応用数学Ⅲ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用数学Ⅲ
科目番号 0070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 上野健爾(監修),工学系数学教材研究会(著),「工学系数学テキストシリーズ 応用数学」,森北出版
担当教員 菱川 洋介,宮藤 義孝

到達目標

具体的な到達目標は以下に示す.
① 複素数の定義や性質による計算方法について理解する.
② 複素平面の定義と複素数の計算について理解する.
③ 正則の定義とコーシー・リーマン方程式についの理解し、利用できる.
④ コーシーの積分公式による複素積分の計算方法について理解し,利用できる.
⑤ 留数定理による複素積分の計算方法について理解し、利用できる.
⑥ 複素積分を実積分の計算に利用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①複素数の定義や性質による計算方法について理解する.基礎的な定義や性質に従って,複素数を含む教科書の問題を一人で解くことが出来る.基礎的な定義や性質に従って,複素数を含む教科書の問題を解くことができる.基礎的な定義や性質に従って,複素数を含む教科書の問題を解くことができない.
②複素平面の定義と複素数の計算について理解する.複素平面の概念を理解し,図形や極形式など教科書の問題を一人で解くことができる.複素平面の概念を理解し,図形や極形式など教科書の問題を解くことができる.複素平面の概念を理解し,図形や極形式など教科書の問題を解くことができない.
③正則の定義ととコーシー・リーマン方程式についの理解し、利用できる.複素関数の微分と正則,その条件であるコーシー・リーマン方程式に関する教科書の問題を一人で解くことができる.複素関数の微分と正則,その条件であるコーシー・リーマン方程式に関する教科書の問題を解くことができる.複素関数の微分と正則,その条件であるコーシー・リーマン方程式に関する教科書の問題を解くことができない.
④コーシーの積分公式による複素積分の計算方法について理解し,利用できる.コーシーの定理や積分公式を利用した複素積分に関する教科書の問題を一人で解くことができる.コーシーの定理や積分公式を利用した複素積分に関する教科書の問題を解くことができる.コーシーの定理や積分公式を利用した複素積分に関する教科書の問題を解くことができない.
⑤留数定理による複素積分の計算方法について理解し、利用できる.ローラン展開と留数定理の関係を理解し,留数定理による複素積分に関する教科書の問題を一人で解くことができる.ローラン展開と留数定理の関係を理解し,留数定理による複素積分に関する教科書の問題を解くことができる.ローラン展開と留数定理の関係を理解し,留数定理による複素積分に関する教科書の問題を解くことができない.
⑥複素積分を実積分の計算に利用できる.複素積分の応用としての実積分に関する教科書の問題を一人で解くことができる.複素積分の応用としての実積分に関する教科書の問題を解くことができる.複素積分の応用としての実積分に関する教科書の問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
複素数の基本計算から始めて,複素数を変数とする複素関数の微分,積分について学習する.複素関数では,実数を変数とする実関数と異なった理論が展開され,最終的には留数定理という積分定理に到達する.この留数定理を実関数の積分に応用することによって,実関数では困難な積分計算が可能となる.多くの工学的分野に応用される複素関数の微分積分について理解し,計算できることを目標とする.微分積分や線形代数を含む数学は基礎知識として関連があり,微分積分などの応用事例としての理解が深まることも期待できる.
授業の進め方・方法:
講義形式で行う.上記に示す教科書のうち第2章のみ扱う.学習する分野は,複素解析(複素関数)である.授業では,要点を説明し,必要に応じて教科書の問題に取り組んでもらう.
(事前準備の学習)一般科目数学の復習をしておくこと  英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である.
予習は授業計画に記載されている各週毎のの学習内容について、教科書に目を通し、不明な点等を明らかにすること。不明点は講義および授業中の質問を通し解消すること。
教室外学習(復習)では、講義内容の理解を深めるとともに、各講義で指定された課題(問題)を解き、レポートにまとめて翌週の授業までに提出すること。
定期試験成績と演習課題で評価し,定期試験(a)と演習課題(b)でそれぞれ70%,30%の評価割合とする.
学習・教育目標(D-2)100%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複素数(複素数の定義,実部,虚部,四則演算,共役複素数)(ALのレベルC)
複素数の定義,実部,虚部の意味,四則演算方法,共役複素数について理解する.
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)講義の復習と上記関連課題
2週 複素数(絶対値)の定義と複素平面(図形)(ALのレベルC)
複素数の絶対値の定義と複素数が複素平面でどのように図示されるか理解する.
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)講義の復習と上記関連課題
3週 複素数と複素平面(極形式,ド・モアブルの定理,n乗根)(ALのレベルC)
複素数の極形式での表記方法やド・モアブルの定理,n乗根について理解する.
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)講義の復習と上記関連課題
4週 複素関数(複素変数の関数,z平面とw平面の図形,極限,微分の定義)(ALレベルC)
複素変数の関数,z平面とw平面の対応関係や,極限,微分の定義について理解する.
(教室外学習)講義の復習と上記関連課題
5週 複素関数の微分(正則,導関数,コーシー・リーマンの方程式)(ALのレベルC)
複素関数の微分(正則,導関数の定義,コーシー・リーマンの方程式)を理解する。
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)講義の復習と上記関連課題
6週 複素関数の微分(調和関数,正則関数)(ALのレベルC)
複素関数の微分における調和関数,正則関数についてその意味を理解する.
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)講義の復習と上記関連課題
7週 複素関数の微分(正則関数,逆関数)(ALのレベルC)
正則関数,逆関数の意味を理解する.
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)講義の復習と上記関連課題
8週 中間試験 第1~第7週に学習した内容の理解度を把握し、上記内容の理解を深める.
(教室外学習・予習)中間試験勉強
2ndQ
9週 中間試験解説,複素関数の積分(複素積分の定義,不定積分,コ-シーの定理)(ALレベルC)
中間試験の復習。複素積分の定義,不定積分,コーシーの定理について理解する.
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)中間試験、講義の復習と上記関連課題
10週 複素関数の積分(コーシーの積分公式(表示))(ALのレベルC)
コーシーの積分公式(積分表示)について理解する.
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)講義の復習と上記関連課題
11週 複素関数の積分(コーシーの積分公式(表示)の拡張)(ALのレベルC)
コーシーの積分公式(積分表示)の拡張について理解する.
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)講義の復習と上記関連課題
12週 複素関数の積分(級数,テイラー展開とローラン展開)(ALのレベルC)
複素関数の級数,テイラー展開とローラン展開について理解する.
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)講義の復習と上記関連課題
13週 複素関数の積分(特異点と極・留数,留数定理による積分)(ALのレベルC)
複素関数の特異点と極・留数,留数定理や留数定理を用いた積分について理解する.
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)講義の復習と上記関連課題
14週 複素関数の応用方法(ALのレベルC)
複素関数の応用方法について理解する.
(教室外学習・予習)上記関連部分野の教科書の読込
(教室外学習・復習)講義の復習と上記関連課題
15週 期末試験 第9~第14週に学習した内容の理解度を把握し、上記内容の理解を深める.
(教室外学習・予習)期末試験勉強
16週 期末試験の解説,授業のまとめ (教室外学習・復習)期末試験の復習

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合7030100
得点7030100