材料力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料力学Ⅰ
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 材料力学 第3版 新装版(黒木剛司郎・友田陽,森北出版,2019)
担当教員 小栗 久和

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①応力とひずみ及び両者の関係が理解できる.
②軸荷重の作用する真直棒の応力と変形が求められる.
③ねじりモーメントの作用する丸棒の応力と変形が求められる.
④静定はりのせん断力,曲げモーメントが求められる.
⑤静定はりの応力が求められる.
⑥静定はりのたわみが求められる.
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1応力とひずみ及び両者の関係が8割以上正確に理解できる.応力とひずみ及び両者の関係が6割以上正確に理解できる.応力とひずみ及び両者の関係が理解できない.
評価項目2軸荷重の作用する真直棒の応力と変形を8割以上正確に解くことができる.軸荷重の作用する真直棒の応力と変形を6割以上正確に解くことができる.軸荷重の作用する真直棒の応力と変形を解くことができない.
評価項目3ねじりモーメントの作用する丸棒の応力と変形を8割以上正確に解くことができる.ねじりモーメントの作用する丸棒の応力と変形を6割以上正確に解くことができる.ねじりモーメントの作用する丸棒の応力と変形を解くことができない.
評価項目4静定はりのせん断力,曲げモーメントを8割以上正確に求めることができる.静定はりのせん断力,曲げモーメントを6割以上正確に求めることができる.静定はりのせん断力,曲げモーメントを求めることができない.
評価項目5静定はりの応力を8割以上正確に求めることができる.静定はりの応力を6割以上正確に求めることができる.静定はりの応力を求めることができない.
評価項目6静定はりのたわみを8割以上正確に求めることができる.静定はりのたわみをほぼ正確に求めることができる.静定はりのたわみ求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料(主に金属材料)の弾性的な性質を理解し,引張・圧縮,ねじり,曲げが作用する部材に生じる応力や変形の求め方,安全寸法等の計算方法を習得する.この学習により機械や構造物を構成する部材の応力・変形を求めることが出来、基礎的な強度設計能力を身に付けることが出来る。
授業の進め方・方法:
授業は前期はTeamsにより授業資料を示しながら解説する。後期は教科書を参考にしながら,板書を中心に行う.
・授業中,学習内容の理解度を確認する例題を出題するので自ら解答し,復習すること.
・英語導入計画:Technical terms
注意点:
・授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である.
・2年生の数学の微分積分学は十分復習しておくこと.
・遅刻した場合,必ず教員にその旨申し出ること.
・学習・教育目標:(D-2)100%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料力学とは 材料力学の目的,使用単位(ALレベルのC) 材料力学の目的、使用するSI単位について理解できる。
2週 応力とひずみ1 外力と内力,垂直応力(ALレベルのC) 外力と内力、垂直応力の意味が理解でき、応力の計算が出来る。
3週 応力とひずみ2 せん断応力、変形とひずみ(ALレベルのC) せん断応力、縦ひずみ・せん断ひずみの意味が理解でき、せん断応力・ひずみが計算出来る。
4週 応力とひずみ3 横ひずみ、フックの法則と弾性係数(ALレベルのC) 横ひずみおよび縦ひずみとの比例係数であるポアソン比及び応力ひずみ関係が理解でき、弾性係数を使った応用問題が解ける。
5週 応力とひずみ5 材料試験、許容応力と安全率(ALレベルのC) 材料試験の目的と種類について理解できる。また、引張試験方法と試験から得られる機械的性質の評価方法が理解できる。さらに、材料試験から得られる種々の材料強度から、許容応力を求める方法が理解できる。
6週 引張力を受ける真直棒1 変断面棒の応力と変形,物体力の作用する棒の応力と変形(ALレベルのC) 断面が変化する棒及び物体力が作用する棒の応力と変形を求めることが出来る。
7週 引張力を受ける真直棒2 引張圧縮の不静定問題(ALレベルのC) 棒の引張・圧縮の不静定問題の意味が理解でき、問題を解くことが出来る。
8週 引張力を受ける真直棒3 熱応力(ALレベルのC) 両端を固定された棒の温度変化による応力を計算することが出来る。
2ndQ
9週 引張力を受ける真直棒4 残留応力・初期応力(ALレベルのC) 残留応力・初期応力に関する問題を解くことが出来る。
10週 ねじり1 中実丸棒のねじり(ALレベルのC) 中実丸棒のねじりによる変形と応力の求め方が理解でき、計算することが出来る。
11週 ねじり2 中空丸棒・変断面丸棒のねじり(ALレベルのC) 中空丸棒、変断面棒にねじりのねじりによる変形と応力が理解でき、計算することが出来る。
12週 ねじり3 ねじり不静定問題(ALレベルのC) ねじり不静定問題を解くことが出来る。
13週 ねじり4 伝動軸の設計(ALレベルのC) 伝動軸に生じるねじりモーメントが計算出来、安全直径を計算することが出来る。
14週 ねじり5 コイルばねの応力と変形(ALレベルのC) コイルばねに生じる応力と変形求め方が理解でき、計算することが出来る。
15週 期末試験
16週 期末試験の解答と解説
後期
3rdQ
1週 はりに働く力1 はりの種類,はりの反力(ALレベルのC) はりの種類と反力の求め方が理解出来、計算することが出来る。
2週 はりに働く力2 せん断力と曲げモーメント,SFDとBMD(ALレベルのC はりのせん断力と曲げモーメントの意味、計算方法と図示法が理解できる。
3週 はりに働く力3 片持ちはりのせん断力と曲げモーメントの演習(ALレベルのC) 様々な荷重が作用する片持ちはりのせん断力図と曲げモーメントを描くことが出来る。
4週 はりに働く力4 両端支持はりのせん断力と曲げモーメントの演習(ALレベルのC) 様々な荷重が作用する両端支持はりのせん断力図と曲げモーメントを描くことが出来る。
5週 はりの曲げ応力1 はりの変形と応力・重心と断面二次モーメント(ALレベルのC) はりの変形と応力の求め方が理解でき、断面の重心と断面二次モーメントの計算方法が理解できる。
6週 はりの曲げ応力2 重心と断面二次モーメント(ALレベルのC) 様々なはりの断面形状の、重心と断面二次モーメントが計算出来る。
7週 はりの曲げ応力3 はりの曲げ応力の演習(ALレベルのC) はりの曲げ応力の求め方が理解できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 はりの曲げ応力4 複雑な図形の断面二次モーメント(ALレベルのC) 複雑な図形の断面二次モーメントの求め方が理解でき、計算出来る。
10週 はりの曲げ応力5 変断面はりの曲げ応力(ALレベルのC) 平等強さのはりの考え方が理解でき、断面寸法の式を求めることが出来る。
11週 はりのたわみ1 たわみ曲線の基礎式(ALレベルのC) はりのたわみの基本式が理解出来る。
12週 はりのたわみ2 たわみ曲線の基礎式の解法と境界条件・片持ちはりのたわみ曲線(ALレベルのC) 片持ちはりのたわみ曲線を求めることが出来る。
13週 はりのたわみ3 両端支持はりのたわみ曲線(ALレベルのC) 両端支持はりのたわみ曲線を求めることが出来る。
14週 はりのたわみ4 はりの総合演習(ALレベルのC) 様々なはりのたわみ曲線を求めることが出来る。
15週 期末試験
16週 期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4
力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3後7
仕事の意味を理解し、計算できる。3
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3
許容応力と安全率を説明できる。4
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
得点100100