応用数学A

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用数学A
科目番号 0053 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気情報工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜プリントを配布する. また, 基礎解析学(改訂版)(矢野, 石原・裳華房), 新訂 確率統計(高遠ほか・大日本図書)を参考書として用いる.
担当教員 柴田 欣秀

到達目標

多くの工業的分野や他の応用数学に応用され, 第4学年の応用数学でも学ぶ複素関数の微分・積分や確率・統計の基礎的事項を理解し, 計算できることを目標とする. 特に, 微分積分を含む数学は基礎知識として関連があり, 微分積分などの応用事例としての理解が深まる事も期待できる.

①複素数の定義や性質による計算
②複素平面に関する理解と計算
③複素変数と複素関数に関する計算
④確率の定義や性質による計算
⑤確率分布に関する理解と計算
⑥特に2項分布に関する理解と計算

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1複素数の基礎的な定義や性質を利用した計算問題を正確(8割以上)に解くことができる.複素数の基礎的な定義や性質を利用した計算問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる.複素数の基礎的な定義や性質を利用した計算問題を解くことができない.
評価項目2複素平面の概念を理解し, 視覚的な説明とともに, 関連する計算問題を正確(8割以上)に解くことができる.複素平面の概念を理解し, 視覚的な説明とともに, 関連する計算問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる.複素平面の概念を理解し, 視覚的な説明とともに, 関連する計算問題を解くことができない.
評価項目3複素変数と複素関数に関する計算問題を正確(8割以上)に解くことができる.複素変数と複素関数に関する計算問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる.複素変数と複素関数に関する計算問題を解くことができない.
評価項目4確率の基礎的な定義や性質を利用した計算問題を正確(8割以上)に解くことができる.確率の基礎的な定義や性質を利用した計算問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる.確率の基礎的な定義や性質を利用した計算問題を解くことができない.
評価項目5確率変数と確率分布を理解し, 視覚的な説明とともに, 関連する計算問題を正確(8割以上)に解くことができる.確率変数と確率分布を理解し, 視覚的な説明とともに, 関連する計算問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる.確率変数と確率分布を理解し, 視覚的な説明とともに, 関連する計算問題を解くことができるない.
評価項目6特に2項分布に関する計算問題が正確(8割以上)に解くことができる.特に2項分布に関する計算問題がほぼ正確(6割以上)に解くことができる.特に2項分布に関する計算問題が解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
授業の進め方・方法:
プリントを使用し, 授業を進める. 要点をメモし, 各自プリントやノートを充実させ, 理解度向上のために(例題等を参考に)演習問題を解くことが重要である. この演習と, 理解度を確認するための課題等も評価対象となる. 授業と演習を通じ, 自分の数学の知識を確認しつつ, 復習や予習の自宅学習が必須である.
英語導入計画:Technical terms
注意点:
学習・教育目標: (D-1)100%

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1回:複素数(複素数の定義, 実部, 虚部, 相等, 四則演算, 共役複素数) 複素数の定義が理解できる, 実部, 虚部, 相等, 四則演算, 共役複素数の計算ができる
2週 第2回:複素数(絶対値, 三角不等式, 図形) 絶対値の計算、三角不等式を用いた証明、複素数の図形表示ができる
3週 第3回:複素数と複素平面(極形式) 複素数を極形式に変換することができる
4週 第4回:複素数と複素平面(ド・モアブルの定理, n乗根) ド・モアブルの定理を用いてn乗根の計算ができる
5週 第5回:複素数の数列(複素数列の級数, 極限値) 複素数列の級数を取り扱うことができ、極限値の計算ができる
6週 第6回:複素関数の微分(複素関数の正則性, 導関数) 複素関数の正則性や導関数を理解出来る
7週 第7回:複素数・複素関数の復習
8週 第8回:確率(確率現象の説明, 確率の定義, 情報量, 順列, 組み合わせの計算法)
2ndQ
9週 第9回:確率(事象の性質, 確率の性質・公理, 加法定理) 順列, 組み合わせの計算を行うことができる
10週 第10回:確率(条件付き確率, 乗法定理, 事象の独立) 公理や加法定理を用いた計算を行うとこができる
11週 第11回:確率(復元抽出と非復元抽出, 反復試行の確率, ベイズの定理) 条件付き確率や乗法定理や事象の独立を使い分けて計算できる
12週 第12回:確率分布(離散分布, 2項分布, 平均値の計算法) 復元抽出と非復元抽出, 反復試行の確率, ベイズの定理を用いた確率が計算ができる
13週 第13回:確率分布(分散と標準偏差の計算法), 確率・確率分布の復習 離散分布や2項分布の平均値の計算ができる
14週 第14回:確率の総復習 様々な分布の分散と標準偏差の計算ができる
15週 第15回:複素数・複素関数, 確率・確率分布の総まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。4
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。4
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。4
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。4
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。4
情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。4
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。4
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。4

評価割合

中間試験期末試験課題(レポート12回分)合計
総合評価割合10010060260
得点10010060260