物理BⅠ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理BⅠ
科目番号 0078 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 物理基礎,物理(数研出版)/リードα物基・物理,フォトサイエンス物理図録(数研出版)
担当教員 菅 菜穂美,渡邉 慎

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
① 平面運動の速度・加速度の理解と応用
② 運動方程式の理解と応用
③ 仕事とエネルギー保存則の理解と応用
④ 運動量保存則の理解と応用
⑤ 気体の状態の理解と応用
⑥ 円運動と単振動の理解と応用

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1平面運動の速度・加速度に関する問題をほぼ正確に解くことができる。平面運動の速度・加速度に関する問題を6割以上解くことができる。平面運動の速度・加速度に関して理解していない。
評価項目2運動方程式を立て,さらにその方程式を解く問題がほぼ正確にできる。運動方程式を立て,さらにその方程式を解く問題が6割以上正確にできる。運動方程式を立てることも,その方程式を解くこともできない。
評価項目3エネルギー保存則に関する問題をほぼ正確に解くことができる。エネルギー保存則に関する問題を6割以上解くことができる。エネルギー保存則に関して理解していない。
評価項目4運動量保存則に関する問題をほぼ正確に解くことができる。運動量保存則に関する問題を6割以上解くことができる。運動量保存則に関して理解していない。
評価項目5気体の状態を物理的に理解でき,さらに気体に関する問題をほぼ正確に解くことができる。気体の状態を物理的に理解でき,さらに気体に関する問題を6割以上解くことができる。気体の状態を物理的に理解していない。
評価項目6円運動と単振動に関する問題をほぼ正確に解くことができる。円運動と単振動に関する問題を6割以上解くことができる。円運動と単振動に関して理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理BⅠでは,力の大きさや方向が一定のときの力学,熱,円運動の考え方の初歩を学習する。
専門科目を理解するための基礎学力の習得という効果が期待される。
授業の進め方・方法:
授業はほぼ教科書に沿って進める。課題テストを適宜行う。また,教科書の学習内容の理解を深めるために,実際の現象を実験・観察したり,シミュレーションを見せたりしながら進める。数学の学習度に応じた授業を行う。
注意点:
物理基礎,物理の2冊の教科書をシラバスの授業予定に合わせて使い分けるので,板書はノートにとる必要がある。教科書と問題集の問題は,その都度必ず解くこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 平面運動の速度・加速度(AL のレベル C)
等加速度直線運動(AL のレベル C)
平面内を移動する質点の運動を,位置ベクトルの変化として理解している。
等加速度直線運動の公式を用いて,物体の座標,時間,速度に関する計算ができる。
2週 落体の運動(AL のレベル C)
力とそのはたらき(AL のレベル C)
落体の運動に関する計算ができる。
物体に作用する力を図示することができる。
力の合成と分解をすることができる。
重力,抗力,張力,圧力について説明できる。
フックの法則を用いて,弾性力の大きさを求めることができる。
最大摩擦力に関する計算ができる。
動摩擦力に関する計算ができる。
3週 力のつりあい(AL のレベル C)
作用・反作用の法則、慣性の法則(AL のレベル A)
力のつりあいの式を立てて解くことができる。
静止摩擦力がはたらいている場合の,力のつりあいについて理解している。
慣性の法則について説明できる。
作用と反作用の関係について,具体例を挙げて説明できる。
4週 運動の法則(AL のレベル B)
運動方程式、重さと質量(AL のレベル C)
運動の法則について説明できる。
互いに力を及ぼしあう物体の運動について,運動方程式を立てて解くことができる。
重さと質量の違いについて説明できる。
5週 液体や気体から受ける力(AL のレベル B)
仕事と仕事の原理(AL のレベル C)
圧力・浮力を計算できる。
仕事と仕事率に関する計算ができる。
6週 運動エネルギー(AL のレベル C)
運動エネルギーと仕事の関係(AL のレベル C)
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。
運動エネルギーと仕事の関係について理解している。
7週 重力・弾性力による位置エネルギー(AL のレベル C)
力学的エネルギー保存則(AL のレベル C)
重力・弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。
力学的エネルギー保存則について理解し,様々な物理量の計算に利用できる。
8週 前期中間試験
直線運動における運動量と力積(AL のレベル C)
第7週までの教授内容に関する問題について,6割以上正答できる。
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。
運動量の差が力積に等しいことを理解している。
2ndQ
9週 平面運動における運動量と力積(AL のレベル C)
直線運動における運動量保存則(AL のレベル B)
平面運動している物体について,運動量の差から力積を求めることができる。
運動量保存則について理解している。
直線運動している物体について,運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。
10週 平面運動における運動量保存則(AL のレベル C)
反発係数(AL のレベル C)
平面運動している物体について,運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。
反発係数を計算できる。
11週 温度と熱量(AL のレベル C)
熱容量、比熱、熱量の保存(AL のレベル C)
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について理解している。
時間の推移とともに,熱の移動によって熱平衡状態に達することを理解している。
物体の熱容量と比熱について理解している。
熱量の保存則を表す式を立て,熱容量や比熱を求めることができる。
動摩擦力がする仕事は,一般に熱となることを理解している。
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを,具体例を挙げて説明できる。
不可逆変化について理解し,具体例を挙げることができる。
熱機関について理解し、熱効率に関する計算ができる。
12週 ボイル・シャルルの法則(AL のレベル C)
内部エネルギー、熱力学第一法則(AL のレベル C)
ボイルの法則,シャルルの法則を用いて,気体の圧力,温度,体積に関する計算ができる。
気体の内部エネルギーについて理解している。
熱力学第一法則について理解している。
13週 気体の状態変化(AL のレベル C)
等速円運動(AL のレベル C)
気体が状態変化をする場合について,様々な熱力学量を求めることができる。
等速円運動について理解している。

14週 等速円運動の加速度、向心力(AL のレベル C)
慣性力、遠心力(AL のレベル B)
等速円運動をする物体の速度,角速度,加速度,向心力に関する計算ができる。
慣性力,遠心力について理解している。
15週 単振動(AL のレベル A)
期末試験の解答の解説・答案の間違え直しなど
周期,振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。
単振動における速度,加速度,力の関係を説明できる。
期末試験で誤答だった問題を再度解き直し,間違えた点を把握し,正しい内容を理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学運動方程式を用いた計算ができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
物理実験物理実験力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体物体に作用する浮力を計算できる。3
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3
熱力学の第一法則を説明できる。3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合20050250
得点20050250