科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 倫理
科目番号 0023 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:『倫理』(東京書籍)、資料集:『最新図説 倫理』(浜島書店)。必要に応じてプリント等を配布する。
担当教員 久保田 圭司,大塚 章

到達目標

1. 青年期の心の在り方や青年期の課題を学ぶことによって、生きるということについて自覚を深める。
2. 世界や日本の思想家・宗教家などの先人の、さまざまな考え方や生き方を理解する。
3. 現代のさまざまな倫理的問題について、自らの考えをまとめ、発表する。
岐阜高専ディプロマポリシー:(A)及び(C)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1青年期の特徴とその課題についての問題を、正しく理解し答えることができる。青年期の特徴とその課題についての問題を、概ね正しく答えることができる。青年期の特徴とその課題についての問題に、十分に答えることができない。
到達目標2世界及び日本の先人の考え方・生き方についての問題を深く理解し、正しく答えることができる。世界及び日本の先人の考え方・生き方についての問題を理解し、概ね正確に答えることができる。世界及び日本の先人の考え方・生き方についての問題に、十分に答えることができない。
到達目標3現代の倫理的諸問題に対して自ら思考し、論理的に説明することができる。現代の倫理的諸問題に対して自ら思考し、説明することができる。現代の倫理的諸問題に対して自ら思考し、説明することが十分できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「倫理」とは、社会との関わりにおいて、人間とはなにか、生きるということはなにかを問いかける学問である。
そのため倫理の授業では、①青年期の心のあり方や、青年期の課題を理解し、②世界および日本の先人たちの生き方や考え方を理解することを目標とする。それらの学習の上にたって、③現代社会における倫理的諸問題について、主体的に考え、意見を発表する力、さらには他の意見を聴き、より思索を深める態度を育成することを目指す。
授業の進め方・方法:
授業は講師による講義と、それに対する質疑応答、意見交流を中心とする<ALのレベルC>。随時、グループ討議などの体験的な学習に取り組む<ALのレベルB><ALのレベルA>。
英語導入計画:なし
注意点:
学習・教育目標(A-1)100%
授業は、一年を通じて連続し、相互に関連した内容となっている。考査では、以前の既習部分も出題されることもあるため、不断の授業記録作成と整理を期待する。授業記録については、課題・レポートに関する評価項目とする。
授業内容を確実に身につけるため、予習復習が必須である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス及びイントロダクション「倫理とは……?」<ALのレベルC> シラバスに基づいて,授業の目標などを、理解する。
2週 青年期の課題と生き方①-青年期の特徴<ALのレベルC> 青年期の位置づけや特徴について理解する。
3週 青年期の課題と生き方②-<ALのレベルC> アイデンティティの確立など、青年期の課題について理解する。
4週 古代ギリシャの思想①-自然哲学とソフィスト<ALのレベルC> 自然哲学やソフィストからソクラテスの登場までの流れを理解する。
5週 古代ギリシャの思想②-ソクラテス<ALのレベルC> ソクラテスの思想を理解するとともに「哲学」の意味を考える。
6週 古代ギリシャの思想③-プラトン・アリストテレス<ALのレベルC> ソクラテスを受け継いだプラトンとアリストテレスの思想を理解する。
7週 中間試験
8週 キリスト教の教え①-成立<ALのレベルC> キリスト教の成立とその基本的思想を理解する。
2ndQ
9週 キリスト教の教え②-展開<ALのレベルC> キリスト教の展開とヨーロッパ世界に及ぼした影響について理解する。
10週 イスラ-ム-成立と展開<ALのレベルC> イスラームの成立とその基本的思想を理解すするとともに、中東世界に及ぼした影響について理解する。
11週 仏教の教え①-成立<ALのレベルC> 仏教の成立とその基本的思想を理解する。
12週 仏教の教え②-展開<ALのレベルC> 仏教の展開と東アジア世界に及ぼした影響について理解する。
13週 中国の思想①-儒家の思想<ALのレベルC> 孔子の思想と、その後の儒家の流れを理解する。
14週 中国の思想②-道家の思想など<ALのレベルC> 道家の思想など理解するとともに、中国の思想が日本など周辺諸国に与えた影響について理解する。
15週 期末試験
16週 現代の課題を考える①-「宗教と現代」(グループ討議)<ALのレベルB> 文化と宗教に関わる現代の課題について、身近なテーマを設定して考える。
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス→日本人の精神風土<ALのレベルC> 日本の風土と精神文化について理解する。
2週 前近代の日本人の思想①-仏教・儒教の受容(古代)<ALのレベルC> 日本における仏教の受容とその後の日本仏教の流れについて理解する。
3週 前近代の日本人の思想②-日本仏教の発展(中世)<ALのレベルB> 日本仏教の展開について、グループでの共同作業などにより、関心を深める。
4週 前近代の日本人の思想③-儒教の流れ(近世)<ALのレベルC> 日本における儒教の受容と展開について理解する。
5週 前近代の日本人の思想④-国学+洋学・庶民の思想(近世)<ALのレベルC> 江戸時代の国学や諸学問の発達について理解し、前近代の日本の思想のまとめとする。
6週 現代の課題を考える②-(グループ討議)<ALのレベルB> 文化と宗教、地域社会。国際化などの現代の課題について、身近なテーマを設定して考える。
7週 中間試験
8週 ヨーロッパ近代の思想の原点(ルネサンスと宗教改革)<ALのレベルC> ルネサンスと宗教改革について理解する。
4thQ
9週 近代科学の成立(デカルト、ベーコン)<ALのレベルC> 近代科学の成立をデカルトやベーコンの思想から理解する。
10週 社会契約説(ホッブズ、ロック、ルソー)<ALのレベルC> 市民革命の理論となった社会契約説の考え方を理解する。
11週 人格の尊厳(カント、ヘーゲル)<ALのレベルC> カント、ヘーゲルの思想を理解し、現代の人権思想に結びつける。
12週 社会変革の倫理-功利主義から社会主義・実証主義・プラグマティズムへ<ALのレベルC> 功利主義やその後の社会主義、プラグマティズムなどの思想を理解する。
13週 現代の思想-実存哲学を中心に<ALのレベルC> キルケゴールやニーチェなどの実存哲学を中心に現代の思想を概観する。
14週 近現代の日本人の思想-西洋思想と日本人の近代化<ALのレベルC> 西洋思想の影響をうけた近代以降の日本人の思想や考え方について理解する。
15週 期末試験
16週 現代の課題を考える③-(ディベート)<ALのレベルA> 現代の諸課題のうち、身近なテーマを選んで、ディベートを行い、成果を発表する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。2前14,後4,後5
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。2後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3前7,前10,前11,前12,後11,後12,後14
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後14

評価割合

試験課題・ノート提出平常点合計
総合評価割合1008020200
前期504010100
後期504010100