ものづくり入門

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 ものづくり入門
科目番号 0063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 実験実習安全必携(高専機構・安全衛生管理委員会、2006)、絵とき「機械工学のやさしい知識」(小町ら著、オーム社、(1990(5)))、機械製図(林 洋次ほか13名、実教出版・検定教科書)、機械製図練習ノート(関口 剛、実教出版)、 配布プリント
担当教員 宮藤 義孝,高橋 憲吾

到達目標

以下の項目を目標とする。
【1部:機械工学実習】
① ものづくりに必要な基礎的な作業を理解する
② 機械工具類の取り扱い方法を正しく理解する
③ ものづくりに必要な基礎的な機械工作技術を理解する
④ 工作機械の基本操作を正しく理解する
⑤ ものづくりに必要な機械工学全般の基本的な知識を理解する
⑥ ものづくりに関わる基本的な安全知識を理解する

【2部:機械製図】
⑦ 三面図法の理解と作図
⑧ 等角図法の理解と作図
⑨ 断面図示法、寸法記入法の理解と図面への適用
⑩ 寸法公差方式の理解と図面への適用
⑪ 幾何公差の理解と図面への適用
⑫ 表面性状の理解と図面への適用

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ものづくりに必要な基礎的な作業(8割以上)ができる。ものづくりに必要な基礎的な作業(6割以上)ができる。ものづくりに必要な基礎的な作業ができない。
機械工具類の取り扱いが正しく行うこと(8割以上)ができる。機械工具類の取り扱いが正しく行うこと(6割以上)ができる。機械工具類の取り扱いが正しく行うことができない。
ものづくりに必要な基礎的な機械工作(8割以上)ができる。ものづくりに必要な基礎的な機械工作(6割以上)ができる。ものづくりに必要な基礎的な機械工作ができない。
工作機械の基本操作を正しく行うこと(8割以上)ができる。工作機械の基本操作を正しく行うこと(6割以上)ができる。工作機械の基本操作を正しく行うことができない。
機械工学全般の基本的な知識と専門用語を適切に使用すること(8割以上)ができる。機械工学全般の基本的な知識と専門用語を適切に使用すること(6割以上)ができる。機械工学全般の基本的な知識と専門用語を適切に使用することができない。
ものづくりに関わる安全知識を習得し、適切な作業をすること(8割以上)ができる。ものづくりに関わる安全知識を習得し、適切な作業をすること(6割以上)ができる。ものづくりに関わる安全知識を習得し、適切な作業をすることができない。
三次元物体を正確(8割以上)に二次元投影図で描ける三次元物体をほぼ正確(6割以上)に二次元投影図で描ける三次元物体を二次元投影図で描けない
投影図から正確(8割以上)に立体的な等角図が描ける投影図からほぼ正確(6割以上)に立体的な等角図が描ける投影図から立体的な等角図が描けない
断面図示法および寸法記入法を用いて正確(8割以上)に製作図が描ける断面図示法および寸法記入法を用いてほぼ正確(6割以上)に製作図が描ける断面図示法および寸法記入法を用いて製作図が描けない
金属の表面状態と粗さ記号を正確(8割以上)に製作図に描ける金属の表面状態と粗さ記号をほぼ正確(6割以上)に製作図に描ける金属の表面状態と粗さ記号を製作図に描けない
普通公差、ハメアイ記号から寸法許容差やすきまを計算する問題を正確(8割以上)に解ける普通公差、ハメアイ記号から寸法許容差やすきまを計算する問題をほぼ正確(6割以上)に解ける普通公差、ハメアイ記号から寸法許容差やすきまを計算する問題を解けない
幾何公差の記号を正確(8割以上)に製作図に描ける幾何公差の記号をほぼ正確(6割以上)に製作図に描ける幾何公差の記号を製作図に描けない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械工学におけるものづくりの基本的な事柄について学ぶ。1部(前期10回)では、工作機械の使用における安全作業の講義と工作機械の実習を行う。2部(前期5回+後期)では、ものづくりに必要な図面の基礎知識として、三次元物体を二次元平面に描写する手法を学び、JIS規格や製図則を理解し、具体的製図例を課題として、実際に製図用具を使って手製図することにより、実践的に製図の正しい知識とスキルを身につける。
授業の進め方・方法:
【1部:機械工学実習】
1. 座学と実習授業を併用して、授業を行う。
2. 座学では、安全教育と機械工学概説を行う。
3. 実習授業では、機械の基本操作作業を中心に行う。製作品は期限までに完成し提出すること。
4. 提出レポートとは別に、板書書写、計算用のメモ帳として実習ノートが必要である。
5. 実習中の問題行動については、随時、指導を行う。
6. 「授業」に遅刻した場合は、その都度、授業担当教員に関連の記録を確認することは学生の責務である。
※理解度を深めるために必要であると判断される場合は、周知した上で本シラバスの内容を若干変更することがある。

【2部:機械製図】
1. 立体図から三面図、三面図から立体図を認識できるように、練習や課題を通して理解すること。
2. 寸法公差、ハメアイ公差、表面性状、幾何公差などは、基礎知識を学習した上で、製図課題に取り組み、具体的適用表現を理解すること。

注意点:
1. やむなく遅刻した場合の記録の確認は学生の責任とし、到着後直ちに担当教員に申し出ること。
2. 他人のデータをコピーするなど自らの努力なしに課題を提出したとみなした場合は、その真偽を問わず減点する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械工学実習説明・施設紹介・機械工学概説1
(ALレベルC)
実験・実習のの目標と心構えがわかる
2週 安全教育1、切削加工Ⅰ 旋盤主要部の構造と機能がわかる
3週 安全教育2、切削加工Ⅱ フライス盤主要部の構造と機能がわかる
4週 安全教育3、機械の分解・組立 機械の構造がわかり、分解・組立ができる
5週 安全教育4、溶接作業 溶接に用いる用具の構造と機能がわかる
6週 安全教育5、手仕上げ作業 ボール盤の構造と機能がわかる
7週 設計製図ガイダンス 製図用具・ドラフターの使い方 製図用具・ドラフターを正しく使うことができる
8週 文字と線、用器画 文字と線を理解し、用器画を描くことができる
2ndQ
9週 投影図 品物の投影図を正確に描くことができる
10週 投影図 品物の投影図を正確に描くことができる
11週 手製図 簡単な部品の製作図を描くことができる
12週 等角図 等角図を理解できる
13週 等角図 等角図を理解できる
14週 断面図 断面図を理解できる
15週 期末試験
16週 フォローアップ、断面図 断面図を理解できる
後期
3rdQ
1週 断面図、特殊な図示法、数学演習 断面図を理解できる
2週 手製図(軸受押え)、数学演習 軸受押えの製作図を描くことができる
3週 寸法記入法、寸法補助記号、数学演習 寸法記入法、寸法補助記号を理解できる
4週 寸法記入法、勾配、テーパ、数学演習 寸法記入法、勾配、テーパを理解できる
5週 手製図、数学演習 簡単な部品の製作図を描くことができる
6週 手製図(軸受フタ)、数学演習 軸受フタの製作図を描くことができる
7週 中間試験
8週 フォローアップ、寸法公差、数学演習 寸法公差を理解できる
4thQ
9週 寸法公差、数学演習 寸法公差を理解できる
10週 ハメアイ公差、数学演習 ハメアイ公差を理解できる
11週 ハメアイ公差、表面粗さ、数学演習 ハメアイ公差、表面粗さを理解できる
12週 幾何公差、数学演習 幾何公差を理解できる
13週 幾何公差、数学演習 幾何公差を理解できる
14週 手製図(軸サポート)、数学演習 軸サポートの製作図を描くことができる
15週 期末試験
16週 フォローアップ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図図面の役割と種類を適用できる。2前7
製図用具を正しく使うことができる。2前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後5,後6,後14
線の種類と用途を説明できる。2前8,前11,前14,前16,後1,後2,後5,後6,後14
物体の投影図を正確にかくことができる。2前9,前10,前11,前14,前16,後1,後2,後5,後6,後14
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。2前11,後2,後5,後6,後14
図形を正しく描くことができる。2前8,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後5,後6,後14
図形に寸法を記入することができる。2後3,後4,後5,後6,後14
公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。2後8,後9,後10,後11,後12,後13
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
ガス溶接で用いるガス、装置、ガス溶接棒の扱いかたがわかる。3
ガス溶接の基本作業ができる。3
ガス切断の基本作業ができる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3

評価割合

中間試験期末試験レポート製図課題合計
総合評価割合33835034200
前期得点050500100
後期得点3333034100