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流体力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 流体力学Ⅰ
科目番号 0128 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 日本機械学会, "JSMEテキストシリーズ　流体力学". 日本機械学会
担当教員 中谷 淳

到達目標

下記項目を評価に従い理解することを到達目標とする。
①　流体力学の基礎（１章、２章）
②　静止流体の力学（３章）
③　一次元流れ（４章、５章）
④　粘性流体の流れ（８章、９章）
⑤　管内流れ（６章）
⑥　揚力と抗力（７章）

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①　流体力学の基礎流体力学の基礎に関する理論や定理を何も見ないで説明でき、関連する問題を一人で解くことができる流体力学の基礎に関連する問題を一人で解くことができる流体力学の基礎に関連する問題を一人で解くことができない
②　静止流体の力学静止流体の力学に関する理論や定理を何も見ないで説明でき、関連する問題を一人で解くことができる静止流体の力学に関連する問題を一人で解くことができる静止流体の力学に関連する問題を一人で解くことができない
③　一次元流れ一次元流れに関する理論や定理を何も見ないで説明でき、関連する問題を一人で解くことができる一次元流れに関連する問題を一人で解くことができる一次元流れに関連する問題を一人で解くことができない
④　粘性流体の流れ粘性流体の流れに関する理論や定理を何も見ないで説明でき、関連する問題を一人で解くことができる粘性流体の流れに関連する問題を一人で解くことができる粘性流体の流れに関連する問題を一人で解くことができない
⑤　管内流れ　管内流れに関する理論や定理を何も見ないで説明でき、関連する問題を一人で解くことができる管内流れに関連する問題を一人で解くことができる管内流れに関連する問題を一人で解くことができない
⑥　揚力と抗力揚力と抗力に関する理論や定理を何も見ないで説明でき、関連する問題を一人で解くことができる揚力と抗力に関連する問題を一人で解くことができる揚力と抗力に関連する問題を一人で解くことができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
流体力学は機械工学科に在籍する学生が身に付けるべき基礎的な専門科目の一つである．よって，本授業で扱う内容は，機械工学科出身者として技術者の世界に飛び込んだときに基本として知っておくべき内容で構成される．
授業の進め方・方法:
教科書/教材に示す専門書を踏まえて重要な箇所を説明する．また，理論や定理に関連する証明は教室外学修で取り組む．
注意点:
授業では学習内容の要点を説明する．「人に教わる」よりも「自ら学ぶ」姿勢を身に付けて貰うことを重視する．具体的には，質問する場合は，「分からないから教えてください」という質問は避け，「分からないなりに自分でこんな感じで考えてみたが適切であるか？」という質問を心掛けること．教室外学修の内容も試験範囲とする．
試験は，章，又は内容毎に実施する（極力，定期試験は実施しない）．また、宇宙航空研究開発機構（JAXA）のサクセスクライテリア（成功基準）の考え方を取り入れた自由課題を設定する．
英語導入計画：Technical terms

授業計画

週 授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス，流体力学について（その１）：流体力学とはどういった学問か？ 流体力学がどういった学問であるかを理解する。
（教室外学修）流体力学に関連する身近な現象を調査する
2週 流体力学について（その２）：流体力学の先にあるもの 流体力学の応用例を理解する。
（教室外学修）機械設計技術者試験への関心を高める
3週 粘性と圧縮性、さまざまな流れ 粘性と圧縮性に対する理解を深める
（教室外学修）流体の分類を調べる
4週 単元テスト①
5週 圧力の基礎 流体の圧力について理解する
（教室外学修）気圧の式の導出
6週 マノメータ 圧力測定装置であるマノメータの原理を流体力学的視点から理解する
（教室外学修）傾斜マノメータの式の導出等
7週 面に作用する圧力 固体壁面にかかる圧力を理解する
（教室外学修）圧力中心の式の導出
8週 浮力 浮力の原理、および浮力に関する各種問題を解く
（教室外学修）メタセンタについて調査
2ndQ
9週 単元テスト②
10週 動力学の基礎 流体の動力学について理解する
（教室外学修）身近な動力学を調査する
11週 質量保存則と連続の式 連続の式を理解する
（教室外学修）連続の式の導出
12週 エネルギー保存則とベルヌーイの式 ベルヌーイの式を理解する
（教室外学修）運動量の存則に基づくベルヌーイの式の導出
13週 運動方程式とオイラーの運動方程式 オイラーの運動方程式について理解する
（教室外学修）オイラーの運動方程式の導出
14週 運動量保存則と運動量の式 運動量の式を理解する
（教室外学修）運動量の式を用いた問題演習
15週 単元テスト③
16週 前期のまとめ（前期）
後期
3rdQ
1週 粘性流れの基礎 理想流体の流れと比較して、粘性流れの特徴を理解する。
（教室外学修）粘性流れにおけるベルヌーイの式の理解
2週 層流と乱流 層流、乱流について理解する
（教室外学修）身近な層流と乱流を調査する
3週 ダルシー・ワイズバッハの式 ダルシー・ワイズバッハの式ろ理解する。
（教室外学修）ダルシー・ワイズバッハの式の導出
4週 円管内層流の速度分布 円管内層流の速度分布を理解する
（教室外学修）円管内層流の流れの式の導出
5週 ハーゲン・ポアズイユ流れ ハーゲン・ポアズイユ流れを理解する
（教室外学修）ハーゲン・ポアズイユ流れの式の導出
6週 円管内乱流の速度分布 円管内乱流の速度分布を理解する
（教室外学修）円管内乱流の流れの式の導出
7週 ムーディ線図 ムーディ線図を理解すると共に、粗い壁面をもつ円管内乱流の考え方を理解する。
（教室外学修）ムーディ線図を利用した演習
8週 単元テスト④
4thQ
9週 外部流れの基礎 外部流れについて理解する
（教室外学修）外部流れに関連する実例を調査する。
10週 抗力と揚力 抗力と揚力について理解する。
（教室外学修）揚力の発生原理を調査
11週 円柱まわりの流れ① 理想流体における円柱まわりの流れを理解する
（教室外学修）圧力分布の式の導出
12週 円柱まわりの流れ② 粘性流体における円柱まわりの流れを理解する
（教室外学修）マグナス効果について調査
13週 演習課題
14週 単元テスト⑤
15週 演習課題
16週 流体力学Ⅰのまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4前1,前2
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4
パスカルの原理を説明できる。4
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4
物体に作用する浮力を計算できる。4
定常流と非定常流の違いを説明できる。4
流線と流管の定義を説明できる。4
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4
オイラーの運動方程式を説明できる。4
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4
層流と乱流の違いを説明できる。4
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4

評価割合

試験(Web試験含む)確認課題4月課題自由課題合計
総合評価割合60301020120
基礎知識403010080
応用力20002040