電気回路I

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気回路I
科目番号 0019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 交流理論(遠山和之他,理工図書,2018.4)
担当教員 飯田 民夫

到達目標

電気工学の基礎となる直流回路と交流回路 について、演習に重点をおきながら学習する。
以下に学習・教育目標を示す。
①直流回路の考え方を理解する
②正弦波交流のベクトル表示を理解する
③複素記号法と極座標表示を理解する
④交流回路の基本的な法則を理解する
⑤網目法と接続点法を理解する
⑥円線図とベクトル軌跡を理解する
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
直流回路の計算問題を6割以上できる。 直流回路に関して、例題および章末問題を8割以上正確に解くことができる。直流回路に関して、例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。 直流回路に関して、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。
正弦波交流のベクトル表示を用いた計算問題を6割以上できる。 正弦波交流のベクトル表示に関して、例題および 章末問題を8割以上正確に解くことができる。 正弦波交流のベクトル表示 に関して、例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。正弦波交流のベクトル表示に関して、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。
複素記号法と極座標表示を用いた計算問題を6割以上できる。複素記号法と極座標表示に関して、例題および章末問題を8割以上正確に解くことができる。複素記号法と極座標表示に関して、例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。 複素記号法と極座標表示に関して、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。
交流回路の基本的な法則用いた計算問題を6割以上できる。 交流回路の基本的な法則に関して、例題および章末問題を8 割以上正確に解くことができる。交流回路の基本的な法則に関して、例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。 交流回路の基本的な法則に関して、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。
網目法と接続点法を用いた計算問題を6割以上できる。 網目法と接続点法に関して、例題および章末問題を8割以上正確に解くことができる。網目法と接続点法に関して、例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。網目法と接続点法に関して、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。
円線図とベクトル軌跡について理解でき、これらに関する計算問題を6割以上できる。 円線図とベクトル軌跡に関して、例題および章末 問題を8割以上正確に解くことができる。 円線図とベクトル軌跡に関して、例題および章末問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができ る。 円線図とベクトル軌跡に関して、例題および章末問題を6割未満しか解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気情報工学科の基幹科目としての電気回路について、教科書の1~3章を理解する。
授業の進め方・方法:
直流回路について説明した後、教科書の内容に沿って講義をする。例題や演習を用いて学習する。また、教科書は以後の学年でも用いるので大切に扱うこと。
(事前準備の学習)三角関数や指数関数、ベクトルや複素数、微分・積分など電気数学を多く用いるので、数学を復習しておくこと。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である。
授業中の許可の無い携帯ゲーム機、スマートフォンなどの使用や授業と関係の無い課題に取り組むなどの行為は禁止する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 抵抗器
(ALのレベルC)
直流電圧と抵抗と電流の関係、オームの法則について理解する。それらの関係を説明し、計算することができる。
2週 電圧源と電流源
(ALのレベルC)
電圧源と電流源の等価回路の相互変換ができる。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。
3週 抵抗の直列接続と並列接続
(ALのレベルC)
抵抗の直列接続と並列接続について、その合成抵抗を求める事ができる。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。
4週 キルヒホッフの法則
(ALのレベルC)
キルヒホッフの法則について、電流則と電圧則を理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。
5週 電力とエネルギー
(ALのレベルC)
電力とエネルギーの関係性を理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。電力量と電力を説明し、これらを計算できる。
6週 正弦波交流電圧の発生
(ALのレベルC)
正弦波交流電圧の発生について理解する。瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。
7週 正弦交流の用語
(ALのレベルC)
正弦交流の用語について理解する。正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。
8週 前期中間試験 60%以上の正解率で問題を解くことができる。
2ndQ
9週 交流の大きさと波形
(ALのレベルC)
交流の大きさと波形について、特に合成方法を理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。
10週 回路素子
(ALのレベルC)
回路素子として、抵抗以外の素子がある事を理解する。
11週 R,L,Cの働き
(ALのレベルC)
R,L,Cの働きについて電圧と電流の関係から理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。
12週 RL回路
(ALのレベルC)
RL直列交流回路の電圧と電流の関係について理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。
13週 RC回路
(ALのレベルC)
RC直列交流回路の電圧と電流の関係について理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる
14週 RLC回路
(ALのレベルC)
RLC直列交流回路の電圧と電流の関係について理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。
15週 前期期末試験 60%以上の正解率で問題を解くことができる。
16週 前期期末試験の解説 前期授業内容について復習する。
後期
3rdQ
1週 直列・並列共振
(ALのレベルC)
直列・並列共振回路について理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。
2週 複素数表記
(ALのレベルC)
電気回路の複素数表記について理解する。特にインピーダンスの複素数表記が理解できる。
3週 正弦波と複素数の対応
(ALのレベルC)
正弦波と複素数の対応について、フェーザの回転との関係性を理解する。正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。
4週 複素インピーダンス
(ALのレベルC)
複素インピーダンスを用いて、もう一度体系立てて交流回路を理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。
5週 インピーダンスとアドミタンス
(ALのレベルC)
インピーダンスとアドミタンスについて、逆数の関係性を理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。
6週 閉路方程式
(ALのレベルC)
閉路方程式の解き方を理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。網目電流法を用いて回路の計算ができる。
7週 節点方程式
(ALのレベルC)
節点方程式の解き方を理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。節点電位法を用いて回路の計算ができる。
8週 後期中間試験 60%以上の正解率で問題を解くことができる。
4thQ
9週 電力保存則と最大電力供給定理
(ALのレベルC)
電力保存則と最大電力供給定理について理解する。 以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。
10週 重ねの理
(ALのレベルC)
重ねの理について、電圧源と電流源の取扱の違いを理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。重ねの理を用いて、回路の計算ができる。
11週 テブナンの定理とノートンの定理
(ALのレベルC)
テブナンの定理とノートンの定理*の双対性を理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。
12週 定抵抗回路
(ALのレベルC)
定抵抗回路について理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。
13週 三角結線と星形結線の等価変換
(ALのレベルC)
三角結線と星形結線の等価変換について理解する。以上について、文字式と数値式で計算をすることができる。
14週 円線図とベクトル軌跡
(ALのレベルC)
円線図とベクトル軌跡について理解する。
15週 後期期末試験 60%以上の正解率で問題を解くことができる。
16週 後期期末試験の解説 後期授業内容について復習する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4前1,前3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4後4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4前4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4後13
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4前3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4前5
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4前7
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4前9
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4前6,後3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4前11
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4前6
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4後5
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4後5
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4後7
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4前16
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4後10
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4後6
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4後7
計測倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4後11
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4前2
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4前4
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。4後4

評価割合

中間試験期末試験授業外課題合計
総合評価割合200200100500
前期得点10010050250
後期得点10010050250