塑性加工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 塑性加工学Ⅱ
科目番号 0104 科目区分 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 長田・柳本著,「基礎からわかる塑性加工(改訂版)」,コロナ社
担当教員 加藤 浩三

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①変位,ひずみ,変位とひずみの関係,及び体積一定則等の上界法に必要な基礎事項を理解し説明することができる。
②上界法の最適化を伴う問題を解くことができる。
③せん断加工の高精度化の意味を理解し,基本的な加工特性を理解し,説明することができる。
④圧延加工の初等解析法の概要を理解している。また圧延の形状精度向上についての各種技術を理解している。
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1変位,ひずみ,変位とひずみの関係,及び体積一定則等の上界法に必要な基礎事項を理解し説明することができる。(8割以上)変位,ひずみ,変位とひずみの関係,及び体積一定則等の上界法に必要な基礎事項を理解し説明することができる。(6割以上)変位,ひずみ,変位とひずみの関係,及び体積一定則等の上界法に必要な基礎事項を説明できない。
評価項目2上界法の最適化を伴う問題を解くことができる。上界法の基礎的な問題を解くことができる。上界法の基礎的な問題を解くことができない。
評価項目3せん断加工の高精度化の意味を理解し,基本的な加工特性を理解し,説明することができる。(8割以上)せん断加工の高精度化の意味を理解し,基本的な加工特性を理解し,説明することができる。(6割以上)せん断加工の高精度化の意味や基本的な加工特性を説明することができない。
評価項目4圧延加工の初等解析法の概要を説明できる。また圧延の形状精度向上についての各種技術を説明できる。圧延加工の初等解析法の概要を理解している。また圧延の形状精度向上についての各種技術を理解している。圧延加工の初等解析法の概要を説明できない。また圧延の形状精度向上についての各種技術を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
塑性加工学Ⅰで修得した塑性力学の基礎事項を活用して,塑性力学の解析法のうちの上界法を修得する。
※実務との関係
この科目は鉄鋼製造メーカーで,塑性加工のひとつである圧延加工を担当していた教員が、その経験を活かし,塑性加工について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
(事前準備の学習)塑性加工学Ⅰの復習をしておくこと。
本教科目は力学分野を中心とした積上げ方式の教科目である。教育目標達成のためには,毎回の講義後の復習により,講義内容を完全に習得した上で次回の講義に臨むこと。
講義中はノートを採ることに夢中にならず,手を休め教員の解説に充分に耳を傾けて欲しい。
① 毎回,授業の進度に適合した演習問題が配布され,グループ学習等により取組む。
② 演習問題の解説はパワーポイントによってなされるが,適宜,学生は指名され口頭説明のコミュニケーション能力が鍛錬される。
なお,やむなく遅刻した場合に,その都度,授業担当教員に関連の記録を確認することは学生各自の責任である。
欠席した場合は,次の講義の前日までに教員室まで配布物を取りに来ること。
英語導入計画:Technical terms:専門用語の英語表記を教える。
注意点:
授業の内容を身につけるために,予習・復習が不可欠である。
教室外学修の課題自体は,そのまま総得点率には反映されることはないが,課題は定期試験の出題範囲であるので,定期試験を介して総得点率に反映される。
なお,以下の項目により総得点を最大50点まで減ずる。
① 授業中の私語(-5)
② 授業中の熟睡,あるいは本教科目以外の業務等(-5)
③ 所定の教科書を準備しない(-5)
学習・教育目標(D-2:力学系)50%(D-3:創生系)50%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス解説,真応力と真ひずみ,変位とひずみの関係,体積一定則(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題01
(授業外学習・事前)塑性加工学Ⅰの応力ひずみ線図に関わる概念を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
2週 塑性力学の主要な7つの式,境界値問題,塑性力学の近似解法の概要(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題02
(授業外学習・事前)塑性加工学Ⅰの7つの主要な式を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
3週 増分とは,変位,変位増分,速度,ひずみ増分,ひずみ速度,相当ひずみ(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題03
(授業外学習・事前)塑性加工学Ⅰの変位・ひずみを復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
4週 上界法とは,上界定理,塑性変形仕事増分とひずみエネルギ,変位増分不連続面におけるせん断仕事増分,摩擦の仮定と摩擦仕事増分(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題04
(授業外学習・事前)力学における仕事の概念を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
5週 上界法の基本的問題-平行平板の平面ひずみ圧縮 その1(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題05
(授業外学習・事前)塑性加工学Ⅰの平行平板の圧縮(初等解析法)を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
6週 上界法の基本的問題-平行平板の平面ひずみ圧縮 その2(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題06
(授業外学習・事前)上界法の3つの仕事増分を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
7週 上界法による簡単な押出し加工の解析 その1(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題07
(授業外学習・事前)上界法の平行平板の圧縮を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
8週 上界法による簡単な押出し加工の解析 その2(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題08
(授業外学習・事前)塑性加工学Ⅰの押出し加工を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
2ndQ
9週 中間試験
10週 上界法による自由鍛造(コギング)の解析(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題09
(授業外学習・事前)塑性加工学Ⅰの鍛造加工を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
11週 上界法による押出しの解析(最適化の無い場合)(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題10
(授業外学習・事前)塑性加工学Ⅰにおける押出し加工を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
12週 上界法による押出しの解析(最適化を伴う場合その1)(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題11
(授業外学習・事前)関数の極値の求め方(数学)を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題について授業で解説したところまでを完成する(約3時間)
13週 上界法による押出しの解析(最適化を伴う場合その2)(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題12
(授業外学習・事前)関数の極値の求め方(数学)を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
14週 上界法による押出しの解析(せん断摩擦仕事増分のみを考慮する問題)
グループ討議と解法の説明(ALレベルB)
授業内容を①理解し②説明できる (教室外学修)演習問題12
(授業外学習・事前)これまでに学習した上界法の例題を復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)課題の演習問題を完成する(約3時間)
15週 期末試験
16週 期末試験解答解説(ALレベルC) 授業内容を①理解し②説明できる (教室外学習)演習問題14

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4

評価割合

中間試験期末試験合計
総合評価割合100100200
得点100100200