機械工作法Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機械工作法Ⅰ
科目番号 0029 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「絵とき機械工学のやさしい知識」、(小町弘 他、オーム社、1990)、「機械工作法(増補)」(平井三友 他、コロナ社、2000)、適宜プリント配布、数学AⅠ、数学AⅡ、および数学Bの講義で指定されている教科書と問題集
担当教員 宮藤 義孝

到達目標

機械工作法Ⅰでは応力-ひずみ線図、各種切削加工法と研削加工法、NC工作機械について理解を深め、機械設計技術者、あるいは機械生産技術者としての素養を身に着けることを目標とする。
① 応力-ひずみ線図を理解する。
② 応力-ひずみ線図に基づく金属材料の機械的性質を理解する。
③ 切削加工の工程概要・特徴を理解する。
④ 2次元切削の図を描き、力学的諸式の導出による切削抵抗を理解する。
⑤ フライス盤の原理やフライス加工の切削理論について理解する。
⑥ フライス盤の回転数や送り速度を理解する。
⑦ 研削加工、ボール盤加工の加工原理を理解する。
⑧ NC工作機械のシステムと加工原理を理解する。
なお、機械工作の修得に必要な演習と課題を行う。
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1応力-ひずみ線図を助言なしで書いて説明することができる。応力-ひずみ線図を、助言を受けながら書いて説明することができる。応力-ひずみ線図を、助言を受けても書いて説明することができない。
評価項目2応力-ひずみ線図に基づく金属材料の機械的性質を表す用語を助言なしで説明できる。応力-ひずみ線図に基づく金属材料の機械的性質を表す用語を、助言を受けながら説明できる。できる。 応力-ひずみ線図に基づく金属材料の機械的性質を表す用語を、助言を受けても説明できない。
評価項目3切削加工の工程概要・特徴を助言なしで説明できる。 切削加工の工程概要・特徴を、助言を受けながら説明できる。切削加工の工程概要・特徴を、助言を受けても説明できない。
評価項目42次元切削の図を描き、力学的諸式の導出により、助言なしで切削抵抗を計算できる。できる。 2次元切削の図を描き、力学的諸式の導出により、助言を受けながら切削抵抗を計算できる。2次元切削の図を描き、力学的諸式の導出により、助言を受けても切削抵抗を計算できない。
評価項目5フライス盤の原理やフライス加工の切削理論を助言なしで説明できる。フライス盤の原理やフライス加工の切削理論を、助言を受けながら説明できる。フライス盤の原理やフライス加工の切削理論を、助言を受けても説明できない。
評価項目6フライス盤の回転数や送り速度を助言なしで計算できる。 フライス盤の回転数や送り速度を、助言を受けながら計算できる。フライス盤の回転数や送り速度を、助言を受けても計算できない。
評価項目7研削加工、ボール盤加工に関する加工原理を助言なしで説明できる。研削加工、ボール盤加工に関する加工原理を、助言を受けながら説明できる。研削加工、ボール盤加工に関する加工原理を、助言を受けても説明できない。
評価項目8NC工作機械のシステムと加工原理を助言なしで説明できる。NC工作機械のシステムと加工原理を、助言を受けながら説明できる。NC工作機械のシステムと加工原理を、助言を受けても説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械工作法Ⅰでは応力-ひずみ線図、各種切削加工法と研削加工法、NC 工作機械について理解を深め、機械設計技術者、あるいは機械生産技術者としての素養を身に着けることを目標とする。
授業の進め方・方法:
・授業は、教室における解説が中心である。基本は教科書であるが、技術が多岐に渡るため配布資料と板書による授業が中心となる。教科書と板書を中心に行うので、各自学習ノートを充実させること。
・実習工場で行う実習科目と密接な関連があるため、各自で関連付けを行い理解に努め深めること。
・授業にはビデオを用いることがある。視聴後必要によりディスカッションを行う。
・(事前準備の学習)ものづくり入門・機械工学実習Ⅰの復習をしておくこと。
・英語導入計画:Technical terms
※ 設計技術者3級試験の機械工作法に関する問題が6割以上正答できる技術者の育成を目指している。
注意点:
実習工場で行う実習科目と密接な関連があるため、各自で関連付けを行い理解に努め深めること。
授業にはビデオを用いることがある。視聴後必要によりディスカッションを行う。
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である。
授業中の演習問題や課題自体は、そのまま総得点率には反映されることはないが、課題は定期試験の出題範囲であるので、定期試験を介して総得点率に反映される。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械加工法の分類と特徴・機械技術者の分類と役割・機械技術者の責任と倫理 (ALのレベルC) 機械加工法の分類と特徴を理解する。機械技術者の責任と倫理について説明できる。
2週 応力とひずみの概念、弾性変形と塑性変形(ALのレベルB) 応力とひずみの概念について説明できる。
3週 旋削盤加工の概要とその切削加工について (ALのレベルC) 旋削盤加工の概要とその切削加工について説明できる。
4週 2次元切削(せん断切削理論)理論 (ALのレベルC) 2次元切削(せん断切削理論)理論について説明できる。
5週 切削比、理論に伴う切削抵抗力の3成分、切削動力 (ALのレベルB) 切削比、理論に伴う切削抵抗力の3成分、切削動力を求めることができる。
6週 工具材料と工具寿命、切削速度と最適速度 (ALのレベルC) 工具材料と工具寿命について説明できる。
7週 中間試験
8週 構成刃先とその対策・切削面における幾何学的な表面粗さの導出 (ALのレベルC) 構成刃先の発生原理・表面粗さ・面の肌について説明ができる。
2ndQ
9週 アップカッティングとダウンカッティング切り屑厚さについて、数学演習 (ALのレベルC) アップカッティングとダウンカッティングについて説明できる。
10週 研削加工における研削技術と研削理論、研削比、数学演習 (ALのレベルC) 研削技術と研削理論について説明できる。
11週 鋳造の特徴、鋳造の用途、数学演習 (ALのレベルC) 鋳造の特徴、鋳造の用途について説明できる。
12週 鋳造の工程、模型の材質・性質・種類、数学演習 (ALのレベルB) 模型の材質・性質・種類を理解し、鋳造の工程について説明できる。
13週 ボール盤加工、ドリル、 タップ、リーマー加工、ホーニング加工、数学演習 (ALのレベルB) ボール盤加工、ドリル、 タップ、リーマー加工と切削油の役割、ホーニング加工について説明できる。
14週 歯切り盤、 片削り盤、ブローチ盤、NC工作機械(加工プログラミング)、数学演習(ALのレベルC) 歯切り盤、 片削り盤、ブローチ盤について理解し、NC工作機械(加工プログラミング)について説明ができる。
15週 期末試験
16週 第15回:期末試験の解答・解説など

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。4
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。4
鋳物の欠陥について説明できる。4
溶接法を分類できる。4
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。4
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。4
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。4
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
試験得点100100