科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 倫理
科目番号 0023 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書として、『倫理』(東京書籍)を指定する。
その他、必要に応じて学習材(プリント等)を配布する。
担当教員 高松 世津子,小早川 裕悟

到達目標

①現代の倫理的諸問題について自ら考え、その考えを記述や発表において論理的に聞き手に伝えることができる。
②世界の哲学者や思想家が示した思想について理解できる。
③日本を含む世界の宗教について理解できる。
岐阜高専ディプロマポリシー:(A)及び(C)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標①現代の倫理的諸問題に対して自発的に思考し、記述や発表などにおいて論理的に説明することができる。現代の倫理的諸問題に対して思考し、記述や発表などにおいて説明することができる。現代の倫理的諸問題に対して思考できず、記述や発表などにおいて説明することもできない。
到達目標②世界の哲学者や思想家が示した思想に関する問題を正しく理解し、応用的に考えることができる。世界の哲学者や思想家が示した思想に関する問題を理解できる。世界の哲学者や思想家が示した思想に関する問題を理解できない。
到達目標③日本及び世界の宗教に関する問題を正しく理解し、応用的に考えることができる。日本及び世界の宗教に関する問題を理解できる。日本及び世界の宗教に関する問題を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
倫理とは、思想だけではなく、現代社会や環境問題などの現代の問題とも結びつく学問である。 
前期授業では、現代の諸問題を具体的に取り上げ、グループワークなどに取り組むことにより、倫理的思想が与えている影響を学生自身が考え、学生の倫理的思考力の定着を図る。また、発表では、グループで課題を設定し、パワーポイントを作成する。そのため、発表内容はもちろんのこと、聞き手を意識した取り組みや意識が求められる。後期授業では、様々な宗教や思想などを学び、人権や幸福などが保障されている現代国家及び人間形成といかに結びついているかを理解する。
以上により、倫理を題材とした様々な思想の定着により、現代社会において発生する事象を様々な視点からの分析ができるようになることを本授業の目的とする。さらに、プレゼンテーションを通して、今日の技術者に求められる多様な観点からの分析と自らの考えを的確に伝える力を養成する一助となることも目的の1つとして設定する。
授業の進め方・方法:
本授業は、教員による講義や各自の文章作成、グループワーク・プレゼンテーションなどのアクティブ・ラーニングを組み合わせ、倫理の基本的知識・考えを習得する。
(事前準備の学習)教科書に目を通しておくこと。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
前期の授業内容を後期で使用することや発表内容を定期試験で出題することもあるため、授業内容・発表内容をプリントに記入する。また、グループワークなどにおいては教員の指示をしっかりと聞き、教員の要求に対応していくことが必要となる。
授業内容を確実に身につけるため、予習・復習が必須である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期授業ガイダンス及び人間の心のあり方➀<ALのレベルB> 人間とは、自己とは何かについて理解する。
2週 人間の心のあり方➁
<ALのレベルC>
発達および青年期における自己理解について理解する。
3週 日本人の精神風土・仏教と日本人の思想形成➀<ALのレベルC> 日本人の自然観や宗教観、仏教の影響について理解する。
4週 日本人の精神風土・仏教と日本人の思想形成➁〈ALのレベルC〉
仏教についてと、その日本的展開について理解する。
5週 国際社会に生きる日本人の自覚・現代の諸問題と倫理➀<ALのレベルC> 戦後日本の思想、および生命倫理について理解する。
6週 現代諸問題と倫理➁
<ALのレベルC>
環境問題、および科学技術について理解する。
7週 現代の諸問題と倫理➂
<ALのレベルC>
社会福祉、および文化・宗教について理解する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 現代の諸問題と倫理④
<ALのレベルC>
戦争と平和、および消費社会の現状について理解する。
10週 現代の諸問題と倫理➄グループワーク
<ALのレベルB>
課題を決め内容を理解し調べながらプレゼン準備グループで行うことを遠し、問題意識や倫理的理解を深める
11週 現代の諸問題と倫理⑥プレゼンテーション⑴<ALのレベルA> プレゼンテーションを実施する体験を通し、理解を深め発表技術を身につける。
12週 現代の諸問題と倫理➆プレゼンテーション⑵<ALのレベルA> プレゼンテーションを実施する体験を通し、理解を深め発表技術を身につける。
13週 現代の諸問題と倫理➇プレゼンテーション⑶<ALのレベルA> プレゼンテーションを実施する体験を通し、理解を深め発表技術を身につける。
14週 現代の諸問題と倫理➈プレゼンテーションの振り返りと小論文<ALのレベルB> 全員でプレゼンテーションの振り返りをおこない、さらに自身のテーマで「現代の諸問題と倫理」に関する小論文を記述する。
15週 期末試験
16週
後期
3rdQ
1週 後期授業ガイダンス及び古代ギリシャ思想
<ALのレベルC>
ソクラテス・プラトン・アリストテレスの思想とそれぞれの違いを理解する。
2週 キリスト教
<ALのレベルC>
キリスト教の基本的思想を理解する。
3週 イスラム教
<ALのレベルC>
イスラム教の基本的思想を理解する。
4週 中国古代思想、および芸術と社会について
<ALのレベルC>
主な中国古代思想、および人間にとっての芸術の意味などについて理解する。
5週 ルネサンスと近代科学の成立
<ALのレベルC>
ルネサンス以降における近代科学の成立哲学思想の側面から理解する。
6週 デカルトの思想
<ALのレベルC>
デカルトの思想が、現代世界の中でどのように反映されているかを理解し記述する。
7週 社会契約説
<ALのレベルC>
ホッブス・ロック・ルソーの説を中心に、社会契約説について理解する。
8週 中間試験
4thQ
9週 人倫の思想から功利主義・社会主義の思想へ<ALのレベルC> カントとヘーゲルの人格の尊厳・人倫の思想と、ベンサム・ミル・マルクスの思想について理解する。
10週 理性への疑念と実存主義、新たな知の枠組み
<ALのレベルC>
キルケゴール・ハイデッガー・ヤスパース・サルトル・フーコーの思想について理解する。
11週 日本の宗教・思想➀古代から平安期
<ALのレベルC>
日本人独特の自然観・宗教観および飛鳥・奈良・平安期の宗教について理解する。
12週 日本の宗教・思想➁中世
<ALのレベルC>
鎌倉・室町時代を中心とした宗教・思想について理解する。
13週 日本の宗教・思想➂近世・明治
<ALのレベルC>
日本近世期の宗教・思想の変遷および明治近代化における大きな変化について理解する。
14週 日本の宗教・思想④大正から現代
<ALのレベルC>
大正期以降の日本の思想・宗教について理解する。
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3前3,前4,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。2前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。2前5,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後14
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10

評価割合

試験課題・報告ノート提出合計
総合評価割合1405010200
前期70255100
後期70255100