応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0057 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:講義と演習 理工系 基礎力学(高橋正雄・共立出版)
参考書:第5版 基礎物理学(原康夫・学術図書)
担当教員 片峯 英次

到達目標

以下の項目を到達目標とする。
①質点の力学問題に対して,微分・積分を用いた力学の運動法則を理解する。
②質点の力学問題に対して,運動方程式を導出し,質点の運動挙動を調べる。
③質点の力学問題に対して,仕事とエネルギー,力学的エネルギー保存則,運動量保存則について理解する。
④質点の力学問題に対して,等速円運動, 単振動などの基本的な運動について理解する。
⑤剛体の力学問題に対して,剛体の釣り合い,剛体の重心,剛体の回転運動について理解する。

岐阜高専ディプロマポリシー:(Dー1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微分・積分を用いた力学の運動法則に基づいて,より具体的な力学問題に対する計算ができる。微分・積分を用いた力学の運動法則に基づいて、基本的な力学問題に対する計算ができる。微分・積分を用いた力学の運動法則に基づいて、基本的な力学問題に対する計算ができない。
評価項目2運動方程式を導出し,より具体的な力学問題に対して,質点の運動挙動を調べることができる。運動方程式を導出し,基本的な力学問題に対して,質点の運動挙動を調べることができる。運動方程式が導出できない,また基本的な力学問題に対して,質点の運動挙動を調べることができない。
評価項目3仕事とエネルギー,力学的エネルギー保存則,運動量保存則等に基づいて,より具体的な力学問題に対する計算ができる。仕事とエネルギー,力学的エネルギー保存則,運動量保存則等に基づいて,基本的な力学問題に対する計算ができる。仕事とエネルギー,力学的エネルギー保存則,運動量保存則等に基づいて,基本的な力学問題に対する計算ができない。
評価項目4等速円運動, 単振動などの基本的な運動について,より具体的な力学問題に対して,質点の運動挙動を調べることができる。等速円運動, 単振動などの基本的な運動について,基本的な力学問題に対して,質点の運動挙動を調べることができる。等速円運動, 単振動などの基本的な運動について,基本的な力学問題に対して,質点の運動挙動を調べることができない。
評価項目5剛体の釣り合い,剛体の重心,剛体の回転運動について,より具体的な力学問題に対する計算ができる。剛体の釣り合い,剛体の重心,剛体の回転運動について,基本的な力学問題に対する計算ができる。剛体の釣り合い,剛体の重心,剛体の回転運動について,基本的な力学問題に対する計算ができない。電

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・本授業内容は大学教養物理に相当する。
・応用物理の中でも,力学に特化して,機械工学における4力学(材料力学,流体力学,熱力学,機械力学)における考え方の基礎を築く。
・機械工学の基礎となる質点系および剛体系の力学に関して理解を深め,演習を通じて力学の基礎・応用力を身につける。
授業の進め方・方法:
・授業は板書あるいはPowerPointにて行う。
・豊富な例題,演習問題によって力学に対する理解を深める。
・英語導入計画:Technical terms
注意点:
・授業では,各自学習ノートをとること。
・授業の内容を確実に身に付けるために,予習・復習が必須である。
・思考力と創造力を養うため,演習問題は必ず自らの手で解くこと。また力学計算における計算間違いは,今後の設計計算等において致命的な原因に繋がるので,演習問題を通じて十分にトレーニングすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 低学年における物理(力学)の復習(「運動の3法則」,「変位,速度,加速度と微分・積分との関係」)(ALレベルのC) 低学年で学んだ「運動の3法則」を説明できる。また,微分・積分を用いて,変位,速度,加速度の関する関係式を導くことができる。
2週 静的な釣り合い(ALレベルのC) 静的な釣り合いに基づいて,演習問題が解ける。
3週 微分・積分に基づく運動の法則(動的な釣り合い)(ALレベルのC) 動的な釣り合いに基づいて,基本的な演習問題が解ける。
4週 微分・積分に基づく運動の法則(運動方程式と等加速度運動)(ALレベルのC) 微分・積分の関係を用いて,等加速度運動を説明できる。
5週 微分・積分に基づく運動の法則(演習問題による理解1)(ALレベルのC) 微分・積分の関係を用いて,演習問題を解くことができる。
6週 微分・積分に基づく運動の法則(演習問題による理解2)(ALレベルのC) 微分・積分の関係を用いて,演習問題を解くことができる。
7週 摩擦力・抵抗力を含む運動(ALレベルのC) 摩擦力・抵抗力を含んだ演習問題を解くことができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 仕事とエネルギー(ALレベルのC) 仕事とエネルギーに関する演習問題を解くことができる。
10週 力学的エネルギー保存則1(ALレベルのC) 力学的エネルギー保存則を用いた演習問題を解くことができる。
11週 力学的エネルギー保存則2(ALレベルのC) 力学的エネルギー保存則を用いた演習問題を解くことができる。
12週 非保存力とエネルギー(ALレベルのC) 非保存力とエネルギーに関する演習問題を解くことができる。
13週 運動量保存則(ALレベルのC) 運動量保存則を用いた演習問題を解くことができる。
14週 衝突問題とエネルギー(ALレベルのC) 衝突問題とエネルギーに関する演習問題を解くことができる。
15週 期末試験
16週 期末試験の解答の解説など
後期
3rdQ
1週 振動問題の基礎となる三角関数の復習(ALレベルのC) 三角関数に関連する数学演算,および微分・積分の演算ができる。
2週 単振動問題(ALレベルのC) 単振動問題に関する演習問題を解くことができる。
3週 円運動,等速円運動(ALレベルのC) 円運動,等速円運動に関する演習問題を解くことができる。
4週 回転運動と角運動量,角運動量保存の法則(ALレベルのC) 角運動量,角運動量保存の法則に関する演習問題を解くことができる。
5週 振動,円運動に関する(演習問題による理解)(ALレベルのC) 振動,円運動に関する演習問題を解くことができる。
6週 剛体の力学基礎(静的な釣り合い)(ALレベルのC) 剛体の力学に関する基礎的な演習問題を解くことができる。
7週 中間試験 1から6週目までの内容を理解できる。
8週 剛体の重心(ALレベルのC) 剛体の重心の計算ができる。
4thQ
9週 剛体の回転運動1(ALレベルのC) 剛体の回転運動に関する基礎的な演習問題を解くことができる。
10週 剛体の回転運動2(ALレベルのC) 剛体の回転運動に関する基礎的な演習問題を解くことができる。
11週 剛体の回転運動3(ALレベルのC) 剛体の回転運動に関する基礎的な演習問題を解くことができる。
12週 剛体の平面運動(ALレベルのC) 剛体の平面運動に関する基礎的な演習問題を解くことができる。
13週 剛体の力学に関する演習問題1(ALレベルのC) 総合演習として,剛体の力学に関する演習問題を解くことができる。
14週 剛体の力学に関する演習問題2(ALレベルのC) 総合演習として,剛体の力学に関する演習問題を解くことができる。
15週 期末試験
16週 期末試験の解答の解説など

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3

評価割合

中間試験期末試験合計
総合評価割合200200400
前期100100200
後期100100200