塑性加工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 塑性加工学Ⅰ
科目番号 0072 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 長田・柳本著,「基礎からわかる塑性加工(改訂版)」,コロナ社
担当教員 加藤 浩三

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①主要な塑性加工の特徴,種類,用途を理解し説明できる。
②金属の塑性,降伏,加工硬化等の用語の意味を理解し,図を用いて説明することができる。
③初等解析法の力学的背景を理解し,平面ひずみ問題,及び軸対称問題を解くことができる。
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1主要な塑性加工の特徴,種類,用途を理解し説明できる(8割以上)。主要な塑性加工の特徴,種類,用途を理解し説明できる(6割以上)。主要な塑性加工の特徴,種類,用途を説明することができない。
評価項目2金属の塑性,降伏,加工硬化等の用語の意味を理解し,図を用いて説明することができる(8割以上)。主要な塑性加工の特徴,種類,用途を理解し説明できる(6割以上)。金属の塑性,降伏,加工硬化等の用語の意味について図を用いて説明することができない。
評価項目3初等解析法の力学的背景を理解し,平面ひずみ問題,及び軸対称問題を解くことができる(8割以上)。初等解析法の力学的背景を理解し,平面ひずみ問題,及び軸対称問題を解くことができる(6割以上)。初等解析法の力学的背景を理解していないし,平面ひずみ問題や軸対称問題をも解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械加工法のひとつである塑性加工法についての理解を深め,機械設計技術者,あるいは機械加工技術者としての素養を修得することを目的としている。この背景となる力学分野は塑性力学であり,この素養を養うことも本講義の目的のひとつである。※実務との関係
 この科目は鉄鋼製造メーカーで,塑性加工のひとつである圧延加工を担当していた教員が、その経験を活かし,塑性加工について講義形式で授業を行うものである。

授業の進め方・方法:
本教科目は力学分野を中心とした積上げ方式の教科目である。教育目標達成のためには,毎回の講義後の復習により,講義内容を完全に習得した上で次回の講義に臨むこと。
また,毎回の講義はパワーポイントによる解説と配布される演習問題を教材として実施される。
(事前準備の学習)材料力学Ⅰの復習をしておくこと。
英語導入計画:Technical trems:専門用語の英語表記を教える。
注意点:
授業内容を確実に身につけるために,予習・復習は不可欠である。
講義中はノートを採ることに夢中にならず,手を休め教員の解説に充分に耳を傾けて欲しい。
なお,教室外学修の課題自体は,そのまま総得点率には反映されることはないが,課題は定期試験の出題範囲であるので,定期試験を介して総得点率に反映される。
また,やむなく遅刻した場合に,その都度,授業担当教員に関連の記録を確認することは学生各自の責任である。欠席した場合は,次の講義の前日までに教員室まで配布物を取りに来ること。
なお,以下の項目により総得点を最大50点まで減ずる。
①授業中の私語(-5)
②授業中の熟睡,あるいは本教科目以外の業務等(-5)
③授業中ノートを執らない(-5)
④所定の教科書を準備しない(-5)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス解説,塑性加工法の特徴・分類・用途・鉄鋼製造法と塑性加工(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題01
2週 真ひずみと真応力,真ひずみの特徴2つ,応力-ひずみ線図の分類(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題02
3週 n乗硬化則,3次元の応力状態の表記,2階のテンソル,座標とは(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題03
4週 主応力,平均垂直応力,偏差応力,せん断変形,せん断応力(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題04
5週 平面ひずみ,平面応力,軸対称解析(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題05
6週 釣り合い方程式,降伏条件式,相当応力,単軸引張降伏応力(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題06
7週 せん断降伏応力,摩擦の仮定2つ,構成式とは,塑性の構成式(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題07
8週 増分とは,変位,変位増分,速度,ひずみ増分,ひずみ速度,相当ひずみ(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題08
2ndQ
9週 中間の復習の演習問題
10週 塑性力学の主要な7つの式,境界値問題,塑性力学の近似解法の概要(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題09
11週 初等解析法による平面ひずみ圧縮の解析,力の釣り合い(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題10
12週 平面ひずみの場合のミーゼス降伏条件式の導出(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題11
13週 圧力分布の計算,加工力の計算,平均圧力の計算,演習問題をグループ討議する(ALのレベルB) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題12
14週 初等解析法による軸対称鍛造・深絞り加工の解析(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題13
15週 期末試験
16週 期末試験の解説・半期の総復習(ALのレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題14

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4
材料機械材料に求められる性質を説明できる。3
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。3
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4
塑性変形の起り方を説明できる。4
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4
鉄鋼の製法を説明できる。3

評価割合

中間試験期末試験合計
総合評価割合100100200
得点100100200