伝熱工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 伝熱工学Ⅱ
科目番号 0202 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 見える伝熱工学(小川邦康,コロナ社,2011,10)を教科書として用いる。また適宜プリントを配布する。
担当教員 山本 高久

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
① 熱交換器の熱交換量を算出できる能力。
② 非定常熱伝導の基礎方程式を理解し,それを解析する能力ならびに解の特性を理解する能力。
③ 対流場における熱拡散の基礎方程式を導く能力とそれを解析する能力。
④ 沸騰や凝縮など,相変化を伴う熱伝達の特徴を理解し,諸式を利用する能力。
⑤ 放射熱伝達に関する諸法則を理解し,複雑な放射熱伝達現象を取り扱う能力。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
熱交換器に関する問題を80%以上解答することができる。熱交換器に関する問題を60%以上解答することができる。熱交換器に関する問題を解答できない。
非定常熱伝導の基礎方程式を導き,基本的な条件下の解を80%程度求められる。非定常熱伝導の基礎方程式を導き,基本的な条件下の解を60%程度求められる。非定常熱伝導の基礎方程式を導くことができない。
対流場における熱拡散の基礎方程式を導き,基本的な条件下の解を80%程度求められる。対流場における熱拡散の基礎方程式を導き,基本的な条件下の解を60%程度求められる。対流場における熱拡散の基礎方程式を導くことができない。
相変化を伴う熱伝達現象の特徴を理解し,各種実験式を80%程度利用できる。相変化を伴う熱伝達現象の特徴を理解し,各種実験式を60%程度利用できる。相変化を伴う熱伝達現象の特徴を理解できておらず,各種実験式をりようすることができない。
放射熱伝達に関する諸法則を理解し,複雑な放射熱伝達の演習問題を80%程度解くことができる。放射熱伝達に関する諸法則を理解し,複雑な放射熱伝達の演習問題を60%程度解くことができる。放射熱伝達に関する諸法則を理解できておらず,複雑な放射熱伝達の演習問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
伝熱工学Iで習得した知識に基づいて,熱交換器,非定常熱伝導・対流熱伝達の解析・そう変化を伴う熱伝達・複雑な放射熱伝達などの取り扱い方法を修得し,熱移動現象の解析能力を高める。
授業の進め方・方法:
本授業は教科書をおよび板書を中心に行う。
注意点:
必ずノートをとるように。また,理解を促進するために演習等を行うので必ず自分の力で解くこと。本授業で取り扱う内容は伝熱工学I(第4学年)と深く関連しているので,事前に復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱交換器 熱交換器について理解出来る。
2週 非定常熱伝導1 非定常熱伝導の基礎式 非定常熱伝導の基礎式について理解出来る。
3週 非定常熱伝導2 フーリエ級数を用いた解析方法 フーリエ級数を用いた解析方法について理解出来る。
4週 非定常熱伝導3 ラプラス変換を用いた解析方法 ラプラス変換を用いた解析方法について理解出来る。
5週 非定常熱伝導4 数値解法 非定常熱伝導の数値解法について理解出来る。
6週 対流熱伝達1 強制対流熱伝達の基礎式と無次元数(ALレベルのC) 強制対流熱伝達の基礎式と無次元数について理解出来る。
7週 対流熱伝達2 自然対流熱伝達の基礎式とグラスホフ数 自然対流熱伝達の基礎式とグラスホフ数について理解出来る。
8週 中間のまとめ
2ndQ
9週 対流熱伝達3 境界層近似と運動量積分方程式 境界層近似と運動量積分方程式について理解出来る。
10週 対流熱伝達4 層流熱伝達のプロフィル法による解 層流熱伝達のプロフィル法による解について理解出来る。
11週 対流熱伝達5 コルバーンの相似則と乱流熱伝達 コルバーンの相似則と乱流熱伝達について理解出来る。
12週 相変化を伴う熱伝達 沸騰・凝縮熱伝達(ALレベルのC) 沸騰・凝縮熱伝達について理解出来る。
13週 放射熱伝達1 ランバートの法則,気体の熱放射 ランバートの法則,気体の熱放射について理解出来る。
14週 放射熱伝達2 複雑な配置にある2面間の放射熱伝達 複雑な配置にある2面間の放射熱伝達について理解出来る。
15週 期末試験
16週 総括

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体伝熱の基本形態を理解し、各形態における伝熱機構を説明できる。4
フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。4
平板および多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。4
対流を伴う平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱通過率を計算できる。4
ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。4
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。4
平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。4

評価割合

課題発表合計
総合評価割合5050100
得点5050100