電子工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子工学Ⅰ
科目番号 0062 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 電子デバイス工学(第2版)(古川清ニ郎・萩田陽一郎・浅野種正,森北出版,2014.1.10)
担当教員 飯田 民夫

到達目標

バンド理論をもとに半導体の基礎とpn接合を用いた簡単なデバイスについて学ぶ。
また、半導体の実用例や製造について学ぶ。
①半導体の電気伝導及びキャリヤの振る舞いが理解できる
②pn接合が理解できる
③バイポーラトランジスタの原理が理解できる
④半導体の実⽤例について理解できる
⑤半導体製造について理解できる
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1半導体の電気伝導及びキャリアの振る舞い等の説明、基本問題に関する計算を正確に(8割以上)解くことができる。半導体の電気伝導及びキャリアの振る舞い等の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確に(6割以上)解くことができる。半導体の電気伝導及びキャリアの振る舞い等の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確に(6割未満)解くことができない。
評価項目2pn接合の動作原理の説明、基本問題に関する計算を正確に(8割以上)解くことができる。pn接合の動作原理の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確に(6割以上)解くことができる。pn接合の動作原理の説明、基本問題に関する計算をほぼ正確に(6割未満)解くことができない。
評価項目3バイポーラトランジスタの動作原理の説明、関連の基本問題に関する計算を正確に(8割以上)解くことができる。バイポーラトランジスタの動作原理の説明、関連の基本問題に関する計算をほぼ正確に(6割以上)解くことができる。バイポーラトランジスタの動作原理の説明、関連の基本問題に関する計算をほぼ正確に(6割未満)解くことができない。
評価項目4半導体の実⽤例の基本問題に関する計算を正確に(8割以上)解くことができる。半導体の実⽤例の基本問題に関する計算をほぼ正確に(6割以上)解くことができる。半導体の実⽤例の基本問題に関する計算をほぼ正確に(6割未満)解くことができない。
評価項目5半導体製造の基本問題に関する計算を正確に(8割以上)解くことができる。半導体製造の基本問題に関する計算をほぼ正確に(6割以上)解くことができる。半導体製造の実⽤例の基本問題に関する計算をほぼ正確に(6割未満)解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子工学について、教科書の1~8章を理解する。
授業の進め方・方法:
難解な式はできるだけ省き、物理的な意味などを定性的に理解できるように授業を行う。例題や演習を用いて学習する。
(事前準備の学習)三角関数や指数関数、微分・積分など電気数学を多く用いるので、数学を復習しておくこと。
英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である。
授業中の許可の無い携帯ゲーム機、スマートフォンなどの使用や授業と関係の無い課題に取り組むなどの行為は禁止する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ボーアの理論
(ALのレベル C)
ボーアの理論について理解する。
2週 エネルギー準位
(ALのレベル C)
エネルギー準位について理解する。
3週 エネルギー帯
(ALのレベル C)
エネルギー帯について理解する。
4週 真性半導体のキャリア
(ALのレベル C)
真性半導体のキャリアについて理解する。
5週 外因性半導体のキャリア
(ALのレベル C)
外因性半導体のキャリアについて理解する。
6週 キャリア密度
(ALのレベル C)
キャリア密度について理解する。
7週 フェルミ準位
(ALのレベル C)
フェルミ準位について理解する。
8週 前期中間試験 6割以上の問題について正確に解くことができる。
2ndQ
9週 半導体の電気伝導
(ALのレベル C)
半導体の電気伝導について理解する。
10週 ホール効果
(ALのレベル C)
ホール効果について理解する。
11週 pn接合ダイオード
(ALのレベル C)
pn接合の拡散容量について理解する。
12週 ダイオードの接合容量
(ALのレベル C)
バイポーラトランジスタの動作原理について理解する。
13週 バイポーラトランジスタの特性
(ALのレベル C)
バイポーラトランジスタの特性について理解する。
14週 前期授業のまとめ
(ALのレベル B)
これまでの後期授業内容について復習する。
15週 前期期末試験 6割以上の問題について正確に解くことができる。
16週 前期期末試験の解説 前期期末試験内容について復習する。
後期
3rdQ
1週 半導体の基礎物性
半導体の基礎物性について理解する。
2週 半導体の実⽤例Ⅰ︓ディスクリート
半導体の実⽤例であるディスクリートについて理解する。
3週 半導体の実⽤例Ⅱ︓ミックスドシグナルデバイス
半導体の実⽤例であるミックスドシグナルデバイスについて理解する。
4週 半導体の実⽤例Ⅲ︓集積回路
半導体の実⽤例である集積回路について理解する。
5週 半導体の実⽤例Ⅳ︓光学素⼦(半導体レーザーなど)
半導体の実⽤例である光学素⼦(半導体レーザーなど)について理解する。
6週 半導体の実⽤例Ⅴ︓パワー半導体(パワーエレクトロニクス)
半導体の実⽤例であるパワー半導体(パワーエレクトロニクス)について理解する。
7週 半導体の実⽤例Ⅵ︓CMOSセンサー
半導体の実⽤例であるCMOSセンサーについて理解する。
8週 後期中間試験 6割以上の問題について正確に解くことができる。
4thQ
9週 半導体製造︓前⼯程Ⅰ トランジスタ形成など
半導体製造の前⼯程であるトランジスタ形成などについて理解する。
10週 半導体製造︓前⼯程Ⅱ  配線⼯程など
半導体製造の前⼯程である配線⼯程について理解する。
11週 半導体製造︓集積化技術
半導体製造の集積化技術について理解する。
12週 半導体製造︓後⼯程Ⅰ ダイシング・ウエハ薄化
半導体製造の後⼯程であるダイシング・ウエハ薄化について理解する。
13週 半導体製造︓後⼯程Ⅱ 封⽌・特性検査など
半導体製造の後⼯程である封⽌・特性検査などについて理解する。
14週 後期授業のまとめ
これまでの後期授業内容について復習する。
15週 後期期末試験 6割以上の問題について正確に解くことができる。
16週 後期期末試験の解説 後期期末試験について復習する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4

評価割合

中間試験期末試験授業外課題合計
総合評価割合200200100500
前期得点10010050250
後期得点10010050250