熱力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 熱力学Ⅰ
科目番号 0184 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 わかりやすい熱力学(一色尚次・北山直方共著、森北出版), JSMEテキストシリーズ:熱力学(日本機械学会編、丸善)を参考書として薦める。
担当教員 石丸 和博

到達目標

以下の項目を到達目標とする。
① 熱力学第1法則(エネルギー式を含む)から熱と仕事の関係を理解し、応用して問題に対処できる。
② 理想気体の性質、および基本的状態変化を理解し、熱量および仕事量を計算できる。
③ 熱力学第2法則の意味(エネルギーの移動・方向性)を理解し、エントロピーを計算できる
④ 水の性質を理解し、飽和表、および圧縮水と過熱蒸気の表、そして蒸気線図を利用して問題に対処できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学第1法則(エネルギー式を含む)から熱と仕事の関係を説明し、これを応用した問題を(8割以上)解くことができる。熱力学第1法則(エネルギー式を含む)から熱と仕事の関係を説明し、これを応用した問題を(6割以上)解くことができる。熱力学第1法則(エネルギー式を含む)から熱と仕事の関係を説明できず、これを応用した問題を解くことができない。
評価項目2理想気体の性質、および基本的状態変化を説明し、熱量および仕事量を求める問題を(8割以上)解くことができる。理想気体の性質、および基本的状態変化を説明し、熱量および仕事量を求める問題を(6割以上)解くことができる。理想気体の性質、および基本的状態変化を説明できず、熱量および仕事量を求める問題を解くことができない。
評価項目3熱力学第2法則の意味(エネルギーの移動・方向性)を説明し、エントロピーを求める問題を(8割以上)解くことができる。熱力学第2法則の意味(エネルギーの移動・方向性)を説明し、エントロピーを求める問題を(6割以上)解くことができる。熱力学第2法則の意味(エネルギーの移動・方向性)を説明できず、エントロピーを求める問題を解くことができない。
評価項目4水の性質を説明し、飽和表、および圧縮水と過熱蒸気の表、そして蒸気線図を利用した問題を(8割以上)解くことができる。水の性質を説明し、飽和表、および圧縮水と過熱蒸気の表、そして蒸気線図を利用した問題を(6割以上)解くことができる。水の性質を説明できず、飽和表、および圧縮水と過熱蒸気の表、そして蒸気線図を利用した問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では、1,2,3学年で学ぶ物理の知識や1,2学年で学ぶ化学の知識を基に、熱力学に関する知識を身に着ける
授業の進め方・方法:
授業は、教科書と板書を中心に行うので、各自学習ノートを充実させること。
注意点:
1,2,3学年に学習した物理のうち特に仕事とエネルギー、1,2学年で学習した化学のうち特に気体の状態方程式と物質量について、十分に復習しておくこと。
学習・教育目標:(D-4)100% 
JABEE基準1(1):(d)(100%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学を学ぶ意義・閉じた系と開いた系 熱力学を学ぶ意義・閉じた系と開いた系に関して理解できる。
2週 熱と熱平衡 熱と熱平衡に関して理解できる。
3週 単位と記号および状態量と非状態量 単位と記号および状態量と非状態量に関して理解できる。
4週 熱と仕事 熱と仕事に関して理解できる。
5週 絶対仕事および閉じた系の熱力学第一法則 絶対仕事および閉じた系の熱力学第一法則に関して理解できる。
6週 工業仕事および開いた系の熱力学第一法則 工業仕事および開いた系の熱力学第一法則に関して理解できる。
7週 総合演習(1)(B) 熱力学の基本的事項および仕事に関して理解できる。
8週 中間試験 中間試験
2ndQ
9週 理想気体の状態方程式 理想気体の状態方程式に関して理解できる。
10週 比熱・内部エネルギーおよびエンタルピー 比熱・内部エネルギーおよびエンタルピーに関して理解できる。
11週 理想気体の状態変化 理想気体の状態変化に関して理解できる。
12週 理想気体の可逆変化・不可逆変化 理想気体の可逆変化・不可逆変化に関して理解できる。
13週 混合気体 混合気体に関して理解できる。
14週 総合演習(2)(B) 理想気体に関して理解できる。
15週 前期期末試験 前期期末試験
16週 期末試験の解答の解説と前期のまとめ 熱力学の基本的事項(熱と仕事の関係)および、理想気体に関して理解できる。
後期
3rdQ
1週 熱力学第二法則の表現 熱力学第二法則の表現に関して理解できる。
2週 可逆サイクルの熱効率 可逆サイクルの熱効率に関して理解できる。
3週 カルノーサイクル カルノーサイクルに関して理解できる。
4週 クラウジウス積分 クラウジウス積分に関して理解できる。
5週 エントロピー(1) エントロピー(1)に関して理解できる。
6週 エントロピー(2) エントロピー(2)に関して理解できる。
7週 総合演習(3)(B) 熱力学第二法則とエントロピーに関して理解できる。
8週 中間試験 中間試験
4thQ
9週 蒸気の一般的性質 蒸気の一般的性質に関して理解できる。
10週 蒸気の状態変化および蒸気線図 蒸気の状態変化および蒸気線図に関して理解できる。
11週 実在気体の状態式 実在気体の状態式に関して理解できる。
12週 蒸気に関する計算方法(1) 蒸気に関する計算方法(1)に関して理解できる。
13週 蒸気に関する計算方法(2) 蒸気に関する計算方法(2)に関して理解できる。
14週 総合演習(4)(B) 蒸気に関して理解できる。
15週 後期期末試験 後期期末試験
16週 期末試験の解答の解説と後期のまとめ 熱力学第二法則および蒸気に関して理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4
パスカルの原理を説明できる。4
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4
熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4
熱力学の第二法則を説明できる。4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4
固体、液体および理想気体におけるエントロピーの変化量を計算できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4
熱の有効エネルギーを説明できる。4
水の等圧蒸発過程を説明できる。4
飽和蒸気、湿り蒸気、過熱蒸気の状態量を計算できる。4
蒸気の状態量を蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8317100
得点8317100