到達目標
以下の項目を到達目標とする。
①ベクトル積を理解し、微分演算子を用いた数学的手法を習得する。
②ベクトルの積分を含んだ計算ができる。
③フーリエ級数の考え方を理解し、フーリエ級数を用いて関数を表現できる。
④ラプラス変換を用いた微分方程式の解法を習得する。
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 工学現象例についてベクトル解析の演算子を用いて表現できる。 | ベクトル解析の演算子に関する問題を解くことができる。 | ベクトルの演算子に関する問題を解くことができない。 |
評価項目2 | 工学現象例についてスカラー場・ベクトル場の線積分・面積分を用いて表現できる。 | スカラー場・ベクトル場の線積分・面積分に関する問題を解くことができる。 | スカラー場・ベクトル場の線積分・面積分に関する問題を解くことができない。 |
評価項目3 | 工学現象例についてフーリエ級数の概念を用いて表現できる。 | フーリエ級数に関する問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。 | フーリエ級数に関する問題を解くことができない。 |
評価項目4 | 工学現象例についてラプラス変換の概念を用いて説明できる。 | ラプラス変換を用いて微分方程式が解ける(6割以上)。 | ラプラス変換を用いて微分方程式が解けない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
微分積分・代数幾何等の基礎数学の知識を基にして、広範な工学専門知識に応用される数学的手法を習得する。幾何学的直観や物理的感覚を重視する。計算技術を獲得するとともに、工学現象を数学的に表現し、その意味を解釈できる能力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
授業では3年次までの微分積分・代数幾何等の基礎数学の知識を基に講義を行う。学生は予備知識として微分積分,線形代数の基本的な計算を復習しておくとよい。フーリエ変換、ラプラス変換においては指数・三角関数の積分、線形微分方程式についての知識を前提とする。
(事前準備の学習)数学AⅠ,AⅡの復習をしておくこと。
なお、いくつかの専門用語は英語で記載される 英語導入計画:Technical terms
本講義は3名の教員によって実施される
第1四半期担当 山田 実 教員 ラプラス変換
第2四半期担当 熊田 圭悟 教員 フーリエ変換
第3四半期担当 加藤 浩三 教員 ベクトル解析(微分)
第4四半期担当 加藤 浩三 教員 ベクトル解析(積分)
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ラプラス変換紹介(ALのレベルC) |
ラプラス変換の定義を使って基本的な関数のラプラス変換の計算ができる。
|
2週 |
様々な関数のラプラス変換(ALのレベルC) |
ラプラス変換表を用いてラプラス変換の計算ができる。
|
3週 |
ラプラス逆変換(ALのレベルC) |
逆ラプラス変換の計算ができる。
|
4週 |
ラプラス変換を用いた微分方程式の解法と演習(ALのレベルC) |
ラプラス変換を用いて微分方程式が解ける。
|
5週 |
単位関数・デルタ関数(ALのレベルC) |
単位ステップ関数とデルタ関数のラプラス変換が理解できる。
|
6週 |
合成積・応答(ALのレベルC) |
合成積・伝達関数が説明できる。
|
7週 |
ラプラス変換の演習(ALのレベルB) |
|
8週 |
中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
周期関数,三角関数の和,三角関数の積分(ALのレベルC) |
周期関数,三角関数の和,三角関数の積分を計算できる。
|
10週 |
フーリエ級数(ALのレベルC) |
周期関数のフーリエ級数を計算できる。
|
11週 |
フーリエ級数の収束定理(ALのレベルC) |
フーリエ級数の収束定理を用いた関数の不連続点での値の扱いを理解する。
|
12週 |
フーリエ余弦級数とフーリエ正弦級数(ALのレベルC) |
フーリエ余弦級数とフーリエ正弦級数の意味を理解し計算できる。
|
13週 |
偏微分方程式とフーリエ級数(ALのレベルC) |
変数分離法,線形微分方程式の一般解,解の線形性を理解する。
|
14週 |
偏微分方程式とフーリエ級数の演習(ALのレベルC) |
偏微分方程式のフーリエ級数による解法について理解する。
|
15週 |
期末試験 |
|
16週 |
フォローアップ |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
正規直交基底ベクトルの内積と任意ベクトルの内積(ALのレベルC) |
正規直交基底ベクトルの観点に基づいてベクトルの内積を理解できる。
|
2週 |
正規直交基底ベクトルの外積と任意ベクトルの外積(ALのレベルC) |
正規直交基底ベクトルの観点に基づいてベクトルの外積を理解できる。
|
3週 |
ベクトルの外積の性質(大きさと向き)(ALのレベルC) |
ベクトルの外積の大きさと向きを計算で求めることができる。
|
4週 |
スカラー3重責とベクトル3重責(ALのレベルC) |
スカラー3重責とベクトル3重責の意味を理解できる。
|
5週 |
ベクトル解析の観点からの工業力学の振り返り(力のモーメント・遠心力・コリオリの力)(ALのレベルC) |
ベクトル解析の観点から3年次に学習した工業力学の諸定理を理解できる。
|
6週 |
微分演算子とベクトルの発散・回転(ALのレベルC) |
微分演算子とベクトルの発散と回転を理解できる。
|
7週 |
微分演算子とスカラーの勾配の性質(ALのレベルC) |
スカラーの勾配の意味を理解し最適化手法への応用を理解できる。
|
8週 |
中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
曲線の媒介変数表示と接線ベクトル(ALのレベルC) |
曲線の媒介変数表示と接線ベクトルを表記でできる。
|
10週 |
スカラー場とベクトル場の線積分(ALのレベルC) |
スカラー場とベクトル場の線積分を計算できる。
|
11週 |
曲面の媒介変数表示,接線ベクトル,法線ベクトル(ALのレベルC) |
曲面の媒介変数表示,接線ベクトル,法線ベクトルを計算できる。
|
12週 |
面積分(ALのレベルC) |
スカラー場とベクトル場の面積分を計算できる。
|
13週 |
スカラー場の体積分とガウスの発散定理(ALのレベルC) |
スカラー場の体積分を計算でき,ガウスの発散定理を用いてベクトル場の面積分を体積分として計算できる。
|
14週 |
ストークスの定理(ALのレベルC) |
ストークスの定理を利用した計算ができる。
|
15週 |
期末試験 |
|
16週 |
フォローアップ |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。 | 3 | |
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。 | 3 | |
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。 | 3 | |
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。 | 3 | |
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。 | 3 | |
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 3 | |
評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 200 | 200 | 50 | 450 |
前期 | 100 | 100 | 50 | 250 |
後期 | 100 | 100 | 0 | 200 |