機械工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機械工学実験Ⅱ
科目番号 0075 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 工学実験手引書等配布
担当教員 山田 実,宮藤 義孝,石丸 和博

到達目標

以下の項目を到達目標とする。
① 基礎工学(設計・システム・力学)の基礎知識と能力を身につける。
② 創生,エネルギー,計測・制御,安全等の知識と能力を身につける。
③ 機械工学の専門分野(材料学,加工学,制御工学)の知識と能力を身につける。
④ 情報機器の利用を通して情報処理能力を身につける。
岐阜高専ディプロマポリシー:(A),(B),(D),(E)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱工学分野の実験を通じて,この技術的内容を理解すると伴に,技術レポートの作成方法を十分身につけている。 熱工学分野の実験を通じて,この技術的内容を理解すると伴に,技術レポートの作成方法を身につけている。 熱工学分野の実験を体験したにもかかわらず,この技術的内容を理解していない。また,技術レポートの作成方法も身につけていない。
評価項目2加工学分野の実験として,空気圧回路の原理を説明でき, 空気圧回路を助言無しでテキストを参照して組み立てることができる。フライス加工で製品を製作し, 3次元測定器を用いて寸法や幾何公差を助言無しでテキストを参照して測定することができ, 寸法精度について説明することができる。この技術的内容を十分理解すると伴に,技術レポートの作成方法を十分身につけている。加工学分野の実験として,空気圧回路の原理を説明でき, 空気圧回路を助言と共にテキストを参照して組み立てることができる。フライス加工で製品を製作し, 3次元測定器を用いて寸法や幾何公差を助言と共にテキストを参照して測定することができ, 寸法精度について説明することができる。この技術的内容を十分理解すると伴に,技術レポートの作成方法を十分身につけている。加工学分野の実験として,空気圧回路の原理を説明できず, 空気圧回路を助言と共にテキストを参照しても組み立てることができない。フライス加工で製品を製作し, 3次元測定器を用いて寸法や幾何公差を助言と共にテキストを参照しても測定することができず, 寸法精度について説明することができない。この技術的内容を理解できず,技術レポートの作成方法を身につけていない。
評価項目3制御工学分野の実験を通じて,この技術的内容を理解すると伴に,技術レポートの作成方法を十分身につけている。制御工学分野の実験を通じて,この技術的内容を理解すると伴に,技術レポートの作成方法を身につけている。制御工学分野の実験を体験したにもかかわらず,この技術的内容を理解していない。 また,技術レポートの作成方法も身についてはいない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3学年次で修得した工学実験手法についての能力を拡充する。レポート作成を通して技術報告書の作成技術の基礎を修得する。また,技術プレゼンテーションの方法についても学修する。
授業の進め方・方法:
最初の授業において各教員から実験内容についてのガイダンスが実施される。
各回の授業ではクラス全員が同じテーマに取り組む。すなわち、全12テーマ(4テーマ×3教員)を12回に亘って実施する。
実験手引書をよく読み,教員の説明をよく聴いて,不注意による事故を起こさないように真剣に取り組むこと。
(事前準備の学習)機械工学実験Ⅰの復習をしておくこと.
英語導入計画:Technical terms
注意点:
各教員による評価は一人100点。3名の総合計300点を総得点とし,総得点率100%として成績評価する。
課題のレポート提出は,本科目の修得のために不可欠であるのでレポートは計画的に作成すること。技術者としての計画性の育成も本教科目の目的のひとつである。提出期限間際ではなく,余裕を持って早めに提出すること。
・別表1対象科目
スケジュール管理には,手帳や携帯電話機能を利用するなど,各自で工夫すること。
なお,提出されないレポートの評価は0点である。さらに年成績評価に際しては,課題レポートの未提出のある場合は,上記の総得点から,未提出1件につき30点ずつ減じたものを総得点とする。なお,総得点の下限は0点とする。
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である。
教育・学習目標
(D-2:情報・論理系,材料・バイオ系,力学系,社会技術系)20%
(D-3:エネルギー系,計測・制御系,安全系)20% 
(D-4)40% 
(E)20%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス説明,技術レポートの書き方Ⅰ,機械工学基礎演習(ALのレベルC) 技術レポートの書き方を理解する。
2週 【A班】熱工学(熱の仕事当量の測定)【B班】空気圧の原理と回路 【C班】制御工学(振子の固有振動数測定)(ALのレベルA) 【A班】熱の仕事当量の各種測定法を理解し、計算することができる。【B班】空気圧回路の原理を説明でき, 空気圧回路を考えて作成することができる。【C班】物理法則に基づくモデリングおよびパラメータ同定ができる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
3週 【A班】熱工学(熱電対の較正)【B班】空気圧回路の組立と動作確認 【C班】制御工学(機構の工夫)(ALのレベルA) 【A班】熱電対の原理を理解し、各種熱電対の性質を説明できる。【B班】空気圧回路を組み立てることができ, 動作させることができる。【C班】課題に沿った機構を考案することができる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
4週 【A班】空気圧の原理と回路【B班】制御工学(振子の固有振動数測定)【C班】熱工学(熱の仕事当量の測定)(ALのレベルA) 【A班】空気圧回路の原理を説明でき, 空気圧回路を考えて作成することができる。【B班】物理法則に基づくモデリングおよびパラメータ同定ができる。【C班】熱の仕事当量の各種測定法を理解し、計算することができる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
5週 【A班】空気圧回路の組立と動作確認【B班】制御工学(機構の工夫)【C班】熱工学(熱電対の較正)(ALのレベルA) 【A班】空気圧回路を組み立てることができ, 動作させることができる。【B班】課題に沿った機構を考案することができる。【C班】熱電対の原理を理解し、各種熱電対の性質を説明できる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
6週 【A班】制御工学(振子の固有振動数測定)【B班】熱工学(熱の仕事当量の測定)【C班】空気圧の原理と回路(ALのレベルA) 【A班】物理法則に基づくモデリングおよびパラメータ同定ができる。【B班】熱の仕事当量の各種測定法を理解し、計算することができる。【C班】空気圧回路の原理を説明でき, 空気圧回路を考えて作成することができる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
7週 【A班】制御工学(機構の工夫)【B班】熱工学(熱電対の較正)【C班】空気圧回路の組立と動作確認(ALのレベルA) 【A班】課題に沿った機構を考案することができる。【B班】熱電対の原理を理解し、各種熱電対の性質を説明できる。【C班】空気圧回路を組み立てることができ, 動作させることができる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
8週 【A班】熱工学(圧縮性流体のオリフィス特性)【B班】フライス加工後の寸法と面精度測定 【C班】制御工学(倒立振子の姿勢安定化制御)(ALのレベルA) 【A班】圧縮性流体の状態変化を理解し、オリフィス特性を測定することができる。【B班】フライス加工で製品を製作し, 寸法と面精度を計測することができる。【C班】PID制御の設計パラメータの意味を理解できる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
2ndQ
9週 【A班】熱工学(冷却法による液体の比熱測定)【B班】3次元測定器による寸法と幾何公差の測定 【C班】制御工学(動的システムの周波数応答特性)(ALのレベルA) 【A班】冷却法による液体の比熱測定法を理解し、各種液体の比熱を測定することができる。【B班】3次元測定器を用いて寸法と幾何公差を計測することができる。【C班】2次遅れ系の周波数特性を説明できる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
10週 【A班】フライス加工後の寸法と面精度測定【B班】制御工学(倒立振子の姿勢安定化制御)【C班】熱工学(圧縮性流体のオリフィス特性)(ALのレベルA) 【A班】フライス加工で製品を製作し, 寸法と面精度を計測することができる。【B班】PID制御の設計パラメータの意味を理解できる。【C班】圧縮性流体の状態変化を理解し、オリフィス特性を測定することができる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
11週 【A班】3次元測定器による寸法と幾何公差の測定【B班】制御工学(動的システムの周波数応答特性)【C班】熱工学(冷却法による液体の比熱測定)(ALのレベルA) 【A班】3次元測定器を用いて寸法と幾何公差を計測することができる。【B班】2次遅れ系の周波数特性を説明できる。【C班】冷却法による液体の比熱測定法を理解し、各種液体の比熱を測定することができる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
12週 【A班】制御工学(倒立振子の姿勢安定化制御)【B班】熱工学(圧縮性流体のオリフィス特性)【C班】フライス加工後の寸法と面精度測定(ALのレベルA) 【A班】PID制御の設計パラメータの意味を理解できる。【B班】圧縮性流体の状態変化を理解し、オリフィス特性を測定することができる。【C班】フライス加工で製品を製作し, 寸法と面精度を計測することができる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
13週 【A班】制御工学(動的システムの周波数応答特性)【B班】熱工学(冷却法による液体の比熱測定)【C班】3次元測定器による寸法と幾何公差の測定(ALのレベルA) 【A班】2次遅れ系の周波数特性を説明できる。【B班】冷却法による液体の比熱測定法を理解し、各種液体の比熱を測定することができる。【C班】3次元測定器を用いて寸法と幾何公差を計測することができる。
実験内容を①理解し②結果をレポートにまとめて表現できる。
14週 技術レポートの書き方Ⅱ,技術プレゼンテーションの方法Ⅰ(ALのレベルC) 技術レポートの書き方を①理解し②実践できる。
15週 技術レポートの書き方Ⅲ,技術プレゼンテーションの方法Ⅰ(ALのレベルC) 技術レポートの書き方を①理解し②実践できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4

評価割合

レポート合計
総合評価割合300300
熱工学100100
加工学100100
制御工学100100