (ALのレベルA) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける。/第二次世界大戦における一般の人々の状況を、諸記録や大岡昇平『野火』などを通して理解する。
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7週 |
日本史自由課題プレゼンテーション➆/コメントシート/ファイルチェック、中間試験対策プリント (ALのレベルA) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける。コメントシート筆記、ファイルチェック、中間試験対策書き込み式プリントの実施。
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8週 |
中間試験
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4thQ |
9週 |
日本史自由課題プレゼンテーション➇/平成・令和 災害 (ALのレベルA) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける。/大震災等における極限状況や互助・利他行動の諸事例を基に生存について考察する。
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10週 |
日本史自由課題プレゼンテーション➈/戦後日本の再構築 (ALのレベルA) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける。/戦後日本の再構築や世界との関わりについて理解する。
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11週 |
日本史自由課題プレゼンテーション➉/高度経済成長と停滞、様々な問題 (ALのレベルA) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける。/高度経済成長から経済力の低下、および科学技術の進歩と問題について理解する。
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12週 |
日本史自由課題プレゼンテーション⑪/昭和・平成・令和の文化・宗教⑴ (ALのレベルA) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける。/戦後から現代の文化について、合理主義思想と宗教に注目しその特質を理解する。
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13週 |
日本史自由課題プレゼンテーション⑫予備回/昭和・平成・令和の文化・宗教⑵ (ALのレベルC) |
日本史の任意の問題を調べ個人発表することを通し内容を深く理解しプレゼン力をつける(予備回)。/大衆文化と商業主義、現代芸術の特質や意味について理解する。
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14週 |
高齢化社会に向けて/コメントシート /ファイルチェック/期末試験対策プリント (ALのレベルC) |
現在から将来にわたる高齢化社会の特質や問題を理解する。コメントシート、ファイルチェック、期末試験対策。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 3 | |
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。 | 3 | |
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。 | 3 | |
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。 | 3 | |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 3 | |