弾性力学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 弾性力学
科目番号 0091 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 プリント
担当教員 小栗 久和

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①総和規約、テンソル量の考え方が理解できる。
②テンソル量としての応力、ひずみが理解できる。
③弾性体の構成式が理解できる。    
④エアリーの応力関数による平面問題の解法が理解できる。
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1総和規約、テンソル量の考え方が8割以上正確に理解できる。総和規約、テンソル量の考え方が6割以上理解できる。 総和規約、テンソル量の考え方が理解できない。
評価項目2テンソル量としての応力、ひずみの問題が8割以上正確に解ける。テンソル量としての応力、ひずみの問題が6割以上正確に解ける。テンソル量としての応力、ひずみの問題が解けない。
評価項目3弾性体の構成式が8割以上正確に理解できる。弾性体の構成式が6割以上理解できる。弾性体の構成式が理解できない。
評価項目4直角座標系における基本的な問題を、エアリーの応力関数により8割以上正確に解くことができる。直角座標系における基本的な問題を、エアリーの応力関数により6割以上正確に解くことができる。直角座標系における基本的な問題を、エアリーの応力関数により正確に解くことができない。
評価項目5円柱座標系における基本的な問題を、エアリーの応力関数により8割以上正確に解くことができる。円柱座標系における基本的な問題を、エアリーの応力関数により6割以上正確に解くことができる。円柱座標系における基本的な問題を、エアリーの応力関数により正確に解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業ではテンソル量としての応力,ひずみおよび応力・ひずみ関係の学習と,エアリーの応力関数による2次元問題の解法の理解を目標とする.
授業の進め方・方法:
・授業は板書を中心に行い,必要に応じてプリントを配布する.
・授業中,学習内容の理解度を確認する例題を出題するので,自ら解答し,復習すること.
・英語導入計画:Technical terms
注意点:
・授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である.
・平面の方程式,ベクトル解析が基礎となるので十分復習しておくこと.
・遅刻した場合,必ず教員にその旨申し出ること.
・なお、成績評価には授業外学習の内容は含まれる
・学習・教育目標(D-2力学系)100%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 弾性力学の基礎 連続体とは・弾性力学の体系 連続体力学の体系と、弾性力学の位置付け・目的について理解できる。
(授業外学習・事前) 弾性力学とはどのような学問であるか予習しておく。(約 1 時間)
(授業外学習・事後) 連続体の概念、弾性力学の体系について復習し、材料力学との相違点を調べておく。(約 3 時間)
2週 直交座標系におけるベクトルとテンソル 総和規約(ALレベルのC) クロネッカーのデルタ、交替記号、総和規約について理解できる。
(授業外学習・事前)ベクトルの内積について復習しておく(約 2 時間)
(授業外学習・事後)ベクトルの内積とクロネッカーのデルタの関係、交替記号と行列式の関係について復習しておく(約2 時間)
3週 座標変換(ALレベルのC) 直交座標系の座標変換公式について理解できる。
(授業外学習・事前)座標の回転による座標変換式を復習しておく。(約 2 時間)
(授業外学習・事後)直角座標から円柱座標、球座標への変換式を復習しておく。(約2時間)
4週 応力と応力の平衡方程式1 応力・応力の平衡方程式(ALレベルのC) 応力と意味が理解でき、応力の平衡方程式が導出できる。
(授業外学習・事前)ある関数について、変数が微小変化しときの変化量を表す式を復習しておく。(約 2 時間)
(授業外学習・事後)直方体の重心を通る軸回りのモーメントのつり合いから、せん断応力の共役性を導いておく。(約2 時間)
5週 応力と応力の平衡方程式2 コーシーの関係・主応力と応力の不変量(ALレベルのC) コーシーの関係が理解でき、3次元状態における主応力・主応力方向・応力の不変量を計算することができる。
(授業外学習・事前)材料力学Ⅱで学習した応力の変換について復習しておく。(約 2 時間)
(授業外学習・事後)コーシーの関係、主応力について演習問題を解いておく。(約2 時間)
6週 変形とひずみ1 変形・ひずみ 変形の意味と、ひずみの導出過程が理解できる。
(授業外学習・事前)変形とは何か調査する。(約 1 時間)
(授業外学習・事後)グリーンのひずみテンソルの導出について復習しておく。(約3 時間)
7週 変形とひずみ2 ひずみの適合方程式・主ひずみとひずみの不変量(ALレベルのC) ひずみの適合方程式の意味、主ひずみ・ひずみの不変量を計算することができる。
(授業外学習・事前)ひずみの適合方程式の物理的な意味を予習しておく。(約 1 時間)
(授業外学習・事後)ひずみの適合方程式を応力成分で表現してみる。(約3時間)
8週 中間のまとめ
2ndQ
9週 弾性体の構成式1 弾性材料と線形弾性理論(ALレベルのC) 弾性体の構成式、弾性体の応力ひずみ関係について理解することができる。
(授業外学習・事前)弾性体の性質に関する仮定について事前に調べておく。(約 1 時間)
(授業外学習・事後)弾性体の各仮定ごとに弾性定数テンソルの成分がどのように減少するか確認する。(約3 時間)
10週 弾性体の構成式2 等方弾性体の構成式(ALレベルのC) 等方弾性体の応力ひずみ関係の導出過程が理解できる。
(授業外学習・事前)等方弾性体に課せられる数学的な制約について調査する。(約 2 時間)
(授業外学習・事後)直交異方性材料の弾性定数テンソルについて調査する。(約2 時間)
11週 2次元問題の解析1 平面問題の構成式(ALレベルのC) 平面問題における応力ひずみ関係が理解でき、応力ひずみ関係式が導出できる。
(授業外学習・事前)材料力学Ⅱで学習した平面応力および平面ひずみの応力ひずみ関係について復習しておく。(約 2 時間)
(授業外学習・事後)ラメの定数と縦弾性係数・横弾性係数・ポアソン比の関係を導いておく。(約2時間)
12週 2次元問題の解析2 直角座標系におけるエアリーの応力関数(ALレベルのC)   直角座標系における基本的な問題を、エアリーの応力関数により解くことができる。
(授業外学習・事前)調和関数・重調和関数とは何か調査しておく。(約 2 時間)
(授業外学習・事後)エアリーの応力関数により、曲げ・ねじりが作用した時の応力成分を求める。(約2時間)
13週 2次元問題の解析3 円柱座標系におけるエアリーの応力関数(ALレベルのC)   円柱座標系における基本的な問題を、エアリーの応力関数により解くことができる。
(授業外学習・事前)直角座標における偏微分と極座標における偏微分の関係を調べる。(約 2 時間)
(授業外学習・事後)円柱座標系におけるエアリーの応力関数を復習しておく。(約2 時間)
14週 2次元問題の解析4 エアリーの応力関数の応用例(ALレベルのC)   やや複雑な平面問題の、エアリーの応力関数による解法が理解できる。
(授業外学習・事前)円孔を有する無限板の応力集中係数について調査する。(約 2 時間)
(授業外学習・事後)き裂問題に関するエアリーの応力関数の応用例を調査する。(約2 時間)
15週 期末試験
16週 期末試験の解答と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
多軸応力の意味を説明できる。4

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
得点100100